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自殺未遂をしてICUに入ったときの話

急だけれど、自殺未遂をしたときのことを詳しく書こうと思う。
なぜなら私が気に入っている話だから。

調子が悪い時期だった。毎晩死にたいと泣いていた。
彼氏が心配して夜中に来てくれたりした。
その日は、朝から咽び泣いていた。
彼氏は予定があるので出ていってしまう。
お願い、行かないで、と言ったがこんなの日常茶飯事だった彼は、行ってしまった。
朝、独り、希死念慮、絶望、全部が私に押し寄せている。死んでしまうなら今日だと思った。
泣きながら精神科でもらった薬をかきあつめ、一気に飲み下した。
そこからはなにも覚えてない。

悪夢を見た。
白い部屋に私は拘束されて横たわっていた。
看護師さん3人に注射を打たれそうになって、やめて!って叫びながら暴れた。

起きたらICUにいた。
怖い夢を見たなぁと思った。周りを見渡したら夢に似ている部屋だった。
看護師さんが1人来てくれた。夢に出てきた看護師さんの1人と同じ名前だった。
前のバイト先で怖かった上司と同じ名前だったので覚えていた。

その人が牛乳を飲ませてくれた。
甘い。って口に出したら自分の声とは思えないくらいしゃがれていた。唇も荒れていた。
自分を見ると管だらけだった。
おしっこの管だけ取った。
今から私は普通病棟に移るらしい。立ち上がれなかったことにびっくりした。車椅子で移動した。
一人部屋で安心した。
しばらくトイレは付き添ってもらった。
普通病棟はスマホが使えた。各方面に予定をすっぽかしたことを謝った。
友達や好きな人と電話した。声がこのまま戻らなかったらどうしよう!と笑ったりした。
夜寝ると怖い夢を見た。泣きながらナースステーションへ行った。大丈夫だよ、と、水(プロテインシェイカーに入れてくれた。素晴らしかったので退院してから水筒はプロテインシェイカーに変えた。)と氷枕をもらってまた横になった。

朝ごはんがパンで嬉しかった。
すごく唇が腫れていてカサブタができていた。
そういえば私はずっとオムツをしている。
母親に、リップクリームと下着を売店で買おうかなぁ、と連絡した。
母親は、唇が荒れているのは人工呼吸器を付けていたからだね、と教えてくれた。
私はICUで大暴れをしたらしい。拘束されたあと、鎮静剤を打つことになったが、そうすると呼吸が止まってしまうので人工呼吸器を使ったのだという。
あの悪夢が、実は現実に起きてたことだったんじゃないかと思った。

ふと、私は数日お風呂に入ってないことに気がついた。お風呂に入りたいです。と言ったら入らせてくれた。身体はアザだらけだった。ほんとに暴れたんだなぁ、と思った。
夜、また悪夢を見た。泣きながら看護師さんに退院したいと言った。あと数日だよと言われて安心した。

退院の日、母親が迎えに来てくれた。
私が1人で住んでいた部屋に2人で帰ってきた。
色んな話を聞いた。
あの日、変になった私から電話がかかってきて、救急車を呼びなさい!と話したこと。仕事を早退して駆けつけてくれたこと。
私が救急車に乗ってる間、彼氏の名前ばかり口に出していたと救急隊員さんが言っていたこと。
服がびりびりに切り裂かれていたこと。
私がICUで眠っている間、父親も単身赴任先から来てくれていたこと。
また自殺未遂を繰り返すようなら私は閉鎖病棟にいかなければいけないという話をお医者さんからされたこと。

母親は私を怒ったりしなかった。

夜、私は母親の前で泣いてしまった。
死にたかった、死ねなかった、助かってしまった。と、沢山泣いた。
母親は、ごめんね。生きてほしいとお願いしてごめんね。辛いのにね。と、言ってくれた。

未だにあの時死ねたらよかったなぁと思う。
唇にはまだ人工呼吸器の痕が残っている。

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