見出し画像

Amazon特許紹介

 スタートアップの知財分析を紹介していこうと思っていましたが、2回目にして脱線。ジェフ・ベゾス退任のニュースを見て、今回はAmazonの特許を簡単にまとめてみようと思います。

ジェフ・ベゾスの退任メッセージ

 こちら見た人も多いと思いますが、ベゾスが退任した際に従業員に送ったメッセージです。

 その中でも、(特に知財関係者が)注目するのはこのあたりでしょうか。

今日では、130万人の有能で献身的な従業員を雇用し、何億人もの顧客や企業にサービスを提供し、私たちは世界で最も成功している企業の1つとして広く認知されています。                        それはどのようにして実現したのでしょうか? 発明です。発明こそが私たちの成功の根源です。私たちは、クレイジーなことを一緒にやって、それを普通のことにしてきました。カスタマーレビュー、カスタマーレビュー、1クリック(での購入)、パーソナライズされたレコメンド機能、アマゾンプライムの超高速配送、レジなし決済技術、環境問題に対する「Climate Pledge」宣言、キンドル、アレクサ、マーケットプレイス、インフラクラウドコンピューティング、キャリアチョイス(キャリア選択事業)などを開拓しました。                                   うまくいけば、数年後には驚くべき発明は普通のものになります。人々は(驚きもせず)あくびをするでしょう。そのあくびは、発明家が受け取る最大の褒め言葉です。                                   (Forbesより転載: https://forbesjapan.com/articles/detail/39618)

 ベゾスが発明を重視してきたことも非常によくわかりますし、この思想こそが本のECサイトから始まったAmazonが世界で最も巨大な企業の一つにまで成長した要因ではないかと感じることができます。

 ということで、メッセージ内でも出てきている発明の中から、代表的なものを以下で紹介します。もちろん、これ以外にもより重要な特許はあるかもしれませんし、これからのAmazonの将来ビジネスを担う特許もあると思います。

1−Click特許

 これはビジネスモデル特許の例としても非常に有名な特許だと思います。意外と知られていないところでは、本特許でAmazonが初期の時期に訴訟に利用したり、Appleにライセンスもしていたりと、ビジネス面でも間違いなく影響力の大きかった特許でしょう。

レコメンド機能

 レコメンドも機能も色々ありますが、その中でも、”この商品を買った人はこんな商品も買っています”とか”この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています”などの表示がされるレコメンドでついつい色々と購入してしまう人も多いのではないでしょうか。

 この機能に関する特許と思われるのが、US6266649、とUS8239287になります。前者はすでに期限満了、後者も特許料未納で権利は切れているようで、最新のアルゴリズムは別にあるかもしれません。

レジなし決済技術

 知る限り日本では展開していない?と思いますが、いわゆるAmazon Goという無地決済方式の店舗システム、これに関連する特許もAmazonは権利化しています。日本だとTOUCH TO GOなどが高輪ゲートウェイなど展開しています。下記特許が日本には出願されていないのも要因でしょうか?


まとめ

 今回はクイックにAmazonの特許をご紹介しました。ここで取り上げただけでも、ベゾスが大切にしたInventionをコアに新たなビジネスを展開し、これに合わせて適切な特許を取得しているように感じます。Amazonの知財戦略というと非常に高度なものを想像してしまいますが(もちろん、裏には高度な戦略がある?)自社ビジネスのコアとなる技術・アイデアを特許で着実に抑えるという知財戦略の基本が徹底されているということではないでしょうか。

 ここでは紹介しない、Kindle、Amazon Echo、AWS関連の特許は間違いなくあるでしょうし、こんなのもあるよとご存じの方はコメントなどで教えていただけると幸いです。ここまで閲覧頂きありがとうございました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?