ピンホールマーケッティング、小さなを穴を狙っていけ!私の原体験
自分の強みを持って強者が狙わないような小さな市場を狙っていく、これがピンホールマーケッティングです。
強者は強者であるがゆえ、利益の出る大きな市場を狙ってきます。弱者が同じ場所に乗り込んでも、とんでもない偶然やとんでもないラッキーがない限り、決して勝てないわけです。ましてや勝ち続けるなんてことは、ほぼ絶望的に不可能です。ということで、弱者は強者とは違う市場、小さな市場(いわゆるニッチ市場)を狙っていくこと、これが生き残り戦略となります。
自分の仕事の業種を言えますか?
ピンホールマーケティングを意識したことはなかったのですが、期せずして私も同じようなスタンスで仕事を選択していました。
自分の仕事がニッチな分野だと実感させられたのは、会社を立ち上げるときです。作成書類の中に、業種を業種分類表から選択する項目がありました。「農業林業漁業」「鉱業」「建設業」「食料品製造業」…並んでいる項目を上から順番に見ていくものの、あてはまる項目がありません…カテゴリーがない=ニッチ、というわけです。
係の方に「どう書いたらよいですか?」と聞いた結果、番号ではなく、「野生動物調査業」と記載した記憶があります。
みなさんの仕事はいかがでしょうか?業種分類表の中にあるでしょうか。
経済産業省「業種分類表」はこれです。銀行に融資を申し込む時にも業種を書く欄があります。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kaigaizi/result/pdf/bunrui_48.pdf
ニッチを選択するに至った原体験
思えば昔から私はピンホールマーケッティングを旨としていました。前の職場でも、みんなが右に走って行ったら、私は左で待つ、そんなスタイルで仕事をしていました。
あるとき私の職場に、保護されたアザラシ(こども)が持ち込まれました。事務所にいたスタッフ数名は、かわいいアザラシに給餌したり、写真を撮ったり、とにかくアザラシを構うことに大忙しです。そんな中で私は、アザラシを入れるための大きな水槽を倉庫から出し水を張ったら、電話番のため事務所にさっさと戻る、こんな感じです。
このスタイルで仕事をするようになった原体験、実は小学生の頃に習っていた少年サッカーにあります。
ひとつのボールにみんなが群がる、これが小学生のサッカーの特徴です(当時は)。みんなが足を出して、やいのやいのボールを蹴ろうとするわけです。足が速かったり、サッカーの上手な子は、そのような状況でもうまくボールを蹴ることができるものの、特別な能力のない私はボールに触ることさえできませんでした。
そこで小学生の私が採用したのは、「逆サイドで待つ作戦」です。ボールが右サイドに行ってみんなが群がったら左サイドで待つ、ボールが左サイドに行ったら右サイドで待つ、こんな感じです。ボールのない逆サイドには誰もいません。でも、待っていると人群れからボールがポーンと蹴り出されて、逆サイドにくるような状況が生まれます。そこはチャンスタイム到来、逆サイドは私しかいない独壇場です。特別な能力がなくても相手陣地に向かってボールを蹴ることができるというわけです。
このような経験を経て、「人が群がるところには行かず、逆サイドで待つ」こんな私のスタイルが生まれました。
地方に暮らすのもピンホールマーケティング?
人口が多くて競争が激しいのは都市部です。他方で、地方は過疎化と高齢化がどんどん進行しています。かつてはたくさん生息していたオラオラジジィも、どんどん虹の橋を渡り、若い人にとって動きやすい環境が生まれつつあります(それでも少数のオラオラジジィはしぶとく残存しています笑)。
そのように考えると、現代の日本では、地方に暮らすこと自体がピンホールマーケッティング、弱者戦略、逆サイド戦法で、実は理にかなったやり方なのかもしれません。
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