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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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【D&D2024】ユニ:奪われた角を追え

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.


この記事は、D&D Beyondの無料アドベンチャー“Uni and the Hunt for the Lost Horn”を非公式に日本語訳したものです。
元コンテンツの無料公開が終了した場合などには、本記事の公開を停止する可能性があります。

まとめ(ネタバレなし)

PCレベル:4レベル
PC人数:4~6人
作成済みキャラクター:あり(7人分)
所要時間:2~3時間
使用ルール:『Player's Handbook 2024』または「D&D 2024 Free Rules」

なお、本記事で翻訳したのは、シナリオ、クリーチャー・データ、作成済みキャラクターが所持している魔法のアイテムのみです。
元コンテンツに含まれる2024ルールの抜粋、呪文、作成済みキャラクターの特徴などは、キリがないので割愛します。(ごめんなさいね…)
Free Ruleの内容については有志で翻訳されている方もいらっしゃいますので、よろしければ検索してみてください!

セッション、配信などへの使用はご自由にどうぞ。報告、クレジットはいりませんが、教えてもらえるとやる気が出るかもしれません。


以下、アドベンチャーのネタバレを含みます。
プレイヤーとして参加予定の方はご遠慮ください。



















ユニコーンのユニは窮地にあった。邪悪な魔法使いケレクが、恐ろしい儀式の魔力源としてユニの角を盗んでいったのだ。キャラクターたちがケレクを止めなければ、ケレクは魔力を引き出すためにユニの角を破壊し、二度と戻らないだろう。

「ユニ:奪われた角を追え」は、1年に渡るダンジョンズ&ドラゴンズ祭とその50周年記念の一環である。ここで紹介するアドベンチャーには、1980年代に人気を博したアニメ・シリーズ「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のキャラクターたちが登場する。

このアドベンチャーは、4~6人の4レベル・キャラクター向けに設計されている。アニメ・シリーズの主人公6人のキャラクター・シートが付属している: ボビー、ダイアナ、エリック、ハンク、プレスト、シェイラ(6人とも青少年期になっている)。7人目のキャラクター・シートは、D&Dの多元宇宙に最近入り込んだばかりの、別の冒険者グループにいたクレリック、ニコである。各プレイヤーは、これら作成済みキャラクターから1人を選んでもいいし、自分でキャラクターを作成してもいい。

アニメ・シリーズについて
「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は、同名のTTRPGを原作として、1983年から1985年にかけて放映されたアメリカのテレビアニメ・シリーズである。このシリーズでは、6人の若き仲間たちが魔法に満ちた領域から故郷に帰る道を探し求める姿が描かれた。キャラクターたちはダンジョン・マスターの導きに従って進み、ダンジョン・マスターは各英雄に強力な魔法のアイテムを与えた。このアドベンチャーの主要キャラクター(ユニコーンのユニ、魔法使いケレク、ヴェンジャー)はみな、アニメシリーズで大きな役割を果たした。

背景

魔法使いケレクは長きに渡り、ユニコーンの希少な魔力を邪悪な野望に利用しようとしてきた。最近、ケレクはユニコーン生来の魔力を吸い取る一度限りの魔法を考案した。飾り杖でユニコーンの頭から角を折るのだ。もっと悪いことに、ケレクがある書物を発見した。その書物には、隠された擬似次元界への道順と、ユニコーンの角を構成要素としてその中でウィッシュ呪文を儀式発動する指南が書かれていた。ケレクはこの儀式を使って、彼の上官、すなわち悪の魔術師ヴェンジャーの地位を奪い、“レルム”の支配者になろうと企んでいた。
しかし、ケレクはヴェンジャーの罠に落ちただけだった。ヴェンジャーはこの書物を仕掛けることで、ケレクを誘惑して忠誠心を試したのだ。書物に記された擬似次元界はヴェンジャーの水晶球クリスタル・ボールの中にある。儀式を終えたケレクを待っているのは、ウィッシュではなく、ただ主人からの軽蔑だけである。
ケレクがどうなろうと、ヴェンジャーはユニの角を破壊し、自分の邪悪な目標のために使うに違いない。キャラクターたちはケレクの手先からユニを解放し、ケレクとヴェンジャーがユニの魔法を悪用して角を破壊するのを阻止しなければならない。

冒険の導入

以下の導入のうちいずれかを使って、キャラクターたちを物語に引き込もう:

レルムに戻る:この導入はアニメ・シリーズ「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の物語の続編であり、プレイヤーがこのアドベンチャーに付属する作成済みキャラクターを選ぶことを前提とする。その昔、キャラクターたちは魔法とモンスターに満ちた世界、“レルム”に飛ばされた。ダンジョン・マスターと呼ばれる強力な存在から受け取った魔法のアイテムを携えて、キャラクターたちは数々の冒険を繰り広げ、やがて自分たちの世界に戻った。年月は流れ、偉業の記憶は次第に薄まって夢となった。今、再びレルムに呼び戻されたものの、キャラクターたちは理由を知らない。成長したキャラクターたちは再会し、新しい仲間も加わった。しかし、何が(あるいは誰が)彼らを呼び寄せたのだろうか?

