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大人になっても意外とできないことが多い

 私は電車に乗り遅れるととてつもなく落ち込む。その遅れ方はかなり情けない。間に合うか瀬戸際の時間に出て遅れているので、駅の前で自分の乗りたい電車が来ているのを見かけて間に合わないとか、最後まで諦めなかったら目の前でドアが閉じてしまうとか。

 電車に乗り遅れると朝から気分が悪くなって、自己肯定感もかなり損なわれる。電車に乗り遅れるなんて、生きている価値がないとすら思う。

 そんな私が電車に乗り遅れないために生み出した方法は、「早めに家を出る」ことである。具体的には、駅までの最短時間5分前に出るつもりで、そのさらに5分前に出かけるための最終準備を始めるのが肝要だ。

 これは本気で言っている。以前の私は知識として作業には時間がかかると知っていたが、体感としてはわかっていなかったように思う。駅までの道のりにかかる時間は知っていたが、1〜2分なら歩く速度をあげれば間に合うとすら思っていた節すらある。

 しかし、何度か電車に乗り遅れて最悪な気分を味わい、いい加減学んだのだ。最短時間ぎりぎりで家を出ると遅れる確率があがるし、最短時間に足りない時間に家を出ればほぼ遅れるのである。繰り返すが、これは本気で言っている。

 また、私は次の事柄も体感した。

・駅までの最短時間の短縮はそうとうきつい
・駅までの最短時間はあくまで最短で、少しでもぼーっと歩いていると遅れてしまうから、余裕を持った時間で出た方がよい
・家を出る前に準備が完結していないから、5分くらい前に出るつもりでいないと出る時間が遅くなる(理想は前日の夜に準備をしておくことだが、疲れてやる気がしない場合が少なくないので、朝の時間の調整をしたほうが私の場合現実的と判断)

 結果、私は電車に乗り遅れなくなった……と言いきれないのが情けないが、少なくとも乗り遅れる確率は体感減ったし、仮に乗り遅れてもそんなに落ち込まなくなった。遅れて家を出れば電車には乗り遅れるものだということをはっきりと理解したからである。

 ちなみに、5分前に家を出ないとならないと考えることで、ぎりぎり間に合う時間か+1分くらいで家を出られるようになった。油断すると遅れる。朝って一瞬ぼーっとしたら命とりだ。まあ、もう少し余裕を持った時間に起きるべきかもしれないが、それは余暇や睡眠時間とのバランスなのでなかなか難しい。

 こんなことを真剣に考えているなんていい大人なのに、大丈夫か? とも思うが、最近私は入浴後に体をきちんと拭けていなかったことに気づいた。大半の大人に(子どもにもか?)理解して貰えないかもしれないが、私は体をきちんと拭いているつもりで実は拭き残しがあり、寝巻きを着る段階でなんか濡れているな、と思っていたのである。そうか、拭き残していたのか! と「気づいた」のは、夫から何度も拭けていないと指摘され、自分自身でもようやくなんかおかしいぞ? と思い始めてからだった。

 それなりに大人になったと思っていたけれど、なんだか思ったよりもできないことが多いようである。

 生きるのって、生活するのって、難しい。

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