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【漫画メモ】櫻の園(吉田秋生)

同じ事象を4者の視点から語る作品です。各話、途中までのあらすじと、ネタバレ有りの感想を書きます。

Vol.1 花冷え

数百本の桜に囲まれた「桜の園」こと桜華学園(高校)では、演劇部が春の創立祭にチェーホフの「櫻の園」を演じるのが伝統になっている。演劇部の中野アツコは、同じく演劇部の倉田知世子、井上志摩子と仲良しだ。部長の志水由布子は同学年だが、彼女と話すときは何故か敬語になってしまう。
アツコの姉、綾子は10才年上で桜華学園のOGだ。今度、ヤマモトさんと結婚する予定だ。最近アツコは彼氏の坂田シンイチに襲われたが拒否し、憂鬱になっていた。"初体験"すべきか悩むアツコは…

Vol.2 花紅

クラスの中でもハデグループに属する杉山紀子。慶応ボーイの俊一とは中学時代から仲良くしていたが付き合ってはおらず、キスもしてなかった。しかし俊一はキスしたがっており、よくデートで公園に行きたがっていた。杉山も演劇部だ。
ある日、杉山らハデグループの3人で喫茶店で喫煙していたところ、補導されてしまう。杉山は謹慎中、親が留守の自宅に俊一を招き…

Vol.3 花酔い

演劇部部長の志水由布子は皆が敬語で話しかけてくるのに違和感を持っていた。昔から「しっかりしてる」と言われてきた志水。
家に帰ると、6つ上の従兄の明が来ていた。志水の初恋の人だ。6年前、由布子が小学生の頃、明は小児ぜんそくを患っており、志水の家で療養し、ここから高校に通っていたことがある。
同じ演劇部の倉田は、ボーイッシュで後輩の女子から人気だった。倉田を見つめる志水に、杉山は「倉田さんのこと好きなんでしょ」と話しかけ…

Vol.4 花嵐

背が高く、胸も大きい倉田はそれがコンプレックスで、つい猫背になってしまうのだった。ボーイッシュなのに胸はあるのが不格好だと。
創立祭まであと5日と迫ったある日、志水がパーマをかけ、生活指導室に呼ばれたと聞いた。志水は最近杉山と仲良くしているが、倉田自身も最近よく志水に見つめられてる気がして気になっていた。そんな中、志水に演劇部を辞めようと思ってることを打ち明けられる。次期部長にと倉田を推してきたが、「志水さんみたいにしっかりしてないし」と断ると、その言葉が志水には応えたようだ…

★全体的な感想

あ~、この感じ、同じ作者の「ラヴァーズ・キス」と似てますね。学園祭(創立祭)前の浮ついた様子は、ビューティフル・ドリーマー的?

同性にちょっと惹かれてみたり、幼馴染を意識したり、今付き合ってる彼氏との関係に悩んだりと、思春期特有の悩みが描かれます。他人から見ると、一見何の問題もなく幸せそうに見える人が、実はそれぞれに悩みを抱えていて、自分視点と相手視点ではけっこうなギャップがあるのが興味深いです。

下校時に校舎に向かって「ごきげんよう」と挨拶する辺りは、「笑う大天使」の聖ミカエル学園のようです。

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