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【イベントメモ】リターゲティングに寄り添わない #UnyoojpMeetup

2019/11/22に開催されたUnyoo.jp Meetup Vol.16「リターゲティングに寄り添わない」のイベントメモです。
当日は土砂降りの雨で、ぎりぎりで会場に到着しました。

1.Before

「リターゲティングに寄り添わない」というイベントタイトルに惹かれて参加。
自社においてもITPの影響により、リターゲティングからのコンバージョン数が減少しており、エージェンシー、プラットフォーマー、広告主が現状をどのように捉えているのか非常に興味があった。

2.要点、気づき

イントロダクション:アタラ 高瀬さん
【要点】
「リターゲティングに寄り添わない」のではなく、そもそも寄り添えない環境になってきた。
キーワードはCookie。
法規制によるCookieの利用制限(GDPRなど)
WebブラウザによるCookieの利用制限(ITPなど)

【気づき】
ad exchangerの"They Don't Taste As Good As They Used To"が印象的だった。「Cookieがおいしくなくなった」という1文がすべてを物語っていると思う。

広告が「なかったとしても」発生したであろう効果を排除して、広告の”真の”効果を評価するアプローチ:電通デジタル 三谷さん
【要点】
リターゲティング広告の偏重は、元々行列の出来ているお店の前でクーポンを配っているようなもの。
広告を出さなくても発生した成果を除いた「真の効果」、True効果を計測する⇒True Lift Model
CPAで見ると見合わないが、潜在層施策を続けることの勇気。(リターゲティング依存からの脱却)
実施には広告主を説得できるだけのロジックが必要。
ユーザーが持つ複数の属性をTrueで評価し、良いセグメントを発掘する。

【気づき】
True Lift Modelの考え方、「True効果」が重要ということは納得出来た。
「True効果」を計測し、潜在層施策にうまく繋げ、リタゲを実施しなくても成果が出るという一連の流れを作れるかがポイント。様々な企業で実施をしているようなので、成功事例が知りたい。

“Moments of Next”とは?また、それがなぜ重要なのか:Taboola Japan 尾上さん
【要点】
どうユーザーにリーチするのか。ポイントは2つ。
クリエイティブとコンテキスト。
欲しているタイミングで欲している情報を出す。
1人の人間が興味、関心のある事柄は複数あり、場所や時間で1番見たい広告を出してあげる。

【気づき】
事例にあった日本の通勤時間におけるスマホを操作する写真、日本では朝8時~10時のCTRが海外と比べて高いこと、有名なバイオリニストが地下鉄でカジュアルな格好で演奏していても見向きもされない動画が印象的であった。
広告を見る人に対して広告を出す側は広告を出す時間を意識すること、その人にあったクリエイティブとコンテキストを用意することが重要。
特にクリエイティブについては自分の場合、疎かにしてしまいがちであったが、Abobe INSIGHTSの2020年に向けたアドテクに関する5つの予測「クリエイティブが、顧客獲得に代わる最優先事項」にあるようにクリエイティビティをコンピテンシーの中心に据える取り組みが必要だと感じた。

広告主もリターゲティングに頼りがちなワケ:ウエディングパーク 助川さん
【要点】
広告主も気にするべきリタゲの課題
1.フリークエンシー過多によるブランドイメージ悪化リスク
フリークエンシーが適切でないとユーザークレームにも繋がる。
フリークエンシーをかけても複数の媒体で出稿をしていると想定以上に1人の人間に広告が接触している可能性がある。
2.スマホで一部媒体内に閉じたリスト蓄積
3.媒体タグが与える自社サイトへの影響

広告主サイドの事情
リターゲティングをやめるリスクテイクのしづらさ。
やめるとなると説明責任が必要となり、ハードルが高い。
リターゲティングは悪いわけではないが、依存せず成果を高められる仕組みが必要。
ニーズが顕在化したモーメントを捉える。
ブランド想起率を上げる。

【気づき】
複数媒体にて広告を実施している場合は特に1人の人間に対して同じ広告が複数回接触していないか現状を把握する。
リターゲティングに依存せず成果を高める仕組みを考え、スピード感をもって実行出来る体制の構築が必要だと痛感。

パネルディスカッション
アタラ高瀬さんからウェディングパーク助川さんにTrue Lift Modelを導入したいかというストレートな質問があり、パネルディスカッションならではの醍醐味を味わうことが出来た。
広告主側からするとリターゲティング→オーディエンスターゲティングへの予算シフトには勇気がいる。
セッションにおいても決定権も持つ経営層をどう説得するかについて話があったが、広告主の担当者も代理店に任せっきりでなく、導入に向けてどうアクションするのかが腕の見せ所である。

リタゲに寄り添わない分、何に寄り添うか?
私が聞きたかった1番の質問!
尾上さん:アッパーファネルのリーチ。クリエイティブを尖らせる。
助川さん:事業に寄り添う。広告効果を最大化する為のコンテンツ作り。
三谷さん:リタゲはターゲット、クリエイティブを考える必要が少ない。本来の代理店の付加価値を作らなければならない。

3.まとめ

今回のイベントに参加して、今後ますますリタゲに寄り添えない環境になるという危機感を強く持つことが出来ました。
その中で電通デジタルさんはTrue Lift Modelに代表されるソリューションを提供し、今回のイベントで詳細を知ることが出来ました。
Taboola Japanさんはコンテンツを閲覧した人に合わせた広告を優良な面で配信できる事例を紹介頂きました。特にクリエイティブを尖らせる、クリエイティブについて再考するきっかけを与えてくれました。
ウェディングパークさんはリタゲの課題を広告主視点で簡潔に纏めてくれており、リタゲ脱却のリスクテイクのしづらさについては同じ広告主側の人間として共感出来る内容でした。
エージェンシー、プラットフォーマー、広告主の異なる視点でお話が聞けたことが非常に良かったと思います。
リタゲに寄り添えない環境になる中でどう対策していくかのヒントを今回のイベントで色々頂けました。

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