noteを始めたきっかけ

 私の1番最初の投稿に、西村博之氏の
「ネット上に自分という存在を作れ」
 という言葉からnoteを始めたと書いた。勿論それも嘘ではないが、直接的なきっかけはひさしぶりに会った友人との何気ない会話にあった。


 その日、私は小学生時代からの友人R(以下「R」と称する)と久しぶりに会う約束をしていた。場所は千葉に住む友人と、都内に住む私との大体の間をとって小岩。私とRは駅で合流すると、積もる話(Rへの建前)を消化するため、駅から最も近いであろう喫茶店に入った。古びた階段を上がった2階にある喫茶店、白鳥。私のユーザIDの元になった名前のカフェである(本当の読み方はハクチョウらしい)。軋む扉を恐る恐る開ける。

「らしゃせ。」

 正規品かどうか怪しいBALENCIAGAの黒いTシャツに前掛というアンバランスなファッションの、若デカ男は確かにそう言った。少し面食らって、友人の方を振り返ると、何食わぬ顔をしていた。久しぶり過ぎて忘れていたが、Rは基本的に、感情が顔面に出てこないタイプだった。昆虫好きは大体そうなのだろう。

 店を見渡すと、お世辞にも若いとは言い難い叔母さま方が、タールのキツそうな煙草をふかし、白煙が天井までモックモック。朝から晩までモックモク(西野亮廣信者の友人に贈る)。よく見ると、インベーダーゲーム機がそのままテーブルになっており、内装も中々渋い。煙草は好きではないのだが、なるほどレトロな雰囲気は嫌いではない。

 バレンシアガ若男に窓際の席へ通されたのだが、陽の光が眩しく(小岩にビルはない絶対ない)、勝手に席を移動した。バレンシア男は怒らなかった。
 私はアイスコーヒー、Rはブルベリーヨーグルトみたいなん(覚えてなかったのでラインで確認をとったらそう言われた)を注文した。味は覚えてないが、Rが残り汁をストローでズズズってする音にバレン男が反応していて怖かった。

 さて、どういう流れで行き着いた話題なのかは覚えていないが、各々が創作している物の話になった(どういう流れ?)。Rはかつて、小説を書き上げた経験があるらしく(木と喋る話)、私も詩を書いたり絵を描いたりすることがたまにあって、お互い何かしらの形で表現者であることを望んでいたのだ。
 私は、表現することの中でも特に、文字や記事を書くことに魅力を感じていること、Web記事を書いてみたいということをRに話した。するとRは表情ひとつ変えず言った。

「Web、作ってあげようか?」

 ザ・文系の私はよく分かっていないが、Rは携帯のアプリを開発するような仕事をしており(Rが聞いたら反論されそう)、ウェブサイトも簡単に立ち上げることができるらしい。


私「え、そんな簡単に作れんの!まじでお願いしたい!!」


バレ男「…」


R「全然良いけど、週8で最低2000字の記事書かなきゃよ?」


私はnoteを始めることにした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?