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創作するとき考えるのは「仮想の基盤を固める」こと

最近、大手マンガアプリの会社の原作者として企画と脚本のコンペに出た。
ロマファンと呼ばれるロマンスファンタジーに着手したのだが、魅力的なキャラクターやストーリーは勿論のこと、「仮想の基盤を固める」ことの重要性について実感した。

どれだけ現代日本から離れた設定でもいい。
ただし、仮想世界について詳細に考えて考察しておかないと、物語が破綻してしまう。

逆に言えば、現代をテーマにした世界を書いたところで、その世界が詳細に寝られていないと、読者から「?」と言う声があがってしまうだろう。

私はフィクションを読むのが好きだ。
書くのと同じくらい読むことも好きである。

名前は出さないが、2つのファンタジーの漫画を読んでいた。確か出版社は異なっていたと思う。

結論から言えば、まあどちらの漫画もヒットしていたのだが、私としては片方の漫画の世界観の弱さに「?」となってしまっていた。
というか話が脱線するが、感嘆符とは異常に使い勝手がいい。
もやっとしてしまった気持ちとか、疑問に思う心を「?」だけで表し、しかもそれは私が言葉を選定しなくても、逆に読み手の受け取り方によって変化する。
NARUTOだってこんなに多重影分身出来ないだろう。

話は戻る。
「強い女性」×「女性に従う従者」といった関係性は同じだったが、片方はなんだか物語が延びるたびにとってつけた設定とかが見え隠れするような気がした。
その時に、仮想の世界の中でも「リアリティ」が必要だなと痛感した。

ちなみに、私が「?」となった物語は、今も連載している。
ただ、私がその世界観に馴染めなかっただけ泣きもしている。

じゃあ、一体どうやったら「仮想の基盤を固める」ことができるのだろう。
そう悩んだ結果、その国や周辺国の歴史年表を作ることにした。

最早、世界を創生している。
作者は神という言葉もあるが、本当に作っているのである。

本当はそこまで手をかけなくていいのかもしれない。
年表なんてちょっと正気の沙汰ではないだろう。
最早キャラクターを愛しているというか、その世界を愛してしまった。

マンガ原作とは、自分の生み出した子供を里子に出す気分である。
もうここからは、キャラクターデザイン、セリフの変更、物語の間取りは私にはできないのである。

だからこそ、その子を愛するがゆえに、最初の創生だけは愛しぬいてやりたいものだ。

落選したら笑っていただきたい。

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