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韻文(俳句・短歌・詩)

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俳句や短歌、詩、それに関するエッセイなど韻文に関わる記事。
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記事一覧

九月尽けふ暗誦の声揃ふ

季語 九月尽(晩秋) 神無月ももうすぐ終わろうとしている…と書いていて、ふと、本来の陰暦ではいつになるのだろうと調べてみた。 神無月は10月の異名なのだが、今の新暦になる前の陰暦10月をさしていたので、今の暦とずれるのである。 で、その結果2024年は11/1〜30が神無月にあたるらしい。 むしろ、今からかい!と、脳内で突っ込んだのは言うまでもない。 と、すると今は長月が終わろうとしているのね。 子どもたちには10月が神無月と教えているが、本来的には違うんだな。と

金色の気配よ秋の中華街

 霜降のこの時期、実は二泊三日の修学旅行に行っていた。  日中は半袖でOKだけれど、日が落ちると長袖でも寒いこの時期だが、まだ冬ほど服はいらないから、荷物はそれほど多くならず助かった。    自主研修のコースのうち、新地中華街が俺の担当エリア。  ひたすら往復をしまくった笑  昼どきをすぎると、食事処は閉まるので、少し人は減るのだが、この日は中国からの豪華客船が長崎に寄港していた関係か、中国の方のツアーが引っ切りなしであった。  活気ある中華街はやはり赤と金のイメージだっ

白帝や地平線まで月明かり

やあ、こんばんは。 らべあろ企画で、探し出された月王こと白でございます。先日はありがたいことにインタビューしてもらったよ。 んで、そのコメント欄で、めろちゃんとアロちゃんの会話の中で、俺に白帝で一句というお題が出たので詠んでみた。 ええ、季重なりですけれども何か?

秋暮れて懐かしき名と文字の文

季語 秋暮れて(「暮の秋」の傍題) ちなみにこの暮とは、秋の終わりの頃のこと。夕暮とは違うよ。 最後の文はふみ、手紙のことね 初任の時の子たちから連絡がきた。 俺は、初任校で一年目に担任した学年を、1.2.3と持ち上がって担任し、4年目は、そのまま3年に残って担任をした4年間だった。 つまり、2年間続けて卒業生を送り出したことになる。 その子たちが、節目の年齢ごとに同窓会を開くのでそれへの参加の誘いだった。 もちろん行く…が、なぜか今年は同時に開催なのだ。 なぜ一年違うの

二つ星背中合わせに愛の唄

The Challenge に間に合って、投票までできたから満足してボーとしていたら、決勝進出ありがとうございます 自分に入れた一票が効いたのかもしれません😏 いつものペースでnoteを開くとラベちゃんロハちゃんに心配かけてました ごめんね 決勝に残った試しがないので油断してました さて、二つ星か 先人の句でも読んでみるかと、「二つ星 俳句」で検索をかけてみたら、昔の俺の記事がでてきた わあ 懐かしい…じゃなくて、それだけ先人も詠んでない季語なのね 二つ星ってのは、織姫

星月夜前行く人の背に羽根

季語 星月夜(三秋) 背は「せな」と読んでもらえるとありがたい。 The Challenge 参戦!今回は滑り込めたか?笑 ハロウィンまで1ヶ月。 すっかり仮装の日として定着した感があり、コスプレとも親和性が高いから、興味ある人には一歩踏み出すのに良い日だろうな。 といっても、俺の周りではまだまだそういった姿が見られることは珍しい。やはり、ある程度「みんなここでは仮装していいんだよ」空間を生み出さないと、自分一人で非日常を維持するのは難しいんだろうな。 そうそう、俺の

小鳥来る縁まで蒼き手水鉢

季語:小鳥来る(小鳥傍題)仲秋 最近はいかにも水道から水が流れ出している手水(ちょうず)もあるが、出所は同じ水道だったとしても、ちょっと手水鉢が苔むしているような風情ある造りになっている方が、何となくありがたい気がするから現金なものだ。 トップ画の燿さんの写真などは、まさに命の連環を感じさせる美しさである。 この写真に添えるには拙いが、一句詠ませていただいた。 らべあろ企画滑りこみ!

