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【漫画メモ】永井豪SF傑作集3 霧の扉

SFなのにギャグだったり、ギャグなのに怖い話だったりするので油断できない、永井先生のSF傑作集です。あらすじは途中まで、感想はネタバレ有りです。

霧の扉

第1の扉 ふりむいた私
雪山で遭難した清水と吉田。清水は途中滑り落ち、もうダメかと思われたが、何者かに助けられ、再度吉田と合流できた。清水が言うには、自分を助けたのはなんと自分だったと言う。そういえば清水の亡くなった叔父も、若い頃に山で何者かに助けられたことがあった。助けてくれた人の顔は見えなかったが、偶然持っていた写真がシャッターを切っていて、現像すると年老いた男が叔父を助ける姿が写っていた。そして、叔父が40歳を越えた頃、この写真を見ると、助けた男が自分の年老いた姿であることに気付いた。これは自分の幽霊だったのだ。写真と同じ外見になる頃、自分は死ぬと悟った叔父は…

第2の扉 赤いチャンチャンコ
家族円満に幸せに暮らしているお爺ちゃん。60歳、還暦を迎えた朝、枕元にはドス黒いチャンチャンコが置かれていた。家族も街の人もお爺ちゃんの誕生日を祝うムードだったが、お爺ちゃんだけは絶望感に苛まれていた…

第3の扉 鎌
夢の中で、頭巾を被った何者かに襲われ、鎌で体を傷つけられた。目が覚めると体の同じ場所が傷ついている。何度もそんなことが続き、眠るのが怖くなった。あるとき、頭巾を被った者の正体を暴くため、夢の中で頭巾を外すと…

怖い話スレとかにありそうな怪談系の詰め合わせ。トッペルゲンガー兼未来の幽霊とか、ギャグテイストなのに実は怖い話とか、救いのない話とか。

ススムちゃん大ショック

親が子供を殺すのが当たり前になっている世界。ススムちゃんは家から出て、友達と合流して身を潜めていた。でも夜になると、ススムちゃんは家に帰りたくなって…

超絶ストレートな落ちで大ショック。

くずれる

木村の元に怪しい人々が近づいてくる。話を聞いていると、どうやら自分は「ビオ」という名前のボア星人で、地球侵略を企み、仲間とともに密かに地球に侵入してきたらしい。木村はとても信じられないが…

ゲシュタルト崩壊したら本当に崩れた話。

宇宙怪物園

グラウス星の様々な宇宙生物を展示している宇宙怪物園に来た洋一と彼女。グラウス星は一般人は行けない星だったが、冒険好きの彼女は行きたがっていた。会話を聞いていた男が、秘密を守ればグラウス星に連れて行ってやると声を掛けてきた。2人は喜び、ロケットでグラウス星に向かうが…

グラウス星の宇宙生物の秘密が暴かれます。

スペース騎士

ユーシア星のピュリア姫が悪者のデモスにさらわれた。宇宙保安連名のスペースナイトの6人は、ピュリア姫を救うため惑星デモスに向かった…!

宇宙戦争モノに見せかけて…。登場人物の名前が、ロイ・スペルマン、スピル・ハンバーグ、ジョー・ルーカス、サキョー・コーマス、シンジー・ホシ、ハン・ムラーという感じです。スピル・ハンバーグにやや受け。

ドリーマン

いじめられっ子の冷田はいつも言いたいことを言えず、馬鹿にされていた。夢の中で、冷田の潜在意識下にあった怒りの感情が具現化し、怒利夢男(ドリムマン)として現れた。怒利夢男ことドリーマンは、冷田が眠っているときだけ現れ、冷田の代わりに嫌なやつをやっつけてくれる。いつしか調子に乗った冷田は、宿題やお使いなど、嫌なことがあると眠ってドリーマンにやらせるようになっていった…

小学生向けギャグとして書かれてますが、イジメられっ子視点のマジ話として考えさせられる…途中までは。ギャグ路線の最後の落ちも良いです。

ファンタじい

お爺さんの若い頃の冒険譚を孫に聞かせている。ロケットに乗ってスタコラ星に行き、悪のニクニク大王からオーロラ姫を救ったと言うのだ。そんな話をしていると、突如廊下に黒い穴が現れた。中に入ると、そこは宇宙空間で、お爺さんが話した通りの世界が広がっていた…

自分の想像だけで作られる世界。現実のこの世界も実はそうなんだって、どこぞのすぴりちゅあるな界隈で聞いたことあるけど、可視化するとこんな感じなのかしら。

都市M1

西暦2007年、人口爆発により世界は3つに分かれていた。男だけが住むM国、女だけが住むW国、男女が住むMW国の3つだ。MW国の者だけが結婚・出産できるようになっていた。
M国には女性そっくりのアンドロイドがあって、ホームヘルパー用、恋人用など様々なものが売られている。ある日、M国で国境警備をしているリックは、恋人用アンドロイドを購入した。アンドロイドは美人をモデルに作られているので全て美形のはずだが、そのアンドロイドは体型、顔ともに特に美形ではなかった。性格も主人に一途ではなく、ときには逆らうこともあった。しかし、そういうところが不思議に魅力に感じ、リックはどんどん彼女に惹かれていった…

ある程度、想像はついたものの、なかなか良い話でした。ロビタだと思ったら人間だったでござるな話(違)

ある朝起きると、自分以外の全ての人が虫人間になっていて…

自分以外が虫だと思ったら、自分だけが虫だったっていう…

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