首位巨人の強さ
シーズンも佳境を迎え優勝争い、Aクラス争いが激しくなってきたが、現在巨人は2位広島と6.5ゲーム差をつけ首位を走っている。
今回は原辰徳監督の元、首位を駆け抜ける巨人の強さについて考察していきたいと思う。
初めての投稿であり、選手紹介にも近く、長くなるであろうがどうかお付き合い願いたい。
FA選手・丸佳浩の加入
巨人の大躍進の影には2つの大きな変化がありますが、まず1つは間違いなく広島からFAでやってきた丸佳浩の影響だろう。
昨季打率.306 39本塁打 97打点 ops1.096と圧倒的な成績に加え、最高出塁率、B9、GG、リーグMVPの看板を引っ提げ、優勝請負人として巨人にやってきた丸はここまで主に3番で打率.304 20本塁打 65打点 ops.901とFA後もまったく成績を落とすこと無く後ろの岡本に繋ぐ役目を果たしてくれている。
また後で詳しく説明するが、2番を打つ坂本勇人の負担も軽くし、結果坂本の打撃成績の向上にも繋がっている。
本塁打王ショート坂本勇人
巨人大躍進の2つ目の理由は我らがキャプテンの坂本勇人にある。
球界最強ショートでお馴染みの坂本勇人。
広い守備範囲、華麗な身のこなし、抜群のルックスに加え、打撃まで良いという全世界の男が羨むスペックを持った坂本に、今年はある変化がある。
それが本塁打数の急増だ。
昨季は打率こそキャリアハイの.345を叩き出したが、本塁打数は18と主に1番を任された割には多いものの2009年にキャリアハイの31本を打ってからは毎年20本に届かないくらいが通常となってしまった(それでも毎年2桁を打つのは凄いが)。
それが今年はここまで打率.304 32本塁打 80打点と打率こそやや落としているものの既にキャリアハイとなるホームラン数を叩き出している。
これには前述の通り3番にいる丸佳浩の貢献が大きい。
2番坂本勇人、3番丸佳浩という日本屈指の凶悪な並びに、昨季までは避けていた坂本に相手バッテリーは勝負に行かざるを得ない為、結果甘い球は増加する。
そんな球を天才である坂本が逃すわけもなく、無慈悲に捉えて行く。
また不調の波も小さく、坂本が不調なら丸が打ち、丸が不調なら坂本が打つと言う他球団からすればとんでもなく厄介な相互関係が成り立っているのも巨人ファンならお分かりだろう。
何よりこの坂本が最近のメジャーのトレンドに乗っかり2番にいるのだ。
層が厚く、強打の選手が多い巨人だからこそシーズンを通して2番に坂本を固定できるのだろうが、はっきり言って理不尽すぎる。
光るベテランの存在
忘れてはいけないのが、37歳にしてキャリアハイを残そうとするイケオジこと亀井善行と41歳の代打の切り札、ここ最近はスタメンも多い阿部慎之助の存在だ。
まずは亀井について触れていこう。
開幕時は6番を任されていたが、吉川尚輝の離脱によって空いた1番に原監督が抜擢し、見事にその穴を埋めてみせたベテランには頭が上がらない。
更に今年は御年37歳にして打率.298となんとキャリアハイを叩き出そうとしているのだ(去年までのキャリアハイは2009年の.290)。
勝負強さも健在で、原監督からの信頼も厚く、ここぞの場面では走ることもできる。
まさにうってつけの1番である。
またある選手は「亀井選手が1番である程度粘ってくれるおかげでその日の相手ピッチャーの調子を見れたり、変化球やストレートの球筋が見れたりする」とも言っており、選手たちからの信頼も厚いのであろう。
そして忘れてはいけないのが阿部慎之助の存在だ。
かつては最強の捕手の名声を欲しいままにした大ベテランも41歳、一応捕手に復帰し、登録は捕手となっている。
結局捕手として出場するのかは分からないが、現在は主に代打、もしくはファーストでの出場が主になっている。
阿部の凄さと言えばやはり衰えぬ長打力と、ここぞでの威圧感ある打席だろう。
今季ここまで打率.306 5本塁打 23打点 ops902に加え得点圏打率.326と勝負強さが光る。
最近は5番ファーストでの出場が増えており、この大事な時期にクリーンナップを任せられる大ベテランの存在は原監督にとっても大きいのだろう。
大成功を収めた捕手併用制
これもまた原采配大当たりと言うべきか、今季から西武からFA移籍してきた炭谷を加え小林、大城の3人でそれぞれの負担を小さくする捕手併用制を始めたが、これが見事に当たった。
まず打撃成績から見ると
炭谷 打率.252 5本塁打 22打点 ops.729
小林 打率.261 2本塁打 14打点 ops.639
大城 打率.261 4本塁打 22打点 ops.693