ユニコーンを探す:キャラクターたちはめいめいの理由からユニコーンを探している。ユニコーンの癒しの魔法が、自分の親族や友人を死の淵から救ってくれるのかもしれない。キャラクターはパトロンや強大な味方を探しているのかもしれない。キャラクターたちは一緒に旅をし、ユニコーンが棲むと噂の森にたどり着く。

冒険の設定

「ユニ:盗まれた角を追え」は、魔法やモンスターがはびこる森であれば、どのような場所でも舞台とすることができる。アニメ・シリーズ「ダンジョンズ&ドラゴンズ」は“レルム”で繰り広げられたが、このアドベンチャーの舞台は別の世界でも構わない。以下の案を考えてみよう:

ドラゴンランス:高名な魔術師フィズバンが、クリン世界のカロリスにあるウィンドキープ周辺の森でユニコーンを探すよう、キャラクターたちに依頼する。フィズバンはユニコーンに、キャラクターたちと一緒にウィンドキープを訪れ、いくつかの有益な魔法研究を完成させるのを手伝ってくれるよう、頼まねばならない。

フォーゴトン・レルム:ソード・コースト地方にあるの鉱山開拓地ファンダリンの町長ハービン・ウェスターは、近隣のネヴァーウィンター森でユニコーンを探すようキャラクターたちに依頼する。ハービンは、ユニコーンがファンダリンを訪れ、古い鉱山に足を踏み入れたことで奇妙な呪いにかかってしまった親戚たちの病気を治してくれることを願っている。

グレイホーク:エルフ国家セレネの女王ヨランデがキャラクターたちを雇う。ユニコーンを招待し、女王の厩舎で暮らして宮廷を祝福するのと引き換えに、贅沢な生活を約束する。女王は、首都エンスタッド周辺の森にユニコーンが棲んでいるかもしれない、と提案する。

ユニコーンのユニ

概要

このアドベンチャーは2~3時間のプレイで遊べるように設計されており、以下のパートに分かれている:

ユニの危機:キャラクターたちはケレクの手下からユニを解放しなければならない。その後、ケレクがユニの角を盗んでポータルに逃げ、盗んだ角を使って儀式を行なおうとしていることを知る。

水晶球内部:キャラクターたちはケレクを追って、ヴェンジャーの水晶球の中にある擬似次元界に入る。ケレクを倒そうが倒すまいが、擬似次元界は閉じ始め、キャラクターたちは脱出を余儀なくされる。角をユニに返せば、ケレクの魔法を解くことができる。

ユニの危機

冒険は、明るく晴れた日、森の小道から始まる。次の文章を読み上げるか読み換えて、冒険を始めよう:

森の静けさを叫び声が破る。木々の間から、いく筋かの色とりどりの煙が見える。
そのうち、茂みから小さな人影が飛び出してくる。人影はどんぐり帽子をかぶり、虹色の翼で空中を飛び回っている。
「早く!」とその人影が高い声で叫ぶ。「ユニが危ないの!あんたたちに良心ってものがあるなら、ついてきて!」

飛んでいる人影はウィローブラシ、ユニを救おうとしているスプライトだ。ウィローブラシは森を東へ抜け、戦う音がする方へ飛んでいく。

森の水場

ウィローブラシの後を追うと、キャラクターたちは広場の西端に出る。そこは森の水場で、ケレクの手下たちがユニを捕まえている。ウィローブラシは広場の北西部に急いでいる。彼女の友人で同じくスプライトのノックは、広場の南東部近くにいる。ユニはもう(アニメ・シリーズの頃の)子供ではなく、完全に成体になったユニコーンだ。
少し前、ケレクが杖でユニの頭を叩き、魔法で角を折って持ち去ったのだ。ウィローブラシとノックはその場に出くわした。2人は、近くにある奇妙なポータルを通って逃げるケレクを止めることはできなかった。だが現在、2人はユニを捕まえているケレクの手下たちを攻撃している。

“森の水場”の特徴
マップ1.1:は、森の水場の見取り図を示している。このエリアには以下の特徴がある。

マップ1.1:森の水場
(S)スプライト、(B)ブリーワグ、(U)ユニ、(G)グランプ、🍄ホコリタケ

別バージョン:トークンなしプレイヤー向け(文字なし)

茂み:水場を取り囲む鬱蒼とした草は、移動困難な地形である。
魔法のポータル:マップの北東部にあるポータルを通って移動したクリーチャーは、擬似次元界に転送される(後述の「水晶球内部」の項を参照)。
水場の深さ:水場は滝の近くで深さ3m(10フィート)になる。岸辺は移動困難な地形である。
ホコリタケ:色鮮やかなホコリタケは、マップ上に示した場所に生えている。ホコリタケはそれぞれAC5、HP1、[毒]および[精神]ダメージに対する完全耐性を有する。ホコリタケはヒット・ポイントが0になると爆発し、そのホコリタケを中心とした半径3m(10フィート)の放射状の範囲に病的な胞子の雲を放出する。その範囲内にいるクリーチャーはみな、難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローに成功しなければならず、失敗すると次の自分のターンの終了時まで毒状態になる。

観察スタディアクションとしてキノコを調べ、難易度10の【知力】〈自然〉判定に成功したキャラクターは、このキノコの種類と特性がわかる。

水場の対決
キャラクターが水場に近づいたなら、次の文章を読み上げるか言い換えること:

カエルのような二足歩行の生き物が何体か、小さな矢を浴びながら、森の水場の周りを必死に走り回っている。その近くでは、白い牝馬が重しつきの網から逃れようともがいている。馬の額には、角を切ったような痕が残っている。
水場の上の岩場から、毛皮をまとった大柄なゴブリンが指示を出し、カエルのような生き物たちを統率して見えない襲撃者に対抗している。大柄なゴブリンの横には、光り輝くポータルが浮かんでいる。

