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企業の安全管理・・・固いタイトルだが

知床の観光船の痛ましい事故が報道されている。
先日、有馬の宿泊施設でレジオネラ属菌により亡くなった方がいる。
そうなると所轄官庁が他所はどうだ、ちゃんとやっているかと査察や講習会が開催される。先日レジオネラ属菌の講習会が開かれた。

コロナ感染症とどう違うのか?

現在もコロナは蔓延している。世界中の多くの医師や関係者が必死に感染症対策に取り組み原因を究明しているが、まだまだ分からない。
どうやったら完全に感染しないで済むかもわからない。

レジオネラ菌は60種類以上あるのでレジオネラ属菌という言い方をする。その菌の中で厄介なのは数種類ある。
レジオネラ属菌は自然界に存在している、いわゆる土壌菌。どこにもいる。
この菌が肺に入って増殖してレジオネラ肺炎を起こす。
昔は一般的な肺炎の治療をするとダメで、レジオネラ肺炎の治療方法がある。
その区別がつくようになり、最近は死者が出たという話は聞かなくなった。

講習会に参加して

説明者の話では、患者が発生し、当該施設に査察に入り、患者と同型のレジオネラ属菌が温泉浴槽ではない普通の沸かし湯の浴槽内で発見された。そこで菌が検出されなくなるまでの清掃を指示したという事だった。
管理状況を聞くと、毎日浴槽水を入れ替えて、殺菌剤も注入していた。日々の点検や記録もきっちりやっていたようだ。それでも説明者は「機器がちゃんとした数値を示していても、機器がつぶれている可能性も考えて対処するように。」という。
はっきり言って、そんな無茶なと思う。知床の観光船とは違う。
経営者や担当者が講習会に参加していたが、皆どう思っているのだろうと後ろの席で思った。

質問

最後に「何か質問を」と説明者が言ったので、思わず手をあげて質問した。

「孫はサッカーが好きで運動場で砂まみれで足りまわっています。
その孫が家に来ると、一緒にふろに入り、頭を洗って、お湯の掛け合いをします。・・・・そうすると何故? 私はレジオネラ肺炎に感染しないのでしょうか? 一般の家庭の浴槽では塩素殺菌をしていない。給湯の管も掃除はしていないと思うのです。」

そうすると何と答えたと思う?(笑)

レジオネラ肺炎になる人、ならない人

元気な人は感染しません! 
そして何故か女性の方は感染しません。
感染する人は男性で70歳以上の人です。

・・・と答えられた。

そうすると、皆、色々質問をするようになった。

結論として

口火を切ったので説明者も一般的な説明でなく、本音の所をしゃべってくれたと思う。

レジオネラ肺炎については15年ぐらい前から言われ出した。宮崎県の老人施設で多数の死者が出たのがきっかけだったと思う。

レジオネラ属菌の事がわからなくて大変だった。現在のコロナと同じ。
ただレジオネラ肺炎は、菌が肺の中に入る。でも元気な人はその菌を殺すことができるが、元気でない人の肺に入った菌が増殖し、肺炎を発症する。

一般的な肺炎の治療方法では駄目で、その区別がつかなかったために死者まで出るようになったが、現在では一般的な肺炎とレジオネラ肺炎との区別がつくようになり、ちゃんとした治療方法が確立されているので死に至るところまでは・・・なくなっていった。

区別がつくようになったという事で、レジオネラ肺炎の発症者数は増えている。PCR検査をすると感染者数が増えるのと同じことだ。

レジオネラ属菌の検査は3段階あり、最終段階はDNA鑑定まで行える。
普通レジオネラ肺炎だとわかれば治療する。そうすると抗生物質で菌が消えていく。そうなると最後まで検査する必要がない。

所が今回のケースは、体調が悪くて病院に行って、その日で亡くなったそうだ。その為にタンを検査して3段階目の鑑定までできたそうだ。

じゃ何故? そこまで病院に行かなかったのか? コロナ肺炎が流行していることが原因だったのか? そこの所はわからない。

最後に説明者が「昔は身体の調子の悪い人が湯治に行っていたのにね」と言ったのが印象的だった。

すべて結果論なのかもしれないが、当該施設は悪いことが重なってしまったようだ。

「70歳以上の男性の宿泊はお断り」にしなけらば行けないなあと皆帰っていった。

残念ながらレジオネラ肺炎は基礎疾患のある人や身体が弱っている人が発病します。それは家庭の風呂でも温泉でも同様です。
もともとレジオネラ肺炎は冷房機のスプリンクラーの飛沫から始まった病気です。街中を歩いていても感染する可能性があります。
家庭の加湿器でも同様です。

調子が悪くなったら病院に行きましょう!

医療ジャーナリストの人も書いているので、詳しくはこのサイトをご覧ください。




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