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服も髪も選べない時

髪が切りたいけど、服が買いたいけど、どうしたいのか、何が欲しいのかわからない。20代後半からそんなことが増えた。

プライベートで着たい服は、仕事には着ていきづらい。でも、仕事用にわざわざ服を買うのも気が進まない。結局どちらでも着られるような、中途半端な服が増えていく。

時折個性的なデザインの服を買うけど、飽きてしまう。結局リサイクルに出し、また無難な服が残る。そのサイクルから抜け出せない。

今回もまた、タンスにときめかない服しかない。服が決まらないと、髪型も決まらない。まずはときめく服を買おうと、メルカリやZOZOを探す。

しかし検索のとっかかりがない。手元に残ってるのは、無印やユニクロなど、無機質で無難な服ばかり。もう少し個性のある服を楽しみたい。

いつものナチュラルな服もなんか気分が違う。丁寧な気分じゃない。かっこい女優さんが着てるロックな服も素敵だ。イメチェンするにはいいかもしれない。でも、自分に似合うか?というと、疑問符が取れない。海外っぽい服も、エスニックな服も、カラフルなデザイナーズブランドも、何もかもしっくりこない。

メルカリで思いつくブランドを検索しても一向に買いたいものがない。最終的に、ZOZOでブランドを絞らず、カットソーを検索してみた。

気になったものをお気に入りに入れていく。すると、自然と同じブランドのものがチェックされる。これまで気にしていなかったブランドを覗いてみる。気になるものが多い。モデルの着用写真を、自分に置き換えてイメージすると、しっくりくる。

プチプラで、どちらかというとダサそうなイメージで敬遠していたブランドの服が、今までたまにご褒美に買っていた、少し高い服よりも、実は好みで、自分っぽく、しっくりきた。

これまでは、値段のイメージに縛られて、見えてなかったのだ。身の丈にあったものは、値段には関係ないのだとしみじみ思った。

自分にはないカラフルでポップな世界。
ハードでかっこいい世界の服にも憧れる。

でも、そういった服は、結局飽きたり、着心地が悪かったりで、手元から離れていくのだった。

結局、身体は変えられないのだ。

筋肉がない私の身体では、重たくて疲れる服は着られない。体格が貧相で、シャツもTシャツもあんまり似合わない。それらを隠せるゆったりとしたシルエットや、ドルマンスリーブがちょうどよい。

色味が強いとすぐ飽きてしまうので、淡い色がよい。

スタイリッシュな雰囲気でも、かっこいい雰囲気でもなく、持って生まれた身体には、柔らかい雰囲気の服が似合うのだ。

全然違う服を探そうとしたけど、結局今手元に残ってる服が着やすくて、使いやすいのだ。そこにもう少しだけ、雰囲気をプラスアルファできると、ワクワクが全然違う。

それに気づいた時、既にもっているものを大事にしてそれを活かそうという気持ちが湧いた。

どうしていつも隣の芝は青いのだろう。こんなに単純なことでも、自分に留まるのは難しい。



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