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【漫画メモ】手塚治虫マンガ演劇館

手塚作品の中で、劇作品を漫画化したもの、劇作品をモチーフにしたものを寄せ集めたものです。4作品のみ、あらすじと感想を書きます。ネタバレ注意で。

ベニスの商人
汽船会社を運営するベニスの名士・アントニオ。学位取得を目指すパッサニオは、旧友のアントニオに研究費の三千ダカットを貸してほしいと頼んだ。アントニオは承諾するが、財産は船上にあって渡せないので、代わりに保証人になると約束した。パッサニオはシャイロックから金を借りたが、シャイロックはアントニオと敵対する悪名高い高利貸しだった。3か月後に返さなければ、保証人の体の肉を1ポンドもらうと脅すのだった…
3か月後、無事学位を取ったパッサニオは学者になり、金持ちの娘・ポーシャと婚約していた。しかしアントニオの船は遭難して破産。借金の返済ができず、アントニオはベニスの法廷にて1ポンドの肉を削ぎ取られようとしていた。それを知ったパッサニオは法廷に駆け付け…

肉を取ってもいいが血は取ったら駄目って、とんち的な解決方法。

安達が原「ライオンブックス」より
調査官のユーケイは地球から離れた星に降り立った。大統領命令で、その星に住む魔女を殺しにきたのだ。魔女は宇宙船を呼び寄せては乗組員を殺害しているという。
魔女の館を尋ねると、魔女はユーケイをもてなした。しかしユーケイが地下室で大量の骸骨を発見し、これを問い詰めると、魔女はユーケイに襲いかかった。反撃したユーケイは魔女を追い詰めた。殺される直前、魔女はユーケイの身の上話を聞かせてほしいと頼み…

手塚先生らしい、時空を駆け抜ける壮大な物語です。

ファウスト
悪魔のメフィストは、天使を下界に落とすなど素行の悪さが目立っていた。見かねた神様は「メフィストの力を試すため」と称し、下界にいるファウストというえらい学者を地獄に引っ張りこんでみよと命令した。その一方で、下界に落とされた天使を転生させ、ファウストを天国へ導くように伝えるのだった。
下界にてファウストを見つけたメフィスト。ファウストはどんなに学問をやっても天地の仕組みが解明できず絶望していた。死のうとしていたファウストに対し、素晴らしい経験をして満足させることができれば、地獄へ連れて行ってもよいかと持ち掛けた。ファウストはこれを承諾した。
ファウストを連れて「素晴らしいもの」探しにでるメフィスト。ファウストに若返りの薬を飲ませて若返らせると、ファウストはマルガレーテ姫と出会って恋に落ちた。実は姫は転生した天使で、生まれたときからファウストを守るように吹き込まれていた。しかしファウストは、姫の父親である王に、女神ヘレネを城へ連れてこいと難題を吹きかけられてしまう。なんとかヘレネを探し出して城へ戻ると、王は喜んでヘレネを迎え、彼女を自分のものにしようとした。ヘレネは嫌がり、王の暴走を止めるために王子と戦ったファウストは、弾みで王子を殺してしまった。これを機に城は動乱に陥り…

手塚治虫の3つの遺作の中に「ネオ・ファウスト」ってありましたけど、それの「ネオ」じゃない方だったのね。後半ドタバタでちょっと難解ですが、ファウスト、若返ると性格まで変わるとは…
「ワルプルギスの夜」「ヤミヤミの野」って単語になんか反応してしまう。

シラノ・ド・ベルジュラック「七色いんこ」より
いんこが代役を務めた舞台を酷評した胡月。いんこが胡月を問い詰めると、代役専門のいんこは技術的には巧いが、色んな役をやっているだけに個性がないと言われた。胡月もかつては名俳優で、今回いんこが演じたシラノ役を演じていた。そこまで言うなら千秋楽の日に演じてほしいと頼み、胡月はそれを引き受けた。
胡月は鼻の出来物のせいで舞台に立てなくなっていたが、好きな舞台は毎日見に行き、出演者を酷評する日々だった。そのせいで敵も多く、脅迫状まで届くほどだった。そして千秋楽当日…

けっこう悲しい話です。こういうイベント的な本に1話だけ収録されるのは、コミック未収録作品かと期待しましたが違いましたw

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