このエリアには、以下のクリーチャーたちがいる(マップを参照)。

  • ユニコーンのユニ:ネットに絡まっている間は拘束状態

  • スプライト2体:ウィローブラシとノック

  • グランプ(バグベアの戦士):高さ18m(60フィート)の岩場の上にいる大柄なゴブリン

  • ブリーワグの戦士10体:グランプに従う

ユニ:ケレクはユニの魔力を吸い取り、角を奪った。現在のユニにはウォーホース(軍馬)のデータ・ブロックを用いるが、秩序にして善のセレスチャルであり、共通語、エルフ語、森語を話せる。ユニは網から逃げようと必死だが、絡まりすぎて自力ではほどけない。ユニから1.5m(5フィート)以内にいるキャラクターは、1回のアクションとして、網を取り去るための【筋力】〈運動〉判定に成功すれば、ユニを解放することができる。網を破壊しても、ユニは解放される(AC 10;HP 5;[殴打]、[精神]、[毒]ダメージに対する完全耐性)。
スプライト:ウィローブラシとノックは背の高い枝に止まり、近接攻撃が届かないようにする。2体のスプライトは、ホコリタケを矢で狙い、胞子の爆発で周囲のブリーワグを毒状態にしようとする(上述の「“森の水場”の特徴」の項を参照)。ウィローブラシとノックは、爆発するホコリタケの影響を受けたキャラクターがいれば、謝罪する。
グランプ:このバグベアは、キャラクターを攻撃するようブリーワグたちに命令する。ケレクがユニの角を折った今、グランプはユニを荷馬として売るつもりであり、戦わずしてユニを手放すことはない。

展開:ユニがネットから解放されると、グランプは自分の計画が崩れたことを悟る。その時点から、キャラクターはグランプを説得して、残っているすべてのブリーワグと共に、広場を離れさせることができる。グランプはキャラクターたちに対して敵対的である。影響インフルエンスアクションとして、キャラクターは難易度12の【魅力】〈威圧〉または【魅力】〈説得〉判定に成功すれば、グランプを説得できる。あるいは、事実に反することでバグベアを騙して立ち去らせるならば(たとえば、“ケレクに雇われているのだ”と主張するなら)、キャラクターは難易度12の【魅力】〈ペテン〉を行なうこともできる。
キャラクターたちが8体以上のブリーワグを倒したならば、グランプは降伏して慈悲を乞う。その時点でキャラクターがグランプに質問すると、ケレクがある書物を使ってすぐそばにあるポータルを見つけたと明かす。その書物には、ユニコーンの角を使って、ポータルの先にある擬似次元界の中でウィッシュ呪文を儀式発動する手引きが書かれている。

宝物:ブリーワグはそれぞれ1つ模造宝石(5gp相当)を身につけ、4gpの入ったポーチを持っている。ブリーワグが持っている硬貨には、ブリーワグの君主ガーグル王の、髪粉つきのカツラをかぶった顔が浮き彫りにされている。
グランプは50gpの入ったポーチを持っている。

戦闘終了時に1人以上のキャラクターが負傷している場合、ウィローブラシとノックはそれぞれ2つずつポーション・オヴ・ヒーリングを差し出す。2人はより回復が必要そうなキャラクターにポーションを渡す。

対決の後

キャラクターたちがユニを解放して捕獲者を倒すと、ウィローブラシとノックは自己紹介して、自分たちがユニの友達だと説明する。キャラクターたちがユニに声をかけると、取り乱しているユニは、自分の角を取り戻すようキャラクターたちに懇願する。

ウィローブラシとノックは、キャラクターたちが質問すると次のように答える:
ここで何が起きた?「ユニが苦しそうに泣いているのが聞こえたんだ。急いで助けに来たら、ケレクって白いひげの最低な魔法使いが、杖でユニの頭を殴るところだった!ユニの頭から角が消えて、ケレクの手の中に現れて、そしたらケレクは逃げていったんだ。それで、ケレクと一緒にいたブリーワグとバグベアがユニに網をかけた。あいつらが何をしようとしているかなんて知るもんか──あんたたちが助けに来てくれて本当によかったよ!」
ユニの角を取り戻したらどうなる?「ケレクは角を魔法で取り除いたんだ!角を取り返してくれれば、絶対にまたくっつけられるはずだよ。(ウィローブラシとノックは正しい。ケレクが杖に吹き込んだ1回限りの魔法の能力は、ユニの魔力を吸い取り、一時的に体から角を切り離すものだ。切り離された角をユニの1.5m(5フィート)以内に近づけると、角はユニの額に戻り、ユニは魔力を取り戻す。)
ケレクはどこへ行った?「ケレク、いくらかのブリーワグ、あと狼みたいな奴らが、あそこの変なポータルに踏み込んだよ。ケレクはユニの角を儀式の焦点具に使うとか言ってた。角を破壊するつもりなんだ!」ウィローブラシとノックは、ケレクがマップ1.1に示されたポータルを通って逃げたことを示唆する。
ケレクとは何者か?「奴は悪の魔法使いで、仕えている主人はもっと邪悪。ヴェンジャーっていう魔術師で、“悪の力”フォース・オヴ・イーヴィルなんて名乗ってるんだ。」

