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韻文(俳句・短歌・詩)

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俳句や短歌、詩、それに関するエッセイなど韻文に関わる記事。
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2022年3月の記事一覧

春帽子二句

しあはせがあるいてゆくよ春帽子春帽子はるはるはると咲くやうに 春の帽子には笑顔が似合う。 君のその洋服に合う春色の帽子を探しに、一緒に街へ行こう。 春帽子(はるぼうし) 三春 みんなの俳句大会プレシーズン。  投句開始は3/25から。  短歌・川柳も同時開催らしいよ。

追憶三首

頬よせる君と桜のちる空と部屋にミスチル満ちていたころ理不尽に青い正義を突きつけて二十歳の僕を雲雀が笑う春の宵消えぬ恋なら何度でも言おうじゃないか叫ぼうじゃないか

宇宙杯みんなの川柳大会応募三句

お題 『卒業』マスクなき卒アル写真これお前? 「メッセージ書いて!」「初めて話すよね?」 卒業の日くらい密になるのは許してね

振り返りと人麻呂忌・小町忌二句

今朝、noteからお知らせが届いた。 二年前の今日、noteを始めたらしい。 見ると、夜の10時くらいに投稿している。 この時の俺は、担任した生徒たちを初めてのコロナ禍の中送りだしたばかりだった。 卒業までの最後の期間を、急遽、休校によって奪われ、卒業式を中止する学校もあった中でどうにか当時異例の人数制限をして、厳戒態勢で卒業式を執り行った。 そんな彼等ももう来年度は三年生になる。 久々のダッシュボード公開以前は、時おりやっていたのだが、最近はすっかりやっていなかった。

春愁二句

カタカナ語は、長くて俳句に入れにくい。 春愁ふ代車はホンダセンシング春愁や無限増殖フォルダツリー

卒業歌・地虫穴を出づ・春の鳥六句

歌へなかつた卒業歌が渦巻く 卒業歌ピアノ伴奏のみ響く温もりを残して地虫穴を出づ 地虫出づ此処はおまえの良き場所か喚けども枝しか見えず春の鳥 休日の校舎はしづか春の鳥

春の波二句

春の波己れもぷかりぷかりかな 【追記】 わかると思うが、言わずと知れた与謝蕪村の一句 この句のパクリでございます。dekoちゃんのコメで書いといた方がいいと思った笑 ありがとう! 【追記ここまで】 名作だよな。 こうやって、あの月も太陽も海から出て海に沈んでいくんだぞと、海の雄大さを歌いあげている。 山部赤人の詠んだ万葉集の有名な長歌を思い出すね。 この歌は、富士山の雄大さを讃えるのに、渡っていく太陽も隠れちゃうし、月の光も見えなくなっちゃうと述べる。 どちらの歌も

根分二句

来たなあ、生活季語。 だから、やったことも聞いたこともないっていうの。 想像でいくぞ。 いつもより土慈しみ菊根分根分して俺の気持ちも持っていけ

受験子二句

受験子や全て投げ出したき本音受験子や初めて己と向き合えり類想ど真ん中、ど直球の二句。 説明的で詩のない五七五だなあ。  本県では三月三日、四日の両日で公立高校受検が終わった。当日感染症のために受検できなかった生徒が受検するための、追加の選抜が三月十四日に予定されているが、幸いなことに、本校は全員が受検できた。  発表は十六日。その結果如何で、二次選抜を受検する生徒、私立への進学を決める生徒、通信制高校への進学をする生徒が出てくるが、全体としてはほっと一息の時期である。  い

遅日・如月・芽吹く 六句

遅き日よ仕事帰りの水平線放課後に恋告ぐる日の暮れかぬる 遅日(ちじつ)三春引越しを手伝つた如月の朝如月の夜に手渡す手紙かな 如月(きさらぎ) 仲春 シロハラの集う木どこも芽立ちけり街路樹や芽吹かぬ昨日芽吹く今日んー、これは特に詠めねー。 芽立ち(めだち) 仲春一気に六句。宿題を溜めちゃうなんて、ロクでもございません。お粗末。

曲から短歌 スピッツ

手を取りて抜け出すことを誓いつつ愛のことばに身を溶かしつつ『愛のことば』スピッツより 君のことよく知りたくて知らなくてわからぬ君と生きていきたい『ナナへの気持ち』スピッツより 身を焦がすアバンチュール触れているだけの口づけ名も知らぬ君『俺のすべて』スピッツより

白の俳句道場風【第十四回】

今回はきいすちゃんの白杯提出句を取り上げていくよ!(遅) いや、忙しかったとか、書く暇がなかったとか、そういうのではなく、 心の底から忘れていたのだ(一番ダメなやつ きいすちゃんの投句記事はこちら。目が覚めてつま先ふれる星月夜この句に対するきいすちゃんの自句自解 ほほう、こういう意図だったのか。 よし、 作者の意図はガン無視します😏俳句というのはその十七音だけで勝負する文芸である。句の背景を書き添えることもあるが、それをしなくとも読者に伝わるように詠むことが大事。

啓蟄二句

啓蟄の空四方より鳥の声新入荷の珈琲啓蟄の今朝 今日は二十四節気 啓蟄 暦上は春も半ば、仲春となる。 noterのみんなの季節感はどうだろうか。 俺の住む南国でも、まだまだ朝夕は冷え込みが続いているが、外を歩けば確かに春の空気が漂っている。 きごさいの解説にあるように「冬眠していた蛇や蛙などが暖かさに誘われて穴から出てくるころ」が啓蟄であるから、句としては春の深まりを喜ぶような感じを伴うものが良いだろうか。 啓蟄(けいちつ) 仲春推敲の視点本日の句のテーマは破調。 定型は

紙風船二句

今日のテーマ 類想と独自性の間 口語 風船=人間の暗喩が成り立つか 叩かれて紙風船の膨らんで語順の是非 助詞「の」 叩かれて 膨らんで 動詞二つの損 韻の得 紙風船を挟む対比構造 風船の膨らむがゆえはち切れる季語の説明と捉えられるか 口語より文語が合うか 推敲の観点 参考に推敲の観点を載せてみた。 まずできた句を、俺はこうやって吟味するんだけど、みんなはどうだい? 風船(ふうせん)三春