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【漫画メモ】ばるぼら(手塚治虫)

去年11月に実写映画公開されてます。1冊で完結するストーリーものです(タイトル画像の版では)。以下、途中までのあらすじとネタバレ有りの感想です。

あらすじ
流行作家の美倉洋介は新宿駅で、飲んだくれの女"バルボラ"と出会った。彼女は美倉の家に居つき、鬱陶しいと思われつつも一緒に暮らすことになる。
ある日、美倉の友人の芸術家、ルッサルカがやってきた。彼はバルボラを見て驚く。以前バルボラはルッサルカの元に身を寄せてたからだ。ルッサルカが言うには、バルボラは芸術の女神ミューズらしい。色んな姿で芸術家の前に現れ、バルボラがいる間は仕事がうまくいくそうだ。ルッサルカもバルボラと住んでる間はうまくいっていたが、政治に手を出してバルボラに失望され、バルボラが去ってからは落ちぶれたそうだ。
そうこうしているうちに、美倉の小説が売れ始め…

タイトルはひらがな表記ですが、作中では「バルボラ」とカタカナ表記です。全体的に不気味でとりとめなく、単純明快ではないですが、不思議に引き付けられます。「奇子」とかに通じるかも。

ブードゥーの呪いや黒魔術が出てきますが、最初の方でマネキンやアフガン犬を愛する読み切りっぽいエピソードもなんとも不気味で好きです。美倉は異常性欲者という設定ですが、これがそれに当たるのかな。美倉がバルボラや妻に暴力を振るう場面がけっこう描かれてるのは時代を感じます。

「シソフレニー」とはなんじゃ?とググってみると、手塚先生関連のページがちょっと引っかかりました。統合失調症を指すようですが…?

エフエフアザラクやエロイムエッサイム、松本麗児は笑うところ?終盤の阿蘇脱出は手塚先生らしいアクションシーンでした。

好きなキャラはムネーモシュネーですw

★モナ・リザ展でカラースプレーをかけた事件、青嵐会では今でも血判が用いられてる云々ってのは事実のようです。ちなみに、作中の都知事選候補に石原慎二郎というのが出てくるんですが、この作品は1973~74年に書かれてます。

モナ・リザのWikiより
1974年4月には、東京国立博物館に貸し出し展示されていた『モナ・リザ』が、美術館の身体障害者への対応に憤った「足の不自由な女性」に赤色のスプレー塗料を吹き付けられたが、『モナ・リザ』は無事だった。
青嵐会のWikiより
青嵐は寒冷前線の意味で、会名は「渾沌停滞した政界に爽やかな風を送り込もう」という意味を込めて石原慎太郎が命名した。設立趣意書には「いたずらに議論に堕することなく、一命を賭して、右、実践する」とあり、結成時に石原の提案で会員名簿に血判状を捺した事で知られる。

★ベルリオーズの「幻想交響曲」はこんな曲らしい。52分って長いな。


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