ポータルに入る

ユニは、角を取り戻してくれたら、永遠の感謝と将来の恩返しをすると約束する。ユニは現在魔法能力を失っているので、ウィローブラシとノックはユニの側に残ってユニを守ると言う。
マップに示したポータルを抜けると、キャラクターたちはヴェンジャーの水晶球内部のエリアC1に到着する。

水晶球内部

ポータルは、森から遠く離れたヴェンジャーの玉座の間にある、水晶球の中の擬似次元界に通じている。
ヴェンジャーはこの擬似次元界とともに、ポータルの入口への暗号化した道案内と、擬似次元界の中でユニコーンの角の使いウィッシュを儀式発動する手順を記した偽の書物を作った。ヴェンジャーは、ケレクがウィッシュを使って自分を裏切ろうとしないか確かめるため、その書物をケレクの目に止まるように置いておいた。芯まで不誠実だったケレクは、危惧した通り、数人の手下を連れて擬似次元界に入り、誰も自分の邪魔をしないよう命じている。

擬似次元界の特徴

この擬似次元界には次のような特徴がある。
冷たい霧:擬似次元界の内部は、視界を遮らない程度の冷たい霧で満たされている。
水晶殻:擬似次元界は球体状で、その外殻は青白い半透明な水晶でできている。外殻は破壊不能で、クリーチャーが通り抜けることはできない。外殻の表面には奇妙な光と影が移ろいでいる。
地面:平らな水晶面がこの球体状の擬似次元界を二分し、円盤状の地面を成している。クリーチャーは重力でこの地面に引き寄せられ、頭上にはゆらめく半球状の水晶殻が見える。
内壁:擬似次元界の内壁は、茨の茂みが密生したものだ。この壁はあらゆるダメージに対する完全耐性を有する。茂みに押し込まれたクリーチャーは、難易度10の【敏捷力】セーヴィング・スローに成功しなければならず、失敗すると棘だらけの枝が引っかかって拘束状態になる。拘束状態になったクリーチャーは、アクションを用いて茂みから出るか、間合い内にいる他のクリーチャーが同じアクションを行なえば、そのクリーチャーに対してその状態は終了する(どちらの場合も能力値判定は不要)。
道(A、B):4本の小道が、擬似次元界の外殻に向かって茨の茂みの中を縫うように伸び、外殻の先まで続いているように見える。いずれかの小道の端まで進んだクリーチャーは、魔法によって擬似次元界の反対側にある小道の端(AまたはBと書かれている地点)に瞬間移動する。〔たとえば、北西の道を進んでA地点を抜けると、反対側のA地点から南東の道に入ることになる。〕

水晶球の各地点

以下のエリアがマップ1.2に記されている。

マップ1.2:水晶球
(B)ブリーワグの戦士、(U)ガーグル王、(G)グロウチ、(W)ワーグ、(K)ケレク

別バージョン:トークンなしプレイヤー向け(文字なし)

C1:魔法のポータル

キャラクターたちが擬似次元界に入ったら、次の文章を読み上げるか、言い換えること:

ポータルを抜けて出た空間は、茨でできた厚い壁に囲まれている。君たちの後ろでは、光り輝くポータルがゆらめき、元いた森に続いている。空中には冷たい霧が渦巻いている。頭上には水晶の壁があり、その曲面に光とさまざまな色が渦巻いて、奇妙な空を形作っている。

1本の道が、このエリアからエリアC2の広場へと続いている。

ポータル:ポータルは開いたままだ。キャラクターはポータルを使っていつでも森の水場に戻ることができる。

C2:霧めく広場

道の先は少し大きな空間で、茨の壁に囲まれ、霧に包まれ、もう3本の道が別々に伸びている。そのうちの1つから艶のある子犬が視界に飛び込んでくる。子犬は舌を出して鼻水を垂らし、怯えた目をしている。

この子犬はノージー。ノージーにはブリンク・ドッグのデータ・ブロックを用いるが、サイズ分類は小型である。ブリーワグたちは擬似次元界の外でノージーを捕らえ、王に貢ぎ物として差し出すつもりだったが、ノージーはブリーワグたちの元を逃げ出した。
ノージーは重い風邪にかかっており、数分おきにくしゃみをする。ノージーはくしゃみをするたびに、自分の意志にかかわらず、自分が見ることのできる12m(40フィート)以内の何ものにも占められていないランダムな空間に瞬間移動する。ノージーは、捕まっていたずだ袋に空いた小さな穴からこのくしゃみで逃げ出し、家に帰る道を探しているところだ。
ノージーは〔キャラクターたちを見ると〕捕獲と逃亡の経緯を身振りで伝え、ノージーの行動に気を留めたキャラクターは大まかな事情を把握する。キャラクターがノージーに友好的だったり、脱出を手伝うと約束してくれたなら、ノージーはキャラクターたちと共に行動し、味方として戦闘にも参加する。

ブリーワグの追跡者:キャラクターたちがこのエリアを離れるか、このエリアを調べ始める前に、エリアC3から3体のブリーワグの戦士が近づいてくる音が聞こえる。次の文章を読み上げるか言い換えること:
〔※訳註:この3体のブリーワグはマップに示されていない。〕

ペタペタいう足音と、ゴボゴボいう声が、近くの道から聞こえてくる。

不機嫌そうな大きなしゃがれ声が、音のする方から響いてくる。キャラクターたちは以下のような共通語のやりとりを耳にする:

「王様に犬を捧げるなんてマヌケな考えだと言ったじゃないか」しゃがれ声の1つが言う。
「わかってるよ!」と不満げな別の声が答える。「あのしわくちゃめ、私の袋からくしゃみして出ていきやがった!」

