好きを仕事にするために必要なのは○○?! クオリティより優先されるものとは?
私は文章でご飯を食べているフリーライターなわけですが、フリーランスは数字にシビアになる必要があります。
これは単純に「数字が出せないと仕事がなくなる」など、不利益が生じるからです。
どんぶり勘定でもOKなほど稼げていても、明日の仕事がどうなるかわからないのがフリーで働く人間の宿命です。
ただ、フリーランスとしていて良く勘違いされる事、勘違いしている人が多いのがクオリティに対する認識で……
芸術家、アーティストになりたいのか、職業にして喰っていきたいのかでは大きな違いが出たりします。
今回はV界隈でコンテンツを発信する人のために、クオリティと生産性の話でもしてみようかなぁと。
特に声の仕事やエンタメで喰っていきたい人のために、実例などを出しながら記事にしていきますね。
食べていきたいならクオリティよりも生産性と需要が重要になる
結論から考えるとこうなります。
見も蓋もないですが、需要がないコンテンツは見られないですし、売れもしません。
また、生産性が低ければ作っている間に飢えてしまうので生活できるレベルに出来ません。
物を作ろうとなるとクオリティにこだわりたくなる……のはわかるのですが、それよりも先に「お金になるのか、人に受け入れられるのか」考えないと収入に結びつかないのが現実です。
もちろん、例外もあって、とてつもないクオリティのものを作った結果、それがコンテンツとして認められ、爆発的にヒットして仕事に結びつくケースなどもあります。
ただ、爆発的にヒットするだけのクオリティのものを作るために必要な時間は、自分が作るしかありません。
最初はお金に結びつかない活動でも、貯金を切り崩したりしながら努力と行動を詰み重ねて成功を掴み取る人もいます。
いわば自分の未来に投資してコンテンツを作っていくわけですが……
じゃあ、「どれくらい投資できて、いつ回収できるの?」となると……
クオリティの優先順位が高いほどギャンブル要素が高まるのですよね。
自分の才能を認めてくれる人であったり、広めてくれる人であったり……
回収のために必要な要素が非常に多くなります。
一方で、需要に応える形で、生産性を磨いてコンスタントに作品を作れば飢える心配はどんどん低くなります。
もちろん、最初に稼ぐ方法を覚えるまでに時間がかかることも多いわけですが……
必要とする人に、購入する側が納得できるクオリティの物を納品できればいいので、こだわりすぎて稼げない人がいることにも理解が必要です。
いつでも100%のクオリティを目指した結果、納品が遅れる、無駄に時間がかかるでは商売になりませんし……
それが許されるほどの芸術家(アーティスト)になるハードルは非常に高いので以下略です。
職業として目指すなら職人とか、専門家とか……生産性を考える事も大切です。
Vtuberに落とし込んだ場合は?
生産性と需要の話しをVtuberに落とし込んだ場合、コンテンツ作りに費やした時間と費用を記録して、
・再生数
・登録者数
・再生時間
などのデータと照らし合わせるのが早道になります。
何時間かけると何人の登録者が稼げるか~などのデータが取れれば将来の見通しが立てらるので。
そして、生産性を高めて「収益化やFANBOXの支援者増に繋げ、コンテンツで食べていけるレベル」に達したらプロになるのが視野に入る感じですね。
当然ですが、「歌ってみた」など費用や手間がかかるコンテンツは黒字化するのが難しくなるので、時間+費用で見る癖をつけるのも大切になります。
単体のコンテンツで黒字化が難しい場合は、
・ギフティングを受けられるプラットフォームで配信を行う
・より手軽に作れる動画などを組み合わせる
など、複数の手段を組合せてバランスをとる事が大切になります。
まぁ、だから私は、「声だけで勝負が出来るシチュボ」の研究しているわけですが……
どう考えても製作コストが安いですし……
ヤンデレとか需要があって数字の動きがわかりやすい題材も扱いやすいので。
あとは黒字化までの時間を短縮し、経済的に余裕が出来てからクオリティにこだわるとかブランディングしてもいいので、生活に余裕がないなら実利を先に考えるのがおすすめです。
最初はチャレンジャーから始まるので、プロみたいに明確なブランド化を急ぐよりも色々やって学んでノウハウ溜め込んだ方が後々有利になると思いますよ。
動画は消す事も、再生リストに分けることも、ダウンロードしてサブチャンネルにUPすることも出来ますしね。
動画の生産性をあげるコツは?
