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2019シーズン東京読売ジャイアンツ通信簿 投手編

久しぶりの投稿となりましたしらすです。
激動の2019レギュラーシーズンも終わり、セ・リーグは読売ジャイアンツがペナントを奪還し、パ・リーグは西武ライオンズが主力の流出がありながらも2連覇を達成しました。
ここからAクラス入りしたチームはポストシーズンが待っていますが、今回はレギュラーシーズン全日程が終了したということで、読売ジャイアンツの選手たち、今回は投手を個別に10段階で勝手ではありますが独断と偏見で評価したいと思います(1軍で出場した選手のみ)。
順番は中継ぎ→先発で、出場試合順となります。目次から見たい選手に飛ばせると思いますので、見たい選手だけ見ていってもまったく構いません(むしろ全部見るとなるとかなり時間がかかります)。

※10段階評価は以下のようになります。
10 : MVP級
9 : 準MVP級
8 : 素晴らしい活躍
7 : 満足の行く活躍
6 : レギュラーとしては充分
5 : 準レギュラー(重要なサブ)
4 : 及第点
3 : 来季に期待(やや不充分)
2 : 不充分な活躍
1 : かなり厳しい

池田駿

2試 1回 0勝0敗 防御率18.00
選手評価:2
今季初登板が満塁とかなり厳しい場面であり、サヨナラ満塁ホームランを浴びて、その後1試合のみの登板で終わってしまった。
2軍では38試合に登板し防御率2.62、WHIP1.15を記録したが27歳と若くないだけに、来季の奮起にかけたい。三振を増やせるかが鍵となりそう。

高田萌生

2試 5回 0勝0敗 防御率5.40 
評価:3

スラット・スプリット型の若き右のエース候補として、今季開幕前はメジャーリーグ選抜相手に堂々とした投球で持ち前の奪三振能力の高さを見せた。
交流戦(オリックス戦)で先発も4回3失点でマウンドを降りたが、8月にスワローズ戦中継ぎとして登板すると1回を無四死球2奪三振と成長を見せた。
K/9が12.60と確かな奪三振能力を武器に来季も右のエース候補として楽しみにしたい逸材。

古川侑利(巨人在籍時のみ)

3試合 5回 1勝1敗 防御率7.20
評価:5

今季楽天から和田恋とトレードで巨人へとやってきたパワータイプのピッチャー。
決して大柄では無い身体ではあるが、力強いストレートを投げ込む。一方でまともに使った変化球がスライダーとチェンジアップしかない為、もう1つ三振を取れる球種が欲しいところだが、これでK/9が18.00はとても素晴らしい
移籍後初登板は1回4失点で降板と辛い思いをし抹消されたが、9月に再登録されると9/23のスワローズ戦で3回無四死球5奪三振、次の9/28のスワローズ戦で1回無四死球2奪三振と持ち味を存分に発揮し、CS秘密兵器に名乗りを上げた。こちらも来季の活躍に期待したい。

堀岡隼人

3試 4回1/3 0勝0敗 防御率6.23
評価:3

今季支配下登録をされた高卒3年目。
威力のあるストレートと、程よく曲がるスラットで2軍では29試合で防御率1.04、WHIP0.87と圧倒的な投球を見せていたが、1軍レベルではストレートの制球が定まらずWHIP1.85と出塁を許してしまった。
課題は明確なだけに、修整して来季は1軍で活躍したい。

大江竜聖

8試 10回2/3 0勝0敗 1H 防御率6.75
評価:3

オープン戦では結果を残し開幕1軍を掴み取るも、ストレートの球速が落ちて行ってしまい、打ち込まれるようになってしまった。
来季はストレートの出力とシーズンを戦える体力を作って再び開幕1軍を掴みたい。

ライアン・クック

13試 15回 0勝2敗 6S 防御率4.80
評価:2

メジャー球宴出場経験をひっ下げて巨人に入団してくるも、シーズン開幕当初は順調に見えたが他球団にクイックが下手だと分析された途端失点が重なった。
ストレートの出力がTJ明けで思ったほど低く、スラットに近い高速スライダーも曲がりが早く見切られやすいのも打ち込まれた原因の1つと考えられる。
先発に転向し、DeNA戦ではブルペンデーのように先発として3回を投げ1失点とまずまずの結果を残した。