ブリーワグたちが到着するまでの間、ノージーは何度かくしゃみをし、エリアC3の中央に瞬間移動する。つまり、キャラクターたちだけでブリーワグと対面することになる。
キャラクターたちがすぐにこのエリアを出なかったなら、ブリーワグたちに見つかってしまう。1体はガーグル王に警告するためエリアC4に走り、残り2体は襲いかかってくる。キャラクターたちがすぐにこのエリアを出たなら、ブリーワグたちはノージーを探し続ける。
宝物:ブリーワグはそれぞれ1つ模造宝石(10gp相当)を身につけている。

C3:ブリーワグの奇襲

霧に包まれたこの空間の壁は、4方向に道が開いている。その壁の中で、カエルのような二足歩行の生き物が4体、子犬を必死に追いかけている。

さらに4体のブリーワグの戦士がノージーを捕らえようとしているが、侵入者にいればすぐさま襲いかかる。ブリーワグが1体でも死亡すると、残りのブリーワグ1体がエリアC4にいるガーグル王の元へ警告に走り、他のブリーワグがその道を守る。
宝物:ブリーワグはそれぞれ1つ模造宝石(10gp相当)を身につけている。

C4:ガーグル王のテント

動物の皮で作られた丸いテントが、不釣り合いな水晶の地面の上に張られている。テントの外では、焚き火の上で鍋がぐつぐつと煮立っている。

鍋の中には、ムシを材料にした気味の悪いシチューが入っている。
ここには2体のクリーチャーがいる。ガーグル王(ブリーワグの沼賢者)と、隣にいるグラウチ(バグベアの戦士)だ。グラウチはケレクに忠誠を誓っている。しかし、ガーグル王とケレクの同盟関係は不安定なものだ。
ガーグル王は、ケレクにブリーワグの臣下を貸して仕事をさせる代わりに、ケレクが権力を掌握した際には側近としての地位を約束されている。せっかちで怒りっぽいガーグル王は、ケレクが儀式に時間をかけすぎではないかと苛立っている。

ガーグル王がキャラクターたちについて警告を受けている場合、ガーグル王とグラウチはテントの外で待ち構え、戦闘に備えている。そうでなければガーグル王はテントの中におり、グラウチに文句を言い、キャラクターには中立的である。テントに近づいたキャラクターには、次のような共通語のやり取りが聞こえる:

「あやつは人に対する態度がなっておらん、ましてわしは王だぞ」しゃがれ声の1つが言う。「きっちり支払ってもらおう!お前のご主人様がこれ以上時間をかけるなら、あのユニコーンをいただくからな。角があろうがなかろうがかまわん。」
低い声が答える「まあまあ、そうカッカするな。ケレクは抜かりなくやっているさ。」
「もうよい、せめて夕餉を持って来させろ!わしは腹が減った!」

展開影響インフルエンスアクションとして、キャラクターはガーグル王を説得してケレクを裏切らせることができる。嘘をつくなら難易度14の【魅力】〈ペテン〉判定、説得力のある論証なら難易度14の【魅力】〈説得〉判定に成功すること。食料を差し出してその言葉を後押しするキャラクターは、この判定に有利を得る。判定に成功すると、エリアC5での対決の間、ガーグル王とブリーワグたちは味方としてキャラクターたちに加わる。グラウチはケレクに絶対忠実なため、死ぬまで戦う。

宝物:ガーグル王は髪粉のついた白いカツラをかぶっており、このカツラは洗うと30gp相当になる。さらに、3つのガーネット(各100gp相当)が入ったポーチを持っている。

C5:儀式の間

このとりわけ広い空間では、水晶の床が星、月、太陽のモザイク模様で覆われている。北側には、黒いローブを身にまとった白ひげのヒューマンが立っており、片手にユニの角、もう片方の手に書物を持っている。巨大な狼のような獣が4体、モザイク模様の周りに集まり、邪悪な主人に凶暴な目を向けている。
君たちを見ると、ケレクは怒鳴り声を上げる「哀れな虫ケラどもめ!この角は私のものだ!我が運命を邪魔させてなるものか!獣ども、こいつらを喰い殺せ!」

4体の狼のようなクリーチャーはウォーグであり、ケレクを守る。ケレク(ヒューマンの魔道士)は手に持った本から訳のわからない文章を読み上げている。ウォーグが2体倒されるか、ケレクにダメージを受けると、ケレクはキャラクターたちが邪魔したことに憤慨し、戦闘に参加する。ケレクはユニの角を手に入れたことで40の一時的ヒット・ポイントを持っている。角を奪われると、ケレクは残りの一時的ヒット・ポイントを失う。

ヴェンジャー登場:ケレクのヒット・ポイントが25未満になるか、4ラウンド目のイニシアチブ0(同値の場合は常に後)のどちらか早い時点で、ヴェンジャーが擬似次元界の外に現れる。以下を読み上げるか、適宜言い換えること:

牙と赤い目を持った、巨大で悪魔の如き顔が頭上に現れる。その顔は、擬似次元界の外殻の曲面に歪んでいる。鱗のある翼が肩に生え、弓なりの角が1本頭の横から突き出ている。
「ケレク、この愚か者が!」悪魔のような姿が言う。「私の座を奪えると思ったのか?そんな儀式がうまくいくはずないだろうが。お前はずっと私の水晶の中にいたんだよ!お前は忠誠心を試され、失敗した。代償を払ってもらうか!」
爪の伸びた指で、その人物が水晶殻を叩く。地面がひび割れ始める。ケレクは息を呑み、杖を握りしめる。

