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シニアジムの存続。

おかんが足繁く通う、シニアジム。

かかりつけ医が経営しており、病院が併設されている。

ジムだけでなくリハビリ施設にもなっており、

身体だけでなく、栄養管理、読み書きレッスンや、認知症予防講座など、

ありとあらゆる企画でお年寄りたちの脳を刺激してくれる。

調子がおかしい時など、
普段から見てくださる目もたくさんあり、

関西弁教えて!と親しんでくださる理学療法士さんもいたりして、

皆さまのおかげで、うちのおかんはまこと和やかに、充実した毎日を送っている。

ここをおかんは「塾」と呼んでいる。


おかんは職人肌で、ねばならないという枠組みと、ルーチンワークが得意だ。

ねばならないとなると、燃えるらしい。
逆に、ねばらならないがないと、めちゃくちゃ怠惰になることが同居をしてわかった。

朝電話をすると、今日は塾にいかねばならない!と忙しそうにイキイキしている。

彼女にとっては仕事なのだ。

塾の帰りには足を伸ばして町に買い物へ出る。
塾がなければ、買い物なんて食材の底を尽きるまで、つまり、いかねばならない状況になるまで、いかなくてもよいのだ。

ほんの少しの"ねばならない"は、そもそもの面倒くさがりには、生活の発動のきっかけになる。

このたった一つのねばならないが、今やおかんの生き甲斐になっている。


ところが!!

そのおかんの唯一の生き甲斐が、来年3月で事を終えようとしている、という。

経営難で閉鎖を余儀なくされたとのこと。何てこった!!

2ヶ月ほど前に、会員全体会議のようなのがあって、その現実の説明を受けたそうなのだ。

全員しゅんとしているらしい。
今後はデイサービスだの、民営のカーブスだのへ散れと。全く別モノなのに!!

おかんは意外と冷静に、「こんな時は慌てて行動したらあかん」と、何ごともなかったように、毎日を過ごしている。

あまり憂いていたくないタチだ。

あんな偏屈なもとい、奇抜なおかんが受け入れられていた唯一無二の宇宙。

なぜ、こんな良い施設が続かないのか。
なんかどうにかならないものか。

最近真剣に考えている。

高齢者の居場所確保、
これからもニーズは高まりそうなのに。


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