と捕手3人で11本塁打56打点をマークしている(厳密に言えば大城はファーストでの出場もあるのだが)。
昨季までの正捕手小林、メルセデスのときのみ大城だと小林の負担が大きすぎて、結果毎年の如く規程到達者でも下から数えた方が早い散々な打撃となっていた。
そこで今年は敢えて正捕手を固定せず(出場数で言うのなら小林が正捕手となるが)投手に合わせて捕手を変えるという姿勢を取った。
すると元々打撃に定評があった大城は勿論、FA移籍当初は叩かれに叩かれた炭谷、春だけの男と呼ばれた小林も1軍クラスの最低限程のバッティング成績を収めるようになったのだ。
更に今までリード面で課題があると指摘され続けた小林のリードも、炭谷の加入によってそれなりに改善も見られるようになった。
批判を称賛に変えた男炭谷、遂には骨折したときには惜しまれるほどになるとは移籍当初はまったく思わなかったことだろう。
原監督の助っ人操縦術
原監督は助っ人の操縦術にかなり長けていると見ていいだろう。
高橋由伸監督では扱いきれなかった2017年本塁打王のゲレーロをタツノリ式操縦術で復活させ、戦力として起用するその手腕は見事としか言いようがない。
何より僕は外国人選手にバントをさせる監督は見たことが無いし、そのサインでゲレーロが腐らずきちんとバントを決めて、尚かつ笑顔でインタビューに応じたときには原監督に若干の畏怖さえ覚えた。
大エース山口
次は投手陣について語ろう。
まずはここまで不調に陥っていた菅野に代わり一時期は火の車となっていた先発投手陣を支え続けた山口俊についてだ。
開幕前は山口がここまでやるなんて想像もつかなかったことだろう。
今季ここまで先発として12勝2敗、防御率2.85、145奪三振と文句無しの成績を収め、巨人の投手陣を支えている。
僕個人的にはNPBで1番と言えるほどフォークの扱いが抜群に上手く、カウント球の落差を抑えたモノから、三振を奪う為の落差の大きなモノまで自在に操り、尚かつコントロールも良くできている。
肘の怪我で離脱して戻ってきてからはややそのコントロールが甘くなっている感じがするが、山口クラスになれば放っておけば自分で調整してまたしっかりとやってくれるだろう。
今年はそのフォークに加え、8割の力感で投げるストレートが素晴らしい。打者は山口の軽い力感から放られる球威抜群のストレートにかなり困惑するだろう。更にしっかりとジャイロ回転をかけたスラットも見ていて大変美しい。
勝てる投手というのはこういうピッチングをするピッチャーなのだな。と勝手に感じた。
中川の台頭
開幕当初、巨人の最大の弱点は中継ぎ陣にあると言われていた。
その言葉に間違いは無く、中継ぎによって何度も試合をひっくり返されたのは巨人ファンたちの苦い思い出だろう。
しかしそんな中一筋の光明が見えた。
中川皓太の台頭である。
昨日まで肘の違和感で抹消こそされなかったものの、登板できない日々が続いたが、今日(2019/08/23)復帰登板をし、三者連続三振と素晴らしき投球を見せた。
中川は今季ここまで51試合に登板し4勝2敗、14H、15S、防御率1.59、whip1.02と前半戦は苦しい中継ぎ事情を支え、後半戦はクローザー、セットアッパーを任されるなどフル回転している。
昨季腕をやや下げたことにより球速が上がり、今はサイド気味から放たれる140km中盤のストレートと膨らみが少なく変化量の大きいスライダー、ワンポイントアクセントとなるツーシームを駆使して球界を代表する中継ぎにまでのし上がってきた。
中川の貢献度は間違いなく数字以上に大きいだろう。
中継ぎ陣の整備
最後はなんと行ってもこれに尽きる。
前半戦は4〜5点台だった救援防御率が、8月の月間救援防御率は2点台にまで下がった。
これは間違いなく原監督によって整備された中継ぎ陣が機能している証拠だろう。
ロングリリーフ兼敗戦処理の宮國、火消し回跨ぎ1イニング何でもOKの鍵谷、同じく左の何でも屋田口、右の火消し大竹、左の火消し高木、和製サファテ澤村、セットアッパー中川、正直NPBクラスじゃないクローザーのデラロサ。
ほぼ役者は揃ったと言っていいだろう。
最後に
今回は初めての投稿ということもあり拙い文章だったと思うが、自分なりに原巨人の強さを考察、解説することができたのではと思っている。
次は巨人の優勝への最後のピースや、CS・日本Sの勝ち抜き方、オフの補強についても考察、解説したいと思っている。
その時は是非目を通していただきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?