ヴェンジャーにもうこの擬似次元界は必要ない。擬似次元界はボロボロと崩れ、冷たい霧になっていく(後述の「擬似次元界の消滅」を参照)。
イニシアチブ順に〔ラウンドを〕続けること。

ケレクの運命:次のケレクのターンの開始時、足元の地面が砕け散る。ケレクは悲鳴を上げながら霧の雲に放り出され、消え去る。一瞬の後、生き残ったウォーグにも同じことが起こり、ウォーグは恐怖に吠えながら落ちていく。

擬似次元界の消滅:ヴェンジャーの擬似次元界が消滅するまでには1分かかり、擬似次元界にいるクリーチャーはエリアC1のポータルを使って脱出できる。時間内に脱出できなかったクリーチャーは、10(3d6)の[力場]ダメージを受け、森の水場があった広場に瞬間移動する。ケレクの財宝(以下の 「財宝 」を参照)も水場のそばに現れるが、ケレクや獣たちの姿は見えない。ポータルは擬似次元界と共に消滅する。
また、キャラクターが擬似次元界で味方を作っていたなら、ポータルから出てくる。

財宝:ケレクは非魔法的な、宝石を埋めた杖(1,000gp相当)を持っている。ヴェンジャーが作った儀式書も持っているが、価値はない。

結末

ポータルを通って森に戻ったキャラクターたちは、ユニ、ウィローブラシ、ノックと再会する。子犬のノージーも現れ、慣れ親しんだ縄張りに戻ってこられたことを喜んでいる。
ユニの角をユニの1.5m(5フィート)以内に近づけると、ケレクの魔法が解ける。角は輝いてユニの額にくっつき、ユニに魔法の力が戻る。ユニはキャラクターたちに感謝し、“今後キャラクターたちが自分の助けを必要とすることがあれば、喜んで協力する”と約束する。
キャラクターたちが報酬を求めたなら、ウィローブラシとノックが、数週間前に眠っている冒険者から盗んだ宝の地図を渡す。その地図はどこにつながっているのか?もちろん、次の冒険だ!

クリーチャー・データ

ウォーグ

ウォーホース

スプライト

バグベアの戦士

ブリーワグの戦士

ブリーワグの沼賢者

ブリンク・ドッグ

魔道士

作成済みキャラクター

リンクを開くとPDF(英語)が開きます。
キャラクター・シートの中身については詳述しませんが、魔法のアイテムは次項を参照してください。

エリック(ファイター)

シェイラ(ローグ)

ダイアナ(モンク)

ニコ(クレリック)

ハンク(レンジャー)

プレスト(ウィザード)

ボビー(バーバリアン)

魔法のアイテム

エナジー・ボウ/エネルギーの弓

武器(ロングボウまたはショートボウ)、ヴェリー・レア(要同調)

君はこの魔法の武器を用いて行なう攻撃ロールおよびダメージ・ロールに+1ボーナスを得る。この弓には弦がない。君が腕を引いて矢を射る動作をするたび、黄金のエネルギーでできた魔法の矢が現れてつがえられ、それを射ることができる。この武器が生んだ矢は、ヒットすると[刺突]ダメージではなく[力場]ダメージを与え、目標にヒットまたはミスすると消え去る。消え去るまでの間、この矢は半径6m(20フィート)の範囲に“明るい”光を放ち、さらに半径6m(20フィート)の範囲に“薄暗い”光を放つ。

この武器は、以下の追加特性を有する。
拘束の矢:君がこの武器を使ってクリーチャーに遠隔攻撃を行なうたび、君は目標にダメージを与えるのではなく、拘束を試みることができる。この矢がヒットしたならば、目標は難易度15の【筋力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると1分間拘束状態になる。1回のアクションとして、この矢によって拘束されているクリーチャーは、拘束を解くために難易度20の【筋力】〈運動〉判定を行なうことができ、判定に成功すれば自分に対するこの効果を終了させる。
転移の矢:魔法アクションとして、君はこの武器から、18m(60フィート)以内の君から見える目標1つに対してエネルギーの矢を1本射ることができる。この目標は、サイズ分類が中型以下の同意するクリーチャー1体か、誰にも着用も運搬もされていない物体1つでなければならない。なお、物体ならば一辺1.5m(5フィート)の立方体の範囲内に収まる大きさであること。この矢は目標を、君から3m(10フィート)以内の君が見ることのできる何ものにも占められていない場所に瞬間移動させる。
エネルギーのはしご:魔法アクションとして、君はこの武器から、自分から18m(60フィート)先までの壁に向かってエネルギーの矢を放つことができる。この矢は光るはしごとなって壁にくっつき、壁に長さ18m(60フィート)までの魔法のはしごを形成する。この梯子は消えるまで、1分間持続する。

クオータースタッフ・オヴ・ジ・アクロバット/軽業師のクオータースタッフ

武器(クオータースタッフ)、ヴェリー・レア(要同調)