鍬原拓也

15試 19回 0勝1敗 2H 防御率7.58
評価:3

150km前後ストレート、程よく曲がるスラットと三振が奪えるシンカーを武器に中継ぎに転向し、守護神候補に名乗りを上げるもコントロールが不安定で真ん中に来た球を本塁打にされるケースが目立った。
それでも奪三振能力はそれなりのものがあるため、澤村、鍵谷と1軍の中大の先輩たちから何かを掴めるか。

田原誠次

25試 2勝2敗 5H 防御率4.32
評価:3

貴重なサイドスローではあるものの、根本的なストレートの出力不足と右のワンポイントとして使われる割にはWHIP1.26、K/BB1.29と低く、大事な場面で痛打される場面も見られた。
ファームでも成績を落としており、来季1軍にいれるかは分かりかねない。

ルビー・デラロサ

26試 24回 1勝0敗 5H 8S 防御率2.25
評価:9

中川、澤村に次ぐセットアッパー、クローザー候補として連れて来られ、2軍で即座に結果を残すと、最速161kmのストレートとスラット、高速チェンジアップを武器に無双。絶対的守護神へと成り上がった。
デラロサがいなかったら巨人の優勝も無かったといっても過言では無い。
更に本人はカットボールとスプリットもまだ隠し持っているという規格外な選手である。
WHIP0.88、K/BB6.40とコントロールがまとまっており、右も左も苦にしない強さを持つ。
3点差以上がついた状況では自分の判断である程度力を抜いたりとシーズンを戦い抜く術も自身で持っていたりもする。
元々がスターターなだけに、来季は先発の可能性もあるというのでとても楽しみな選手。

戸根千明

26試 22回2/3 0勝1敗 8H 防御率1.99
評価:6

独特なフォームから繰り出される力強いストレートとスライダー、チェンジアップで三振に打ち取る好投手。
1イニング、回跨ぎ、ワンポイントなんでもござれの便利屋として使われたが、2度のシーズン中の故障で26試合にとどまった。
WHIP1.50とややランナーを出しがちな為、もっと高みを目指せる選手であり、そこを改善できれば絶対的な存在になり得る。
出場試合数の少なさで評価点は6にとどまったが、フルシーズンでこの成績を残せれば8〜9ほどになると思う。

鍵谷陽平(巨人在籍時のみ)

27試 27回 0勝2敗 6H 防御率3.00
評価:7

日本ハムから藤岡と共に宇佐見、吉川光夫とトレードでやってきた。
140km後半のストレートとスライダー、フォークでコントロールはアバウトながらもなんやかんや抑えて行った。
WHIP1.44、K/BB0.61、K/9が3.67、BB/9が6.00とここだけを見れば1軍クラスとはとても思えない数値だが、何故か抑えてしまう不思議な選手でもある。しかし、リーグ優勝が成し得たのも後半戦安定(?)した投球を見せてくれたおかげなのは間違いない。

スコット・マシソン

28試 22回2/3 2勝2敗 8H 1S 防御率4.37
評価:5

エーリキア症という感染症により今季絶望とまで言われていたが見事な回復力で交流戦頃に復活してくれたチームの功労者。
しかし、無理なリハビリが祟ったのかストレートは150km程度しか出ず明らかに体格が衰えていた。その後肉離れで離脱するも、またすぐに戻ってきて中継ぎBチームの後ろを任された。
WHIP1.63とランナーを出してしまい降板するケースが目立ったため、来季はしっかりと回復して圧倒的な投球を見せて欲しい。

宮國椋丞

28試 29回2/3 0勝2敗 3H 防御率3.94
評価:3

かつてのエース候補だったが、中継ぎでストレートが130km後半〜140km前半と圧倒的出力不足であり、シュート、スライダー、フォーク、カーブと有用な球種は多いにも関わらず輝けない。
近頃は敗戦処理としても使われず、無意味に1軍の枠を食い潰していた。
WHIP等を見るとそこまで悪くは無いのだが、何故ここまで酷くなるのかは不明である。
よく言われるのはメンタルが弱いと言われているが、もっと他にあると思う。

