【掌編】パイナップルマンの跳躍
子供の頃の品を整理していると、昔描いた落書きに遭遇した。
『パイナップルマン きずをなおす。』
大型連休。久しぶりに帰った実家の自室で、僕はそいつと睨めっこを始める。
「なんだ、これ」
小学一年の算数の教科書、その余白に描かれた件の絵は、なるほどパイナップルを模した長細い頭部にトゲトゲの髪の毛を付けたヒーロー面の男だった。それだけならば、なんとなくわかる。どういう経緯でパイナップルをモチーフに選んだかは不明だが、子供ならではの柔軟な発想なのだろう。しかし、その名と共に