君はこの魔法の武器を用いて行なう攻撃ロールおよびダメージ・ロールに+2ボーナスを得る。
この武器を手に持っている間、君は1回のボーナス・アクションとして、あるいはイニシアチブをロールした直後、この武器から3m(10フィート)の範囲に緑色の“薄暗い”光を放たせることができる。また、1回のボーナス・アクションとして、その光を消すことができる。
この武器を手に持っている間、君は1回のボーナス・アクションとして、この武器を、18cm(6インチ)のロッド(収納用)または3m(10フィート)の棒に変形させるか、クオータースタッフに戻すことができる。ただし、この武器が伸びるのは周囲の空間に収まる範囲のみである。

それぞれの形態において、この武器は以下の通り追加の特性を有する。
軽業補助(クオータースタッフおよび棒形態のみ):この武器を手に持っている間、君は【敏捷力】〈軽業〉判定に有利を得る。
攻撃流し(クオータースタッフ形態のみ):この武器を手に持っている間に攻撃をヒットさせた時、君はリアクションを用いてこの武器を自分の周囲で回転させ、その攻撃に対してACに+5ボーナスを得る。これによってヒットするはずだった攻撃がミスになることもありうる。この特性は、小休憩または大休憩を終えるまで再使用できない。
遠隔武器(クオータースタッフ形態のみ):この武器は“投擲”の特性を有する(射程9/36m(30/120フィート))。この武器を用いて遠隔攻撃を行なった直後、この武器は君の手元に飛んで戻ってくる。

クローク・オヴ・インヴィジビリティ/不可視の外套

その他の魔法のアイテム、レジェンダリー(要同調)

この外套は3チャージを有し、毎日の夜明けに消費ずみのチャージを1d3回復する。この外套を着用している間、君は魔法アクションを行なってフード(頭巾)を頭に被り、1チャージを消費して1時間の間自分に不可視状態を与えることができる。君がフードをはねあげるか(アクションは不要)、 フードをかぶっているのをやめたなら、その時点でこの効果は終了する。

サンダラス・グレートクラブ/雷鳴のグレートクラブ

武器(グレートクラブ)、ヴェリー・レア(要同調)

この魔法の武器に同調している間、君の【筋力】は20になる(君の【筋力】値が既に20以上の場合を除く)。この武器はヒットしたすべてのクリーチャーに追加で1d8[雷鳴]ダメージを与え、ヒットしたすべての“誰にも着用も運搬もされていない物体”に追加で3d8[雷鳴]ダメージを与える。

この武器は以下の追加特性を持つ。
雷鳴:魔法アクションとして、君はこの武器を堅い表面に打ちつけ、90m(300フィート)先まで聞こえる大きな雷鳴を発生させる。君はさらに、9m(30フィート)の円錐形の範囲の雷鳴エネルギーをも生み出す。この範囲内のクリーチャーはみな難易度15の【筋力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると伏せ状態になる。この範囲内の、誰にも着用も運搬もされていない非魔法的な物体は、3d8の[雷鳴]ダメージを受ける。
地震:魔法アクションとして、君はこの武器を地面に打ちつけ、叩いた地点を中心とした半径15m(50フィート)の円形の範囲内に激しい地震動を発生させることができる。この範囲内にある、地面に接している建造物は50[殴打]ダメージを受ける。範囲内の地面上にいるクリーチャーはみな難易度20の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると伏せ状態になる。さらに、そのクリーチャーが精神集中しているならば、そのクリーチャーは難易度20の【耐久力】セーヴィング・スローを行なわねばならず、失敗すると精神集中が途切れてしまう。加えて、君はその範囲内の任意の場所の地面に、深さ9m(30フィート)、幅3m(10フィート)の亀裂を生むことができる。亀裂が開いた場所にいるクリーチャーは、難易度20の【敏捷力】セーヴィング・スローを行なわねばならない、このセーヴに失敗すると亀裂に落ち、成功すると亀裂の縁に移動する。亀裂が開いた場所にある建造物はすべて亀裂の中に崩れ落ちる。1度この特性を使用すると、次の夜明けまで再使用できない。

シールド・オヴ・ザ・キャヴァリアー/騎士の盾

防具(シールド)、ヴェリー・レア(要同調)

このシールドを手に持っている間、君はACに+2ボーナスを得る。このボーナスは、シールドの通常のACボーナスに加えて得られるものである。

このシールドは以下の追加の特性を有する。このシールドを手に持っている間、君はこれらの特性を使用できる。
強烈な盾打撃:攻撃アクションを行なう際、その攻撃のうち1つを使い、君は自分の1.5m(5フィート)以内にいる目標1体に対して、このシールドを用いて1回の攻撃ロールを行なうことができる。君の習熟ボーナスおよび【筋力】修正値を攻撃ロールに適用すること。ヒットしたならば、このシールドは(2d6+2+君の【筋力】修正値)の[力場]ダメージを与え、さらに目標がクリーチャーならば、君は目標を、自分からまっすぐ離れるように3m(10フィート)まで押しやることができる。加えて、そのクリーチャーのサイズ分類が君以下なら、君は目標を倒して伏せ状態にすることができる。
防護フィールド:君または君から1.5m(5フィート)以内の君から見える味方1体が攻撃の目標になるか、効果範囲に対するセーヴィング・スローを行なう時、君はリアクションとして、このシールドを使用して君を中心とした1.5m(5フィート)の放射状の範囲を発生させることができる(この範囲は移動しない)。この範囲が現れた時、範囲内にあるが完全に収まってはいないクリーチャーまたは物体は、最も近くの、範囲の外にある、何ものにも占められていない場所に押しやられる。このリアクションを作動させた攻撃または効果範囲は、この範囲内のクリーチャーまたは物体には影響しない。この範囲には何ものも出入りできない。この範囲内のクリーチャーまたは物体は、範囲外からの攻撃や効果によってダメージを受けることはなく、範囲外のものにダメージを与えることもできない。この特性は1度使用すると、次の夜明けまで再使用できない。

