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musical ラフヘスト~残されたもの~観劇記録

 9月上演のミュージカル「ファンレター」の予習として観劇予定だったのですが、事前の「歌唱動画」や「教えてラフヘスト」を見たことで、この作品好きかもしれない!!と思い少し早めのチケットを購入。「人は去っても芸術は残る」。脚本・楽曲ともに優しさに溢れた作品。

あらすじ

輝かしい時を経て、やがて芸術になる2004年2月29日、ヒャンアン(ソニン)は最期の瞬間に自分の人生を振り返るように手帳を一枚ずつ、一枚ずつ遡る。2004年の記憶から時間はさかのぼり、1936年、自由奔放な詩人イ・サン(相葉裕樹)とナンランパーラーで初めて会った時から、トンリム(山口乃々華)としての時間が順番に流れ始める。最初の夫となったイ・サンの死後、もう芸術家を愛することはないと思っていたトンリムの前に現れた画家ファンギ(古屋敬多)。静かで控えめなファンギと手紙をかわすうちに少しずつ心が解け、苦しい思いをしてしまうかもしれない瞬間にも、勇気ある選択をしていくトンリムを見ながら、ヒャンアンは自分の人生の岐路に起こったことが、結局、自分を光輝かせてくれていたと気付く。Les gens partent mais l’art reste ─ 人は去っても芸術は残る。イ・サンと共にした、そしてファンギと共にするすべての瞬間を経て、やがてヒャンアンは自分自身が芸術になったことを悟る。

ラフヘストHPより

(事前にイサンの「翼」作品集を読んでから観劇しています)


キャストごとの感想

・キム・ヒャンアン役 ソニンさん

ヒャンアンの生き方が素敵。時代的に考えたら本当に行動力がある女性。特に「ヒャンアンその名前をください」過去の自分や人生を変えて、新しい人生を選択する覚悟に毎公演涙なしに見れませんでした。

・キム・ファンギ役 古屋敬多さん

「色彩/彼が去っても」や「どこかで重なる、また巡る」などヒャンアンに対する愛がひしひしと伝わってきて大好きでした。
劇場のホワイエにファンギさんの絵画がひとつ飾ってあり観劇前後で見え方が変わった気がします。「人が去っても絵の中に生きている」という歌詞に涙が止まりませんでした。

・イ・サン役 相葉裕樹さん

イ・サンが不逞鮮人として逮捕された場面の歌詞が「終生記」そのものだったり、さまざまな場面で李箱の詩や文など引用をされていたり…観劇前は難しい〜(汗)と読んでいた李箱の作品集に対して腑に落ちたり、この文はこの場面と繋がっているのかなとか勉強の日々でした。
最後「千疋屋のメロン」と言いトンリムを送り出す時、「(アフトク落合さん)なんとも言えない表情」座席の位置的に観る機会があり、死にたくない…申し訳ないという感情が混ざり合っていて胸が締め付けられました(涙)

・ピョン・トンリム役 山口乃々華さん

トンリムの「歩いて、歩いて」や「鞄ひとつ」にてイ・サンの真似をするところや三越デパートの屋上で「翼」の一節を歌う場面大好きでした。
また、トンリムの「過去に戻ったとしてもまたこの道を歩む、また彼(イ・サン)を愛するし、東京に一人で行かせる」ヒャンアンに対して「私が過去の記憶を守っていく、だからあなたは夢を見続けて、私たちの冒険をやめないで」という台詞や歌詞に涙が止まりませんでした。

全体感想

手帳を通じて過去の自分と向き合う。観劇するたびに心に響く台詞や歌詞があり、この作品に出会えてよかった。
また、イ・サンの詩や文字が多く引用されており、特に「一緒に死のうか」に対するトンリム「私は堂々たる市民になれないあなたについていくことを決めました」このやりとりが「翼」作品集の解説に載っていて、個人的に大好きなやり取りだったため作中でもその台詞があって嬉しかった。
人は去っても芸術は残る。重要なことに改めて気付かされる公演期間でした。
そして、心に残る大切な宝物のような作品がまたひとつ増えました。

スペシャルライブ24日19時&25日19時

24日19時公演 相葉裕樹さん×山口乃々華さん
M2『角砂糖ころりん』
・イ・サンの楽曲は重いものばっかりなので 「ころりん」参加型

25日19時公演 古屋敬多さん×相葉裕樹さん
M12『いるだけで』スペシャルバージョン
・二人で歌う楽曲がないので熟考した結果「いるだけで」スペシャルバージョン もしもイ・サンとファンギが出会った世界線

アフトク(古屋敬多さん×相葉裕樹さん)

古屋敬多さん×相葉裕樹さん×音楽監督 落合さん
司会は音楽監督である落合さん
①二人のお互いの印象について
落合さん→相葉さん 髪質が好き
落合さん→古屋さん 頭蓋骨が好き この件についてはアメリカに行った際通りすがりの方に「クレイジーボーン」と言われたエピソードも!?
相葉さん→古屋さん 
憧れの人 初めて会った芸能人
共演してポンコツ度に親近感(例 相葉さんの鏡の前にある水を勝手に飲むなど)
古屋さん→相葉さん
15歳の頃の相葉さんを覚えている ミュージカルにたくさん出ているので百戦錬磨だと思っていたが、ものすごく努力家 譜面や台本にびっしり書き込んでいる 自分の出番の直前まで楽曲を聞いて気持ちを作っている
②好きな場面
落合さん
相葉さんイ・サンがトンリムに対して「千疋屋のメロン」が食べたいといった後トンリムに対する表情
相葉さん→「一緒に死のうか」とあるように死に対する憧れがあったが、死を直前にして死にたくないと思ってしまったり、トンリムの優しさに触れて申し訳なさもある…(日によって解釈が違うので表情が違うけど大筋)
古屋さん
音楽監督の落合さんがどんな気持ちで弾いているのか?
第三者目線 音楽がなければ時間が進まない場面もあるので神のような状態(こんな感じのこと言っていました)
相葉さん
古屋ファンギの「どこかで重なる、また巡る」が好きだそうです。

「人が去っても芸術は残る」。この作品に出会えて幸せという感情を心の中へ大切にしまい。11月の円盤発売にて、またこの作品と再会できる日を楽しみに進んでいきたい。


公演記録
○東京芸術劇場シアターイースト 2024.7/18~7/28
出演者 ソニン 小屋敬多 相葉裕樹 山口乃々華


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