秋分や犬と烏と珈琲と

ここ2日くらい、めっきり朝夕が涼しくなった。 特に朝は寒いくらいである。 ゴミ出しをした早朝の帰り道、遠くで吠える犬と電線で呼応するように鳴く烏。そして玄関から珈琲の香。 そういえば22日は秋分だったか、と2日遅れに実感したのだった。

名月の大きく見えて山の傍

んー、これは見たまま俳句になっちゃうか。 もっと言葉の吟味が必要ね。 満月は今日なんだけど、中秋の名月は昨日って面白い。 俺は、裸眼で運転ギリギリ、ちょっと乱視も入ってるせいか、正直なところ昨日の名月も今日の満月も、なんなら明日の十六夜も、多分見分けがつかない。 昔の人は見分けてたんかな。 新月から新月までを数えて、30回夜が来たら新月から新月になるじゃん!って発見して、んじゃその半分で十五夜ね、そこが満月!ってしたんじゃないかな。 って思いつつ、出始めの大きな名月を眺め

雲影にひとときの秋開会式

体育大会の予行が終わった。 以前は1日開催をしていたが、熱中症対策で、午前開催になっているので、予行もまた午前の4時間で行う。 行進をとりやめ、開閉会式を座って行ったり、テントの中で行ったりと、いろいろと様変わりはしているものの、やはり暑い! 雲のほとんどない空の下、ジリジリと身を灼かれながら立っているのは、なかなかの苦行である。 ふと、少しだけ影がさした。 見ると、キャベツのような雲が日を遮ってくれていた。 その、影になったわずかな時間のみ、確かに秋だった。日が直

抜く草のひやりと湿る白露かな

ちょうど白露のころに毎年自治会の道路愛護作業がある。 暑気を避けて7時からスタートし、頃合いを見て終わる。 俺の所属する班は公園の美化作業。 これから高くなる日を避けつつ、草むしりを1時間余り。 草をむしると時折稲科の草の根を抜いた後から蟻がわらわらと出てくる。根に沿って、巣を作っているのかもしれない。 俳句になるかもなーと、草を抜きながら五七五をひねっていた。 でも、草むしりも蟻も、夏の季語なんだよなー。 ということで、白露の句になったけれど、抜く草はセーフかな?まあ

休暇果つチェックリストの空いたマス

 頭で思い描く進み具合と実際の進み具合は、案外ずれている。  あと少しだと聞いていたそれが、実際は2割程度しか終わってなかったなんてざらである。 …もっと早くチェックをすれば、まだ挽回しようもあっただろうに、最終日に確認じゃ遅すぎるよね。 人は夏休みの宿題のころ、とうに学んだはずの過ちを、あいも変わらず続けているのだ。

台風過ガラスに残る葉の透けて

 昨日1日かけて、ひとまず本県を台風が通り過ぎていった。  我が家は幸い被害はなかったが、通勤路は看板が無くなっていたり、道路標識やバス停が折れていたり、枝葉が一面に散乱していたりして、台風の強さを物語っていた。  台風は暴風域がなくなりはしたものの依然大分あたりで停滞しているようだ。  遠くに居ても、連れてきている雨雲がまた厄介である。  ベランダの窓にはどこから来たのか、たくさんの葉が微動だにせず張り付いている。

秋晴れやキャリーケースのかろき音

8月もいよいよ最後の週を迎えようとしている。 特にこの仕事をしていると、何となくそわそわしてしまう時期でもある。 今年はそんな最後の土日に旅に出ることにした。 大学時代の同期と会う、そんな旅である。 会って話をするために旅をする。 待ち受ける贅沢な時間が俺の荷を軽くする。 というか、一泊分の着替えしか入ってないのだから軽くて当たり前である。 リュック一つで余裕なのだが、肩が凝るからスカスカのキャリーケースを転がして、ゴロゴロ旅することにしたのだ。 と、新幹線で