大竹寛

32試 26回 4勝0敗 8H 防御率2.77
評価:8

今季通算100勝を記録したベテラン。
中継ぎに転向した今季はシュートとスライダーのコンビネーションで対右を見事に抑えて復活を遂げた。
先発としては出力不足、スタミナ不足ではあるが、中継ぎとして適当に休ませれば球速もそれなりに出たのも右の強打者たちを抑えることのできた大きな要因の1つか。

澤村拓一

43試 48回1/3 2勝2敗 13H 1S 防御率2.61
評価:8

常時150km以上を計測する伸び上がるようなストレートと、140km後半のスプリットのほぼ2球種のみで対戦相手をことごとく制圧した絶対的セットアッパー。
9/14の対カープ戦でブルペンデーで先発を任されては3回無安打無四死球6奪三振と圧倒した。
また、勝負の8月には月間防御率0.79と安定感も見せ、チームの苦しいブルペンをがっちりと支えてみせた。
来季はスターターとして使ってみるのも面白いかもしれない。

田口麗斗

55試 65回1/3 3勝3敗 14H 1S 防御率4.13
評価:9

パ・リーグの酷使王が平井ならセ・リーグの酷使王は田口と言っても過言ではないくらい色々な場面で起用されるも、2年連続2桁勝利を記録したようにフルシーズンを戦えるスタミナを見せ最後まで戦い抜いた。
スリークォーターのアングルから最速150kmのストレートとキレのあるスライダー、更に今季からスプリットチェンジを使い始めた。
WHIP1.18、K/9が9.09、K/BB3.67はキャリアハイで、防御率以上の獅子奮迅の活躍であった。
ここだけの話だが、2軍での投球回も合わせると100イニングを超えており、オフは侍ジャパンにも選ばれたということで心配ではある。

高木京介

55試 54回 3勝1敗 10H 防御率3.83
評価:8

右の火消しが大竹ならば、左の火消しは高木。失格処分、育成落ちを経て這い上がってきた仕事人。
140km台のストレートにスラット、チェンジアップを武器に数々のピンチを三振でしのいできた。
特に5/29の対タイガース戦で0アウト満塁で登板し、無失点で抑えたシーンは印象深い。
育成落ちで体力が落ちていたため、終盤は失速し思うように球速が出ていなかったが、前半戦〜交流戦にかけて首位を守れたのは高木のおかげであることは間違いない。

中川皓太

67試 64回2/3 4勝3敗 17H 16S 防御率2.37
評価:10

今年のジャイアンツの投手陣のMVPの1人。
昨季途中から腕を下げ、サイド気味にしてから出力が上がり、今季ブレイクを果たした。
140km後半のストレートと曲がりの大きいスライダーを武器にK/9が10.30と高い奪三振能力を発揮し、前半戦はポリバレントクローザーとしてブルペンを支えた。
後半はデラロサの加入澤村の復活もあって主にセットアッパーを任されたが、肘に違和感で抹消までは行かないものの大きく力を落とした。しかし対左では多くの場面で使われたことから首脳陣の信頼はガッチリと掴んだだろう。

戸郷翔征

3試 8回2/3 1勝0敗 防御率2.08
評価:6

2018年ドラフト6位の高卒ルーキー。
最速154kmのストレートに加えスラット・スプリット型の投球スタイルK/9が11.42と圧倒的な奪三振能力を持つ。
WHIP1.04と各球団のエースレベルの成績も叩き出し、優勝決定戦の先発で4回2/3を2失点と試合を作り、阿部慎之助の引退試合でロングリリーフとして4回無失点と強心臓ぶりも見せた。
72kgとプロとして軽めの体重のため、来季は更に体重を増やし、身体をしっかりと作って望みたい。

今村信貴

17試 81回2/3 3勝2敗 防御率4.08
評価:3

腕をムチのように使って投げるフォームから140km台のストレートとシュート、独特のスロースライダー、フォーク、カーブ、スローカーブと多彩な変化球を操り昨季6勝を上げ、左のエース候補として名乗りを上げるも、今季はコントロールのバラつきが目立ち、自らピンチを作って打たれるケースがよく見られた。また、ゲーム中盤以降はかなり球速が落ちている印象があるため、出力不足も否めない。
個人的にはカットボールを習得できればもう1段階上に行けると考えている。

