「ヤバい」ばかり使う現代人は退化したのか

よく現代の若者は様々な意味を持つ言葉を1つの言葉に置き換えすぎだと指摘されている。

「やばい」、「マジ超やばい」、「マジマジ」、「ピエン」。確かに単語だけ聞いても、何を伝えたいのか分からない。この状況を憂いて、多くの偉い人たちが「若者の言語化能力の低下だ」と言っているが、まぁ少し違う考え方もできるのではと思ったので、それを書く。

先ほどと同じように「やばい」と単語だけを持ってくると、それが深刻なことなのか、嬉しいことなのか、悲しいことなのかは判断がつかない。しかし日常生活にそれを使っても意味が通じなかったことほとんどない。文章であっても前後の文脈から正しく意味を判断できるする。

つまり若者は、言葉を定義する能力は下がったが、相手に意味を使えるコミュニケーション能力は変化していないと言えると思う。むしろ、意味は伝わるわけだから、より使い勝手がいい1つの単語だけを使うのはコスパが良い。

この文脈から相手の言いたいことを判断する推察能力は日本人の特徴であると思う。例えば、日本語はよく「主語がないから、文脈を読まないと何を言いたいのか分からない言語」と言われると思う。今回の事例はそれに非常に似ていて、であるならば、必ずしも危惧するほどのものではないのではないかと思ったりしたのである。

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