【日記】ホルモン焼肉
妹子と映画を見てきた。ワイルドスピードはやっぱりいい映画。簡潔かつ壮大で惹きつけるストーリー、ド派手アクション、筋肉マッチョ、あとド派手アクションがたまらない。
妹子は大学生になり、大学生の頃の僕のように京都府民になった。僕と違うのは、京都の中でも都会寄り、京都っぽいところに住んでいる点。
僕もこのあいだ、京都に再度引っ越してきた。そのときからずっと「ワイスピが見たい!」とLINEが来ていた。
行こう行こう、僕の彼女はきっと得意ではないジャンルだけど、我が家三兄弟(姉もいる)は実家で育ってきた頃から「ワイルドスピード」と「実写版トランスフォーマー」はしこたま見てきたのだ。
見終わって、「その結末はないよ〜」とごねる妹と映画館を出る。小腹が空いた。
「コーヒーは飲むん?」
「飲めない」
「カフェオレは?」
「あんまり」
「紅茶とかは?」
「好きじゃない」
「何飲んでるんいつも」
「いろはす」
結局、よく立ち寄るカフェで、ガトーショコラだけ頼んで喜ぶ妹をアイスコーヒーをすすりながら眺めていた。
課題の山に追われている妹子とバイバイした後、彼女と合流した。ウィンドウショッピングをするつもりだったけど、試しに履いたサンダルの夢のような履き心地に感動し、すぐに買った。引っ越しだなんだで、絶望的にお金がない。
このカバンかわいい〜この帽子好き〜あそこの本屋は品揃えがいい〜夏にはひまわり畑に行きたい〜ディズニーランド行きたすぎて禿げそう〜とひっきりなしにしゃべって、京都の街を歩いた。
「伏線張るストーリーが好きなんだよねえ」
引っ越した先の土地、家からの最寄駅近くにある焼肉屋さん。網の上で焼いているホルモンをひっくり返しながら早口で映画の感想をまくしたてる僕に、彼女が言った。お酒を飲むと、すぐに顔が赤くなる。
「ここであのときの!っていう時のアハ体験?エクスタシー?がさ、ドラマとか現実とか関係なく好きなんよ。」
それなら僕も張ってみたい。張るためには時間が必要。考えるための時間、思い出すための時間。考えるためには文字を書くのがいちばん。いや、いちばんは言い過ぎかもしれない。
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