髙橋優貴

18試 93回 5勝7敗 防御率3.19
評価:6

2018年ドラフト1位の大卒ルーキー。
プロ初登板初先発初勝利を上げ一躍有名に。
その後はなんとかローテを守るもコントロールに苦しみ、交流戦ごろに抹消。
その後2弾モーションをやめると140km半ばのストレートにブレーキの効いたスライダー、カーブ、スクリューで1年目にしてK/9が8.61を記録した。
WHIPやK/BBが悪く、度々ピンチを迎えるも規定未到達ながら得点圏被打率が一時は0割台を記録するなどルーキーらしからぬ強心臓を見せた。
来季は無駄な四球を無くし、左のエースとなれるか。

菅野智之

22試 136回1/3 11勝6敗 防御率3.89
評価:4

紹介の必要も無い日本のエース。3年連続の沢村賞獲得を目指した今季は腰の怪我に悩まされ2桁勝利は上げながらも規定未到達となった。
一応紹介しておくと140km後半〜150km台のストレートにツーシーム、ワンシーム、ほどよく曲がるスラット、キレと変化量を両立させたスライダー、フォーク、スプリット、カーブ、スローカーブに精密機械のようなコントロールを持ち、文字通り全ての球種が決め球になり得る日本最高の投手。
腰を怪我しても2桁勝利をするのだから流石と言えるが、シーズン終盤を前にリタイアしてしまった。
求めてるレベルが高いが故に採点は4にとどまったが、来季はまず怪我を直して、再びマウンドでハグするスガコバを見して欲しい。

C.C.メルセデス

22試 120回1/3 8勝8敗 防御率3.18
評価:6

独特のいわゆる「真っスラ」と呼ばれる軌道のストレートで昨季は防御率2.05を記録し、育成出身ながら今季の左のエース候補として開幕を迎えたものの、6回あたりからいきなりコントロールが乱れ、球速も落ちてしまうため交代の判断が非常に難しいと原監督が呆れ気味の述べていた。
グラウンダーピッチャーのため、低めへの制球がキモなのだが、今季は特に対左への制球が安定してるとは言えなかった。
また、昨季はWHIP0.92と中々出塁を許さなかったが、今季はWHIP1.37とかなり悪化していたのも原因の1つと考えられる。
それでも8勝を上げ、防御率も3点台前半でフィニッシュしたため、来季にも期待したい。

山口俊

26試 170回 15勝4敗 防御率2.91
評価:10

力感の無いフォームから140km後半のややシュート気味のストレートに、ほどよく曲がるスラット、落差の大きなフォークと小さめなフォークの2種類を自由自在に操り、最多勝、最高勝率、最多奪三振の三冠に輝いた。
(個人的に)セ・リーグ1とも称されるフォークの扱いは極上物で、小さく曲げてカウントを取ったり、大きく曲げて空振りを取ったりと器用に使い分け、フルカウントでもしっかり落とせるのが三振が多い秘訣だろう。
フォームも8割の力感で150km近いフォーシームを投げ込むため、打者からはかなり厄介だったはずである。
K/9が9.95は流石の一言で、昨季に比べてWHIPも良くなっていた。
1年間大きな離脱なくローテを支え、間違いなくチームのMVPの1人となった。

桜井俊貴

29試 108回1/3 8勝6敗 防御率4.32
評価:8

2015年ドラフト1位がついに開花した。
140km後半のストレートにスラット、大きく縦に割れるパワーカーブ、チェンジアップと、躍動感溢れる投球フォームでプロ初勝利を収めると先発に転向し、交流戦以降のローテを守り続けた。
WHIPが1.39と高めなため、出塁されるのをもう少し防げれば更に高みへ行ける。
また、変化球の精度が日によってかなりバラつきがあり、ストレートも球速が出る日と出ない日がかなりバラつくため、安定感を増して行けるかが今後の課題か。
シュートを習得中とのことなので、左打者へのフロントドアのような使い方ができれば強みになり得るだろう。

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