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【漫画メモ】ラヴァーズ・キス Ⅰ、Ⅱ(吉田秋生)

全2巻完結です。途中までのあらすじと、ネタバレ有りの感想です。

vol.Ⅰ、Ⅱ 悪い噂、冷たい月

里伽子視点の話。高校生の里伽子は同じ高校の3年生の藤井と夜の海辺で出会った。イケメンの彼は、産婦人科病院の一人息子で、高級マンションで一人暮らしをし、しょっちゅう女を連れ込んでるという悪い噂があった。藤井とは夜の海辺で少し話しただけだったが、里伽子が藤井と付き合ってるという噂が流れてしまい、それならば噂を本当にしてしまおうと、好きでもない藤井と付き合うことに。そうこうしているうちに、藤井が高校を中退する話を聞き…

vol.Ⅲ、Ⅳ Je te veux、好きやねん

鷺沢視点の話。ピアノが得意な彼は、子供の頃、里伽子と同じピアノ教室に通っていた。そんなわけで、里伽子と妹の依里子とは旧知の仲だ。また、鷺沢は藤井と同じ中学出身でもあり、中学時代はバスケ部の先輩/後輩の仲だった。当時から明るくイケメンで成績優秀、スポーツ万能な藤井は女子にモテモテ。鷺沢にとって憧れの先輩だった。しかしいつの頃からか藤井が暗い目をするようになり、茶髪にピアスで登校してきたりと周りを驚かせた。高校生になった藤井は、更に質の悪い何かに支配されている様子で、心配する鷺沢だった。そんな折、里伽子と藤井が一緒にいるのを見かけ…

vol.Ⅴ、Ⅵ 彼女の嫌いな彼女、TEMPEST

依里子視点の話。自分のほしいものを何でも持っていってしまう姉・里伽子は好きではなかったが、里伽子の友達の美樹は依里子とも仲良しだった。高校では鷺沢の後輩の緒方と同じクラスだった。何かと鷺沢を意識する緒方は、依里子が昔ピアノ教室で鷺沢と同じクラスだったことから近づいてくるのだった。ある日、依里子が美樹と一緒にいるとき、緒方が鷺沢に告白するのを聞いてしまい…

★全体的な感想

同じ事象を3人の視点から語った作品です。「ぼく地球」で木蓮視点と紫苑視点の話がありましたが、あんな感じです(と言って分かるのだろうか、、)

里伽子と依里子姉妹はお互いに嫌ってるわけですが、それぞれが「自分は被害者で悪くない」「ずるいよニャ~、あいつばっか」って思い込んでる感じ。つくづく人間は自分に都合よく物事を解釈するものだな、と。

里伽子視点で見た鷺沢君は優しく気の弱そうな印象でしたが、鷺沢視点の話では、後輩の緒方に対してけっこうガラ悪い(笑)。ちなみに、緒方は関西出身の設定なんですが、関西弁がことごとく偽っぽいです。関西をよく知らない人が想像する、ステレオタイプな関西弁という感じです。「でんがな」とか。

そして、まさかの人物相関、、、
・依里子→美樹→里伽子→藤井
・緒方→鷺沢→藤井
藤井を頂点とするこの二系統。BLも百合もノーマルも全て網羅されてるのは流石です。

吉田秋生先生で舞台が鎌倉っていうと、海街diary?とか思いましたが、登場人物がちょっと被ってるようです(映画見たけど忘れてる・・)。時系列的にはこの作品の方が海街diaryより後のようです。

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