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鈍感モードのススメ/INFJ・繊細さん向け


以前の大器晩成の記事を、たくさんの方が読んでくださっているようで大変嬉しく思います。ありがとうございます。
そちらでは、特技を活かして先回りすることでミスやトラブルを減らしている、というお話しをしました。
INFJの性質をより研ぎ澄ませて使うというイメージですが、これとは真逆の事も大切にしています。【性質を敢えて鈍らせる】ってことなのですが、これが生きにくさを和らげるコツなのかも?って思っています。今日は、それをご紹介します。


繊細とモードと敏感モード

INFJの大きな特性、①直観力が強く状況や人々の感情を敏感に察知する。②他者への共感性が深く、人々の感情やニーズを敏感に感じ取ることができる。
この2つの特性を、意識して活かす方に持っていくモードと、逆に敢えて鈍くするモード、時によって使い分ける感じです。私は勝手に、前者を【繊細モード】、後者を【鈍感モード】と呼んでいます。

世間には、鈍感力という言葉もあるようです。鈍感力とは、ストレスとなりうる外部情報を自分の中に溜め込まず受け流す力のことで、そうすることで心の健康を保つ方法論のようです。
例えば、誰かから心無い事を言われたり、態度で取られた時、自分の心の状況を把握して「今は受け止めきれない」と感じたらスルーする。

確かに、鈍感力を身につけたら生きやすいだろうなと思いますが、私が思う鈍感モードは、それとは少し違います。

※鈍感力を否定したいわけではないので、悪しからず。実は、この辺りの説明をするのがすごく難しく、伝わりにくかったり、誤解を生じてしまうかもしれず少し心配なのですが、書き進めていきます。


先回りしてしまう

INFJさんは、人の感情以外にも、その場の雰囲気や変化に気付くことが多いと思っています。それは一見、ストレス原因にならないような些細な事もです。

例えば職場で、A4コピー用紙のストックが残り少なかった場合の話。最後のひと束をコピー機にセットした人が総務に発注依頼をかける、そんな【暗黙のルール】があるとします。
Aさんがコピー用紙をセットした時、ストックはひと束残っていました。暗黙のルールに従うならAさんは発注依頼をする必要はありません。けれどAさんは「そろそろ無くなりそうって気付いたから自分で発注依頼をしよう」と思い、先回りして行動しました。

Aさんは、少し前までの私です。気付いちゃった手前、やらないで知らんぷりが、なかなかできない。何が何でも自分が絶対すべき、とうい状態でなくても、見て見ぬふりをする事に罪悪感を感じてしまう。明確なルールがあるのなら、やらなくていい!って割り切れるかもだけど…

世の中、明確にルールが決まってないけど、こういう時はああしといた方がいいかな〜的な、何となくの暗黙のルールようなものがあると思います。INFJさんは、それに気付くのが誰よりも早いのではないでしょうか。その結果「気付いたからやる」の連続。
さらに、本来自分の担当ではない事でさえも同じように「気付いたからやる」の精神で、やってしまう。

良かれと思ってしていたことが

例にしたコピー用紙は本当に些細な事ですが、日々の家庭や職場では、こんな事が大なり小なり沢山あって。ふと冷静になったら、色々な仕事やってませんか?それは本当に、やるべきことですか?
そうは言っても、繰り返しになりますが、気付いたのに知らんぷりがどうしてもできない。やらない事に罪悪感を感じてしまう、の堂々巡りです。

この行為、利他的と言ってしまえば良い事をしている感じなので、そこに何も問題はなさそうですが、実はこの小さな積み重ねがストレスになっているのだと、ある時私は気が付きました。

仕事でペアを組んでいる同僚が、私と正反対で取り組むのが遅めなタイプで、先の述べた思考回路の通り、私は色々と先回りして代わりに対応していたのです。それがしばらく続くと、その人に対してイライラする事が増えたのです。全然嫌な人ではないのに、なんでだろ?
よくよく考えていくと、イライラの原因は自分が何でもやってしまう事なのかも?と疑いはじめました。そして、試しに先回りを止めると、不思議な事にイライラは治りました。
その時に、これってストレスだったのだと、初めて自覚しました。


知らんぷりをするために

では、あれだけ「知らんぷりできない」って言っていたのに、どうやって知らんぷりできたのか?下記のふたつを意識したことで可能になりました。

①しなくてよい仕事をする事で、本来の自分の業務時間を削ってしまっている

②誰かの大事な機会を奪っている

①はそのままのことでわかりやすいと思います。人の仕事をすることで、本来の業務が追いやられ、最終的に残業になったりで、肉体的にも精神的にも、疲労が蓄積します。人は人、私は私、と言った感じで自分の業務により集中するように意識を向けました。

②の方が大事だと、私は思っています。
「本来はそれをやるべき人がいるのに、あなたががしてしまう事でその人の経験とそれに伴う成長の機会を奪っているのかもよ?」この件を人生の先輩に相談した時に言われた言葉です。
それ、一理あるかも?と思った私は、そう考えるようにして、同僚に対して半ば無理やり心を鬼にして知らんぷりを決め込みました。
その結果、同僚は最初こそギリギリではあるけれど自分の業務をやり遂げて、最終的には通常のタイミングで業務を行えるようになったのです。

あ、先回りしてたの私の自己満だったんだ…

痛感しました。良かれとやっていた事が、人の経験と成長を奪っていたと。
私が先回りする事は、自分にも気づかないうちにストレスになって、さらに人の成長の妨げになっているなんて、いい事ゼロです。


先回りを辞めてから


なので、過剰な先回りを辞めました。同僚に対してだけでなく、例に挙げたコピー用紙レベルの事まで(もちろん、自分がやるべきタイミングで気付いた時はやります)。何かに気付いた時に、

本当に自分がやるべき事なのか?
自分がやる事で人の経験を奪ってないか?

これを頭に思い浮かべてから判断すると、罪悪感なく知らんぷりができるようになりました。そうすると、心にも余裕が生まれて、前より仕事がしやすいかも?と思えるようになりました。
そして、私が知らんぷりしても、会社という組織は、何の問題もなく回っています。

ちょっと長くなりましたね。わかりにくかったかもしれませんが、これが私がお勧めする【鈍感モード】の正体です。
気付いてはいるけど知らんぷりする、敢えて鈍感な振りをする、そういうモードを発動する感じです。

そもそも繊細にできているINFJさんにとって、鈍感になる事って無理なんだと思います。けれど、常に100%の繊細さで立ち向かっていたら、神経すり減ってしまいます。なので、自分で自分を許せる範囲の大義名分をつくって(私の場合、人の機会を奪っている)鈍感な振りをする。それが、心が少し軽くなるコツなのかもな、と思ってます。
この記事を読んで、心当たりあるな…と思った方は、ご自身なりの大義名分で【鈍感モード】を発動するのはいかがでしょうか?







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