労力を減らした動画を投稿し、どのような反応があるかをチェックするのが早道です。
自分の頭の中にあるイメージと他人が評価するポイントは違います。
なので、通常の7割とか、力を抜いた動画がどんな評価を受けるかは投稿した人にしかわかりません。
また、ある程度数を投稿しないと需要が把握できない事が多いので、時間がかかる大作を目指すより、手間がかからない動画を複数投稿して反応を見るのがおすすめです。
数をこなし、試行錯誤するうちにサムネイルのテンプレート化など、「手を抜いても数字が取れる」箇所が見えて来るはずです。
「コンセプト重視で作業効率を無視した動画」はそれだけ製作に時間がかかるので、効率や生産性を重視して動画を作る癖をつけ、徐々に慣れていくと動画の作成時間そのものを短縮できるようになります。
企業やクリエイターに売り込むための営業用の動画や、企画でバズを狙う動画は力をいれるのはむしろアリです。
ただ、コンスタントにコンテンツ投稿を考える場合の「日常の動画」などは労力削る事も重要ですよーと。
それこそ、自分の配信の切り抜き動画など、短くまとめた動画にも需要がありますしね。
(ちなみに、Twitterでアンケートとったらこんな数字が出ていたりします)
本当に手抜きで数字が取れるの?
私が手を抜きまくって作ったのがこちらの動画です。
黒背景にほぼ文字だけのサムネイル、血糊の部分はフリー素材で過去に使用したものをそのまま流用。
音質は悪く、ASMRですらなく、時々台詞を嚙んだりもしている。
これ、酔った勢いで台本書いて、そのまま読み上げてサムネイル作って投稿までで大体2時間くらいですね。
6月頭に投稿して、記事執筆現在の再生数は1384回、登録者+5、再生合計時間約24時間、検索流入が約65%、視聴者維持率が42%と……
登録者が510名ほどなので、登録者比の再整数だと2.6倍くらい。
ちなみに、毎日再生回数は増えているので、自分以外の人が作ったフリー台本の読み上げも増やせば、1年たたずに収益化できるかなーという感覚です。
実際にはヒットする、ヒットしないで波があるはずなのである程度数字にばらつきは出るはずなのですが……
少なくとも目安となる数字があるのは武器になりますね。
数字取ってるヤンデレ動画の共通項抜き出して、自分も投稿して検証して、ある程度数字が取れるサムネイル+タイトルのテンプレ化には成功しています。
登録者、ファンが増えればもっと数字は伸びやすくなるはずなので、まぁ、クオリティ無視して、需要優先、生産性優先でもこういう数字は出せますよーということで。
需要と生産性を優先し過ぎると心が削れるので注意
さて、需要と生産性のお話をして、数字を稼ぐ方法を書いてきたわけですが……
当然デメリットもあります。
というのも、需要と生産性優先した結果、「自分が作りたいものがわからなくなる」人も多いのですよね……
作家性、創造性と、需要、生産効率はぶつかりやすくて、自分が好きな物を作ってたら売れたという幸運はほとんどありません。
余り数字を優先していると心が削れます。
物を作っているのに数字を出すためのロボットになっているような感覚に陥る事があるので……
適度に趣味混ぜたり、別な創作の時間作ったり、しっかり休むのって大切なんですよね……
ちなみに、需要と生産性と真逆の立ち位置にいる、作家性、創造性優先のアーティスト気質の人はクオリティを追及してるに数字がとれないという評価のギャップにはまることが増えます。
他人の心を動かさないと数字も動かないですし、そもそも需要がないジャンルだと目立って数字が出ないことも多くなるので……それで心が折れる事も多いのですよね。
あと、仕事にしてるのにアイディアがことごとくボツにされたりとか。
自分の満足のために物を作るのと、他人の満足でお金を得ることには大きな隔たりがある事が多いので、バランス感覚磨くまでに時間や手間がかかる事が多いです。
そして、バランス感覚が身につく前に心が折れる人も多い。
