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韻文(俳句・短歌・詩)

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俳句や短歌、詩、それに関するエッセイなど韻文に関わる記事。
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記事一覧

囀りの町よ此処からリスタート

四月も今日で終わり。 ゴールデンウィーク前半戦はいかがお過ごし? 四月はキャパオーバーだったが、ようやく落ち着いてきたので、五月はもうちょいリズムを整えていきたいものだ。 先週は俳句ポスト「囀り」の発表ウィークだったと幼稚園の記事で知ったが、ここ2、3ヶ月ほど、俳ポも俳句生活も出せていない。 というか、俳句をここでしか詠んでいない。 またね、も言えなかったが、わずかなタイミングで届けられたメッセージを読めただけでもよしとしよう

藤の花ガレージ裏の弾き語り

季語 藤(晩春) 「歌うたいのバラッド」は斉藤和義の名曲で、いろいろな人もカヴァーしている。 曲をランダムに流していたら、 奥田民生&斉藤和義→Bank Band(桜井和寿)の「歌うたいのバラッド」リレーの奇跡にちょっと上がる

忙しくも寂しくもあり万愚節

季語:万愚節(仲春)四月馬鹿の傍題 これは俳句としてありなのかどうかはおいといて、今日の日の雑感である。 常ならばもう少しゆっくりしていたように思うが、ここ最近、少しでも早く準備を終えようと、早くからスタートを切るようになった。 新しく迎えた先生方もきっと息をつく暇もなかったに違いない。 ふとした瞬間に、もう新天地に旅立った同僚たちを思い出しつつ、新年度の準備で忙しなく動く今日は、なんだか自分が休み方を忘れてしまったようにも思えたり。

桜さくら明日の約束する少女

季語 桜(晩春)  最近の陽気でソメイヨシノが一斉に咲き始めた  一方ヤマザクラは雨で多くが花を散らしてしまったようで、山を彩っていた桜色がほとんど消えて、初々しい緑になっている  ここ二、三日で満開になるだろうソメイヨシノをあちらこちらで眺めつつ、新年度の始まりへと気持ちをシフトしている今日この頃である  みん俳の桜も素敵な花を見せてくれているねえ

見送りし五人の背なよ春の雨

季語 春の雨 先日離任式も終わり、この数日で何人もの同僚が出立した。 毎年のことながら寂しいものである。 新天地でも、伸びやかにそれぞれの力を発揮できることを願っている 背は一字でも「せな」とも読めるが、この送りがな方式もあるみたいなので、背なとしてみた

卒業の吾子の髪先切り揃へ

季語 卒業(仲春) 小学校の卒業式だった 娘も大きくなった 校長先生が、亡くなった愛犬が夢に出てきてくれた話をしてくださったのが印象的だった 小学校ご卒業のみなさん おめでとう!

歳月を重ねればこそ山桜

常識と思っていることが常識ではなくなる、その速度が増している気がする。 令和に生きる子どもが昭和を振り返るとき、その感覚が、昭和に生まれた俺たちが明治を振り返るようなものだとすると、それはもう教科書に載っている歴史の一部である。 昭和後半生まれの自分が、明治維新、大正デモクラシーなどの並びで昭和前半の歴史を学んだように、今の子どもが昭和の後半や平成を学ぶのだとしたら、どの出来事が年表に刻まれているのだろうか。 …今の社会の教科書読んでみよっと

四十雀雨降らぬ間に鳴くことよ

雨が降る度、暖かくなったり寒くなったり。 去年の春もこうだった気がするけれど、今年は格段に寒いねえなんて言ってみたり。 朝、ゴミをまとめてゴミ回収場までもっていくときは、降りそうな気配がありつつ、まだ雨ではなかった。 鳥がツピーツツピーと鳴くので、この鳥何だったけと「ツピー」を検索してみる。鳥好きなあの子に聞けば、直ぐにわかるだろうに、俺はさっぱり頭に入らない。 そうそう、四十雀だ。 仕事の荷を持ってもう一度玄関を出ると、四十雀の声はもう聞こえない。 冷気を纏った雨

初燕先ず合格を知らせたり

本県では今日が公立高校の合格発表。 自分の職業的にも最もドキドキの1日である。 本県は、九時になると高校から中学校へ結果の内示がなされる。 それを受けて、残念な結果になった生徒、保護者と一緒に進路先の検討を行うことになるのもこの日である。 合格している私立高校にするのか、いわゆる二次募集という、公立高校の再受験を選ぶのか、あるいは通信制か、就職か…なんにせよ、不合格者だけに電話を一本入れなければならないのは、心情を慮ると辛いものがある。 受かっていても、電話がかかってこ

寒き朝白毛混じりの鼻の穴

季語 寒し 三冬 俳句生活 人選 先日、俳句生活の発表があったので載せておく。ここしばらく佳作だったり、投句できなかったりだったので、久々の人選だ。 俳諧味、という部類だろうか。 やはり実体験は強しである。 髪の毛にチラホラと白髪の増えを感じるころ、鼻の中にも白いものを見つけて、おおっとなったのを覚えている。 そんな俺も四十代最後の一年である。

相棒はシャーペン二日目の受験

季語:受験(入学試験の傍題)仲春 息子は受検生である。 入試に持っていく筆記具の準備をしている。 文房具、特にペン類が好きで、何本かお気に入りのシャーペンがあるのだが、悩んだ末に 「これまで一緒に頑張ってきたからな」 と、家での勉強に使っていた木軸のシャーペンを筆箱に入れた。 今日は二日目。 一緒に頑張ってきた相棒と頑張ってこいよ。

受験子や青信号の続くみち

季語:受験子(仲春)入学試験の傍題 ベタな句ではありますが、応援句ということで。 本県では、明日から公立高校一般入試が二日間に わたり行われる。 私立へ進学する生徒が増えたとはいえ、まだまだ本県では公立志望が多い。 我が息子も含め、全ての受検生の行く道に青信号が灯りますように。

蜜柑放る太陽の空渡るごと

俳句ポスト 中級並選 兼題「蜜柑」三冬 冬を代表する果物「蜜柑」 身近な食べ物だけに、みなさんの句は、日常と結びついた句が多かったなあ。 いつも思いつかず、〆切その日になって提出しているから、二ヶ月経って改めて句を見ると、色んな推敲点が見えてくる。 句友の様子を伺うと、 たくさん読む→二、三句に絞る→推敲→提出 これが一般的。対して俺は 一、二句即吟→提出 こりゃ並選以上は無理よね。 世の中には面白いことが多すぎるから、もう少し俳句に比重を上乗せしないと上手くはなるまい

春疾風本気の犬にゃ追いつけぬ

うちのあかねは、半歩前を歩かないと急に右回りに旋回する。 俺は左手でリードを持っているので、突然曲がられると、あかねにつまずいてしまうことになる。 そんな時はリードを自分の前で右手に手渡し、後ろ手に、右から左に手渡さなければ、俺の周りを回るあかねによって捕縛されてしまうのだ。 たちがわるいことに、一緒に歩いている良女(よめ)や娘ごと巻き付いてくるから失敗するとまとめてがんじがらめにされてしまう。 そこで編み出したのが半歩前歩行法だ。 研究の末、ちょうどあかねの頭の半歩