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二重人格者の魂とは?米国映画「ジョナサン」

2018年アメリカ映画「ジョナサンーふたつの顔の男ー」。
低予算ながら(恐らく)、巧みな脚本と演者さんの丁寧な演技で、見ごたえのある良作でした。

主人公ジョナサンは、建設会社に勤めるパートタイマーの製図士。仕事も出来てハンサムで、やや神経質。
上司から、勤務時間を延ばして新しいプロジェクトへ参加しないか?と打診されますが、ジョナサンは「家族の介護がある」と断ります。
職場の美しい女性から気のある素振りを見せられても、ジョナサンは誘う気配もありません。
ジョナサンには、フルタイムで働けない・恋人を作らない、ある秘密がありました…

以下、ネタバレ含みます。

副題から予想が着きますが、ジョナサンは幼い頃から、身体の中に「ジョン」という別の人格がいました。
ジョンは明るく社交的で、短い活動時間を目いっぱい楽しむ陽気な青年。
ジョナサンとジョンは、12時間ずつ、交代で意識を支配しています。
ジョナサンは朝7時~夜7時。
ジョンは夜7時~朝7時。
ジョナサンが夕方眠りにつくと、夜7時にはジョンになっていて、ジョンが深夜に就寝すると、翌朝7時にジョナサンが現れる…という仕組み。これ、身体壊しそうですね(笑)…

そんな二人のルールは、ビデオメッセージを録画し、その日に会った人物や出来事について、お互いに情報を残しておくこと。そして、ガールフレンドを作らないこと…

ですが、ある出来事をきっかけに、ジョナサンとジョンは喧嘩してしまいます。ビデオメッセージで、自暴自棄な様子を見せるジョン。
映画の視点はジョナサンに固定されていて、わたしたち観客はビデオメッセージを通じてしか、ジョンに出会うことが出来ません。(演じている俳優さんは、お一人なんですけどね。)
でもビデオメッセージ越しでも、演者さんの表情や口調がガラっと変わっていて、さすがハリウッド俳優だなあと。上手でしたね~。

最終的に二人は、「生命力の強い人格が24時間を支配し、他方は消滅する」という事態に陥ります。
鬱病になり、自殺願望をちらつかせるジョン。ジョナサンは、ずっと二人で生きて来たから、ジョンが消えることは嫌だし、1つの身体ですから、ジョンに自暴自棄になられるのも困る。
この辺の葛藤は、なかなかリアルでしたね。

そして物語は、意外な展開に。
「生命力が強い」方は、現実を上手く生きているジョナサンではなく、自殺願望をチラつかせ鬱病に苦しむジョンの方でした。
この結末は、なかなか味わい深いものでしたね。

とはいえ、二重人格って、時間で区切れるもの?とか、
いつから二重人格になったの?とか、
人格が2つあるとは、魂が一つの身体に2つ入ったと言う事?とか、
色んな疑問が湧いて来ます。

…という訳で、リーディングで訊いてみました。
「二重人格とは、魂がどんな状態になっているのか?」

見えたビジョンは、ある人の心に、濃い黒雲がもくもくと立ち込め、物凄いストレスに晒されている状態です。
やがて、それらの黒雲を覆い隠すように、巨大な幕が下りてきます。
ストレスを受けた心がすっぽり幕に隠れてしまうので、全く違う人のような心境になります。
これが、二重人格の状態です。
魂が分裂したり、新しい人格が押し入ってきたりする訳ではありません。

そうまでしないと、物凄いストレスに心が耐え切れない。
そんなぎりぎりの状態、人間の精神の限界が来た時に、こういう現象が起こるようです。

この映画では、ジョナサンとジョンは、赤ん坊の時から泣き方が2通りあった、生まれつきの二重人格者という設定でしたが、リーディングで見たビジョンからは、何らかのストレスが降りかかって、それを自覚してからでないと、二重人格という現象にはならないんじゃないかな…と思いました。

児童虐待とか、拷問とか、危機的レベルのストレスが原因になるようです。

どうやったら治るんでしょうか?と訊いてみました。
原因となったストレスフルな状態から脱却する。
幕を下ろす必要がない…と心の底から安心する環境を確保する。
そういった事が必要と思いました。

…ですが、二重人格になってしまうレベルのストレスに晒された後、それを払拭し、心の底から安心を得るのは、相当大変なことかと。
そんなに簡単には癒えないトラウマに感じました。

人間の精神は柔軟で強靭なものと信じていますが、限界がある。
私たち人間は、そういう事を知っておかなくてはならないようです。




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