悲しみの鬼・ひっきぃ

 

あらすじ

 それは成人式から家へ帰った後の事。
 ほろ酔い気分で哉眼(やがん)が家へ帰ると、赤い菊の上で、祖母と黒狸が寄り添って倒れていた。
 哉眼はそれを一瞥すると、多くの事を悟り、そして走り出す。

 哉眼は弔いの一刺しを舞いながら、今なら懐かしいと思える追憶に心を委ね、自分の悲しみと寄り添い戯れた。



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