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まるでMacを使いこなせない

 実家でも学校でもWindowsを使っていた私が、Macと初めて出会ったのは大学のコンピュータ教室であった。

 いつも使っているWindowsとLinuxの並んだコンピュータ教室が満席で、私はふだん使わないその部屋に足を踏み入れた。そこに並んでいたのが、Macのデスクトップたちだった。

 パソコンを使わないとできない作業のために来ているのだから、私は当然ながらMacを起動させようとした。しかし、できなかった。私は使い慣れないMacの電源の場所がわからなかったのだ。恥ずかしいことに、初回は諦めてそのまま退室したような気さえする。その後、間をあけて訪れたときにはなんとか電源を発見して、起動に成功したが、Windowsしか使ってこなかった身にはインターフェースの違いが厳しかった。結局ほぼ使いこなせなかった。

 こんな体たらくなのに、私はMacに対する憧れを捨てられなかった。それというのも、私がdynabookやLenovoのそれほど高価ではないラップトップPCを使っていたにもかかわらず、周囲の少なくない学生たちがレッツノートやMacBookを使っていたからである。ガスをよく止められたりするほど金欠だった私は、その安くないラップトップPCをキーボードが欠けても使い続けていたというのに……。レッツノートもMacBookも、なんだか格好よく見えたのだった。Macは特に、私の大学生活が始まった頃にはiPhoneもなかったので、物珍しさも強かったのかもしれない。

 だから、2019年の消費増税前、家電量販店で安くなっているMacBook Airを見かけたとき、私は即決で購入していた。お金のない大学生の頃に買ったLenovoのラップトップPCを使い続けていた私は、いい加減、新しいパソコンを欲しいと思っていた。どうせ買うなら、最新でなくてもいいから、憧れの機種を買いたいと思った。

 今、私の家にはMacBook Airがいる。ただ、働いていると昔ほどパソコンをいじる時間もとれないし、簡単なブラウジングはタブレットPCを使ってしまう。結局、いまだに私はMacを使いこなせずにいる。Windowsでならすぐ見られるストレージなどのスペックの確認すらままならない。OSのアップデートもうまくできない。なぜだ……。

 ちょっとめげそうになるたびに、いやいや結局慣れの問題だから、と自分に言い聞かせている。だって、Windowsなら困らない程度には使えている。文章を打つのはパソコンのほうが楽だから、徐々に使いこなしていきたい。

 ちなみに、この文章は別の文章を打っている間にMacBook Airの調子が悪くなってしまったので、iPhoneから書いている。なんでこんなにMacBook Airと相性が悪いんだ?

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