【掌編】部員Sの脳内会議
海砂糖、か。
その一言から、会議は始まった。
「あぁ、今回のお題ですか」
「いかにも。『海砂糖』から始まる小説や詩歌を、との通達である」
「これまたいいお題っすねぇ。眩いばかりのワードセンス」
「うむ。さすがは部長と言わざるを得ない」
「『海砂糖』かぁ。想像が膨らむなぁ」
「いや、しかしな。そう喜んでばかりも居られんのだ」
「へ?」
「フレンチクルーラーが食べたいよう」
「フレンチクルーラー?」
「私ではない。あそこで寝ているあいつだ」
「あぁ、あいつか。すげぇ寝言だな」