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人の「オススメ」が好きな理由|"好きの押し付け"と"オススメ"の違い

人から何かを勧められること、
あるいは、「オススメない?」と尋ねること、
皆さんはお好きでしょうか。

私は大好きです。
特に、本・音楽・映画において。

ここでいうオススメとは、主に知り合いからのオススメのことを指していますが、商業的要素さえなければ、著名人や見知らぬ誰かのオススメも含みます。

一方、人から何かを勧められることが苦手な人も、少なくはないと思います。

ちなみに、私の姉も「苦手」だと。
理由を聞くと
「今まで散々、好きの押し付けにあってきたから」
自分で見つけたいという思いがあるから」
だそうです。

なるほど。
確かに、押し付けがましいのは嫌だし、
教えてもらうのはちょっと悔しい……!
そんな気持ちも分かります。

では、私はなぜ、オススメを聞くことが好きなのか。
それにはある明確なきっかけがあります。




ある国語教師との出会い


小学校の頃から、読書が好きでした。
中学校に入ると、学校の近くに町の図書館があったこともあり、読書熱は増す一方。

ただ、今の私とは大きく異なる点が一つ。

それは、同じ作品を繰り返し読んでばかりいたこと。

もしくは、同じ作家の作品似た雰囲気の作品にばかり手を出していました。

とにかく、失敗が怖かったのです。
面白くないかもしれないと思うと怖くて、真新しいものを読むのが怖かった。
当時は外食でも同じメニューしか食べませんでしたね。笑

そんなある日、私が読書好きだと知った国語教師が、色々と本を勧めてくるようになりました。

正直、「興味ないなあ……」と思いました。

けど、その先生のことは結構好きだったんですよね。
物腰柔らかで、品と教養があり、素敵な年の重ね方をした女性。
勧めてくるとはいえ、決して押し付けがましくない。

そんなこんなで、「まあ、せっかく勧めてくれたし、一応読んでみるか……」と手に取ったことが、今や私の人生観にも影響を与えたと感じています。

読んだ感想としては、めちゃくちゃ面白かった!
……ものもあれば、面白くなかったものもありました。


1.人との違いを受け入れる


ここから学んだことの一つ。
それは、「なぜ好みでないのか?」を考えるということです。

実は当時、オススメを読んだ際は先生に軽く感想を伝えていました。
面白かったときは困りませんが、問題はつまらなかったとき。

「面白かった」と嘘を吐けば、今後勧められる作品に影響が出るかもしれない。
しかし、「つまらない」と単刀直入に伝えるだけでは礼儀がない。

そうした経緯から、「なぜ自分には合わなかったのか?」ということを考えるようになりました。

そして、勧めてくださった感謝とともに、あくまで論理的に、自分には合わなかった旨をそれとなく伝えることができたのです。

この考え方、今でも役に立っている気がします。

  • 理解できない考えがあっても、相手を否定しない

  • なぜ理解できないのか考える

分からない、つまらない、理解できない、共感できない……。
人との様々な違いを一蹴して放り投げるのは簡単。
そうではなく、向き合って受け入れる。

ここで言う「受け入れる」とは、違いを許容するということ。
そこに理解・共感・肯定が伴う必要はありません。

「なぜ理解できないのか?」を考えると、
「自分はこうした価値観に重きを置いていたのか!」という発見に繋がることも多々あります。
新たな自分に気が付く機会にもなり得ますね。


2.新たな世界との出会いがある


学んだことがもう一つ。
単純に知らなかった世界に出会えるということです。

昔は、外国の児童書ばかり読んでいました。
ジャンルもファンタジーが多かった。

しかし、今は何でも読みます。
小説以外にも、実用書や新書、エッセイや雑誌など。

これって、どう考えても件の国語教師のおかげなんです。
あの先生が、それまで私が一ミリも興味がなかった純文学や古典文学なんかを勧めてくれた。
それがめちゃくちゃ面白かった。

だから、「食わず嫌いするの勿体ないかも」と気付けたんです。

……とはいえ、全く興味のないジャンルに手を出すのって、結構ハードルが高い。

そんなとき、誰かから勧められると「手を出すきっかけ」ができて、一気にハードルが下がる。

だから、

  • 好みと近いものを勧められる
    →単純に興味をそそられるから嬉しい!

  • 好みと異なるものを勧められる
    新たな世界を知れるきっかけになるから嬉しい!

とまあ、オススメには良いことしかないわけです。


3.相手のことを知れる


「その人のオススメを聞く」という行為は、コミュニケーションの手段としても非常に便利だと思います。

  • 話のきっかけになりやすい

  • 相手の好みや価値観を知れる

  • 相手は自分の好きなことを話しているので楽しそう

  • 読んだり見たりした感想を伝えると喜んでくれる

  • 相手が楽しそう/嬉しそうだと自分も楽しい

私の場合、コミュニケーション能力が低く……。
とにかく人見知りで、引っ込み思案で、自信がなくて、人とのコミュニケーションに強い苦手意識があります。

でも、人の話を聞くことは好きなので、オススメから相手の話を色々と聞くことができるのは楽しいです。

反対に、オススメを聞かれると困ってしまうことも多いのは難点です。笑
如何せん自分が話すのは苦手なもので……精進せねばなりません。


「好きの押しつけ」と「オススメ」の違い


最後に、「オススメ」が持つ意味合いについて、「好きなもの」との比較で綴ってみます。

オススメが苦手な人にとっては、冒頭でもお話した通り、「好きの押しつけが苦手」という意見が多いかと。

しかし、厳密に言えば、「好きの押し付け」と「オススメ」は、似ているようで全くの別物だと思います。

例えば、私はBUMP OF CHICKENの大ファン。
一番好きな曲は『arrows』です。

でも、「BUMPのオススメ曲教えて!」と言われたら、その曲はまず言わないでしょう。

じゃあ何を言うのか、と聞かれたら、聞いてきた人によります。

BUMPを全く知らない人なら、

  • 天体観測

  • アカシア

  • ray

  • K

あたりでしょうか。

BUMPたまに聴くよ!くらいの人なら、その人が好きな曲から判断して勧めたり、アルバム単位で勧めたりします。

要するに、
オススメとは、オススメを受け取る側のことを考えた提案です。

しかし、「自分が好きである」ことが主軸になってしまうと、「好きの押し付け」になる可能性があります。

※もちろん、純粋に話題として好きなものを共有するとき、相手から「好きなもの教えて!」と求められたときなどは、「自分が好き」が主軸で何ら問題ありません。

私もオススメを聞かれたら、好きの押し付けにならないよう注意しないと!

あ、何かを勧めたい方はぜひ、いつでもコメントしてくださいね。笑
ではまた。

2024年7月7日 しろくま

P.S.
そういえば今日は七夕ですね。
七夕に関連した話を一つ。

『劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ』という映画が大好きで、何度も観ては毎回号泣しています。
温かくて優しくて、でも儚くて切ない……。
そんなお話が好きな方にはオススメです。


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