清水エスパルスとFC東京に視る配置の重要性
8月7日 J1リーグ第24節 FC東京vs清水エスパルス
清水にとって久しぶりの声出し応援。
試合前からソワソワしていたのは自分だけではないはずだ。
マスク越しの応援ではあるが、それは間違いなく選手の耳に届いていたはず。
東京のYou'll never walk aloneも素晴らしかった。
サッカーには、やはり応援が不可欠であると再認識できた日だった。
試合は清水の勝利となったが、この試合では選手の立ち位置の重要性を見ることができた。
このレビューでは、両チームの攻撃・守備を見ていく。
東京の基本陣形は4-1-2-3
清水は守備時4-4-2(4-4-1-1)、攻撃時4-1-2-3
FC東京 攻撃
東京の試合を毎節見ていないため、この試合だけの事象なのかもしれないが、東京の特に右SBの立ち位置が高すぎてCBからSBへの線が通っておらずなかなかボールを前進できずにいた。
三田が右サイドにいるときは、三田が中盤に降りてきて、もともとその場所にいた中盤がウイングの位置に出ていくという形が見られた。
ディエゴが下りてボールを受けて前を向くと、インサイドハーフの安部と松木が前に出ていくという形も見られた。
前線にボールが入った時の攻撃の形は練習しているように感じたが、最終ラインからのビルドアップ時は、キーパーに戻して逆サイドに展開してプレスを逃れるというものはあまり見られなかった。
スウォビィクは、セービング能力に長けており、繋ぐサッカーを苦手としているかもしれない。
そして、気になったのは、左サイドでのアダイウトンの立ち位置である。
バングーナガンデが外に張って勝負するよりも、間違いなくアダイウトンが外に張って勝負するという方が相手のSBからしたら嫌なはずだ。
この試合でも原はアダイウトンの縦へのスピードを恐れていたはずである。
しかし、この試合で数回、SBが張ってアダイウトンが中に入るという形が見られた。
試合が進むにつれて、SBが内側にポジションを取り、アダイウトンが外の高い位置にいるという形がだんだん増えていってから東京がチャンスを作るシーンも増えた。
清水エスパルス 守備
清水の守備時は、サンタナとコンビを組む選手のどちらかが相手のアンカーを見つつ、相手のCBを牽制する。
そして、清水は、この試合守備がとてもし易い形であった。
東京は4-1-2-3で中盤は逆三角形の形をとる。
これは、清水の4-4-1-1の形にはまる。
選手も自分が見るべき選手を把握しやすい。
前節3失点を喫した鳥栖戦は、相手がダブルボランチであり、それに加えてSBも中盤の位置に入ってくるため、中盤で数的優位を作られてしまっていた。
そして、前節不在だった立田・鈴木・権田の存在は大きかった。
清水エスパルス 攻撃
清水の右サイドは、ピカチュウが中でプレーするときもあれば、腹が中でプレーするときもあるように、相手の間でボールを受け、少ないタッチ数でつなぐ流れがスムーズだった。
右サイドバックの位置に白崎が下りてきて、ピカチュウが内に入り、腹が里の高い位置をとるという形も素晴らしかった。
左サイドは、基本的に乾が内側、山原が外側でプレーしていた。
乾のボールを一旦後ろに下げてビルドアップをやり直すという、一見簡単そうで難しいことをしてくれているおかげで、ボールを失わず、ゆっくりと前進できていた
ここでカギとなるのがアンカーの松岡で、どちらのサイドにボールがあったとしても、相手のCF・WG・IHの間に顔を出し、出口を創り出していた。
なにより、途中から入ったホナウドもこの試合の強度は素晴らしく、得点者二人などブラジル人の調子が上向いてきていることは、チームとって良いことである。
FC東京 守備
清水の4-1-2-3の形に対して、松岡に対して誰が出て行って、中盤の位置に入ってくる清水のSHに対しては誰が見るのかなど、後手を踏んだ部分が多少あった。
アダイウトンがしっかりと戻ってくるときは、問題ないが、アダイウトンが攻め残りしているときや守備が苦手なわけではないディエゴにしっかりと守備のタスクを与えることが重要である。
ゼリカルドになってから、サイドバックの立ち位置など少しずつ改善が見られている。
もちろんサイドバックが外の低い位置に張りすぎて、はまる場面はこの試合でもあったが、良くなっていることは確かである。
選手の立ち位置一つでサッカーは変わるということをたくさんの人が知れる機会になれば幸いです。
いい人だなぁ。。
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