ニコズ・メイス/ニコのメイス

武器(メイス)、ヴェリー・レア(要同調:呪文の使い手のみ同調可)

このメイスは6チャージを有し、毎日の夜明けに消費ずみのチャージを1d6回復する。このメイスを手に持っている間、君はチャージを1消費してサモン・セレスチャルを発動できる(呪文攻撃ボーナス+9)。

ハット・オヴ・メニー・スペルズ/数多の呪文の帽子

その他の魔法のアイテム、ヴェリー・レア(要同調:ウィザードのみ可)

このとんがり帽子は以下の特性を有する。
呪文発動焦点具:この帽子を手に持っている間、君はこの帽子をウィザード呪文の呪文発動焦点具として使用することができる。この帽子を用いて君が発動する呪文はすべて、特別な動作要素を得る:君は必ずこの帽子の中に手を伸ばし、中から呪文を“取り出す”のである。
未知の呪文:この帽子を手に持っている間、君は修得していない1レベル以上の呪文を発動しようとすることができる。その呪文はウィザード呪文リストにある、君が発動できるレベルのものでなければならず、1,000gpを超える価格の物質要素があってはならない。発動する呪文を決めたなら、君はその呪文のレベルの呪文スロットを消費しなければならない。その後、君が呪文を発動できたかどうか決定するため、【知力】〈魔法学〉判定(難易度=10+呪文レベル)を行なうこと。判定に成功すれば、君はその呪文を通常の発動時間で発動できる(小休憩または大休憩を終えるまでこの特性を再使用できない)。判定に失敗したなら、君はその呪文の発動に失敗し、その代わりランダムな効果が発生する(効果は以下の表をロールして決める)。
この帽子から君が発動する呪文はすべて、君の呪文セーヴ難易度と呪文攻撃ボーナスを使用する。

1d100:効果
01〜50
:君はランダムな呪文を発動する。呪文は1d10をロールして決める:1ならばエンラージ/リデュース(“拡大”の効果)、2ならばエンラージ/リデュース(“縮小”の効果)、3ならばフェアリー・ファイアー、4ならばファイアボール、5ならばガスト・オヴ・ウィンド、6ならばインヴィジビリティ(君自身に発動)、7ならばライトニング・ボルト、8ならばファンタズマル・フォース、9ならばポリモーフ、10ならばスティンキング・クラウド。
51〜55:次の君のターン終了時まで、君は朦朧状態になり、何か素晴らしいことが起こったのだと信じ込む。
56〜60:君から9m(30フィート)以内の一辺3m(10フィート)の立方体の範囲を、無害な蝶の大群が満たす。蝶の群れは1分後に消滅する。
61〜65:君はこの帽子から非魔法的な物体を1つ取り出す。1d4をロールして、取り出す物体を決めること:1ならば酸の小ビン、2ならば錬金術師の火のビン、3ならばかなてこ、4ならば火のついた松明。
66〜70:君は一時的な“魔法の病気”になり、1時間のあいだ毒状態になる。
71〜75:次の君のターン終了時まで、君は石化状態になる。
76〜80:君はこの帽子から非魔法的な物体を1つ取り出す。1d4をロールして、取り出す物体を決めること:1ならばダガー、2ならばひっかけ鉤を一端に結んだロープ、3ならばまきびし1袋、4ならば50gp相当の宝石。
81〜85:クリーチャー1体が君から最も近い、何ものにも占められていない場所に現れる。そのクリーチャーは、君の制御下にはなく、そのクリーチャーの性質に沿った行動を取り、1時間経つかヒット・ポイントが0になると消滅する。1d4をロールして、現れるクリーチャーを決めること:1ならばキャメル(らくだ)、2ならばコンストリクター・スネーク(締め殺す蛇)、3ならばエレファント(象)、4ならばミュール(らば)。
86〜90:敵対的なスウォーム・オヴ・バッツ(コウモリの大群)がこの帽子から飛び出し、君の場所を占め、君に襲いかかる。
91〜95:君から9m(30フィート)以内の何ものにも占められていない場所に、直径3m(10フィート)のポータルが垂直に開き、次の君のターン終了時まで開いている。このポータルは別の次元界に続き、双方向に行き来できる。ポータルの接続先はDMが決める。
96〜00:君はこの帽子から魔法のアイテムを1つ取り出す。1d6をロールして、取り出すアイテムのレアリティを決めること:1〜3ならばコモン、4〜5ならばアンコモン、6ならばレア。取り出すアイテムはDMが選び、1時間後に消滅する(それ以前に消費または破壊されていない場合)。

クレジット

Lead Designer: Amanda Hamon
Designers: Stacey Allan, Will Doyle
Rules Developer: Ron Lundeen
Editors: Judy Bauer (lead), Sadie Lowry, Hannah Rose
Art Director: Josh Herman
Graphic Designers: Matt Cole (lead), Bowen Welles
Cover Illustrator: Aurore Folny
Cartographers: Stacey Allan, Will Doyle
Illustrators: Aurore Folny, Tyler Jacobson
Consultants: Rico Corazon, Sameer Joseph
Producers: Siera Bruggeman (lead), Bill Benham

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