営業スキルや人脈などで補って壁を簡単に飛び越える人もいますし、市場をうまく見きわめて稼げるところに移動していく人もいますが……
創作と生き方の折り合いは他人が口を出せない範囲になるので、自分を追い詰めない程度にねーとは常に思います。
オーディションなどチャンスを掴めるタイミングが限られる人もいるので、一概に無理はダメ……とは言えないのですが。
無理ばかりだと続かないですしね。
おまけ・シチュボ初心者向けのTips
シチュボであれこれ動いてると収録に対する苦労話を聞く機会も多いわけですが……
正直、気を抜いたシチュボや、短めの台本の利用も検討した方が楽じゃないかなーと思うことも多いです。
理由はいくつかあるのですが、コンテンツで反応を得たいなら場数や経験も重要になる事が多くて、経験不足による思い込みで空回りする人も多かったりするからです。
思い込みで演技しても狙った反応が貰えなかったりするので、失敗覚悟でコンテンツとして出して、他人からの評価を受けてイメージを修正するって意外と重要なのですよね……
リスナーというファン層がいる場合は余計に気を使うのはわかるのですが、
「気負いすぎて疲れない?」
と思うことも多かったり。
クオリティを高めようという意識があることは素晴らしいことですし、プロを目指すならモノづくりにプライドを持つ事も重要です。
ただ、たまには「お遊び」のコンテンツ投入して、どんな反応得られるか試してみた方が気分転換になりますし、それで笑ってくれるリスナーを味方につけた方が楽になるのではないかなーと。
最近の声の企画だと、#V罵倒チャレンジ は割と好評で、TwitterだけでなくYouTubeにも投稿して再生数伸ばしている人もいたりします。
自分の適性や感覚も様々なコンテンツを投入してわかる事が多いのですよね。
なんなら、私自身もフリー台本配布するまでここまで台本需要があって、息長く関わる事になるとは思ってませんでしたし、同人音声の作品に関わるとも思ってませんでした。
これに関してはやってみないとわからない部分です。
それと、もう一つ初心者あるあるなのですが……
人気のあるジャンルのシチュボで純粋な再生数を比較するのは危険だったりします。
というのも、YouTubeは台本の短い、長いで数字の稼ぎやすさに違いが出たりする上、ベースになる登録者数による違いも出るから。
台本が長いほど再生数は稼ぎやすく、逆に短いほど再生数が稼ぎにくくなります。
これはYouTubeのシステム上、視聴維持率と動画の再生時間によって検索優位に立てるか、おすすめの動画として表示されるかが変わるためです。
一方で、台本が長いほど演じるカロリーが高くなりますし、結果が出なかったときの落差が激しくなります。
部分的に気に入らなくて録音しなおして切り貼りしたら、テンションがチグハグで使い物にならないと感じたりとか……
リップノイズや環境音が気になって投稿に抵抗感じる確率が上がったりとか……
ASMRで収録しようとしたらノイズが気になって音源自体ボツにしたりとか……
台本の分数以上に労力がかかることが増えるので、結構大変なのですよね……
なので、短めの台本のシチュボでまずは数百再生、登録者と同程度の再生などを目安に、収録や演技のノウハウを蓄積してから長めの台本にチャレンジする……というのも方法なのですよね。
私が配布しているフリー台本だと、最初期のものはTwitterへの投稿を前提に2分前後で収録できる台本にしています。
ASMRに頼らずに数千再生を記録したり、次のヤンデレシチュボで爆発的に伸びたVもいたりするので、腕試し感覚で挑んでみるのもおすすめだったりします。
なお、ASMRに頼らないシチュボで、登録者比数十倍、数万単位の再生数を出したVtuberもいたりするので……
知っておくとプラスになるかもです。
(演技力を磨くとこういう戦い方も出来るという例。なお、記事執筆次点での再生回数は4.7万再生)
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