カバ王国3

カバ王国ではリスナーの手紙を読むコーナーが充実していた。まあ、ラジオ番組はだいたいそのようなものだが。
普通の話題、お題付きの投稿、番組の感想、そしてギャグコーナー。私もギャグコーナーには何度か投稿し、何度か読まれたことがある。そして毎週一番よかった内容を書いた人にはプレゼントとしてトレーナーがもらえるのだ。実は一度もらったことがある。いつしか私も投稿の常連として認められ始めた。

勇や伊もしばしば投稿していた。みんなペンネームは知っていたので、読まれると「あのネタ、あの時話した奴だろ」とか「なんか嘘みたい言われてたけど、あれ本当のことなんだぜ」などとみんなで自慢なのか評論なのか、そんなことをしていた。もちろんたくさんの投稿の中から選ばれて読まれるのだから、その内容がつまらないわけがない。つまらないネタなら読まれないから。

カバ王国でよくはがきが採用される常連は一種のヒーローとなっていた。その中には後にクリエイティブな業界に入って人気が出た人もいる。私たちのように普通のサラリーマンになった人が多いのは当然だが。

カバ王国はいわゆるアニラジなので、だいたいはアニメネタになる。前の週に放映されたアニメの内容のパロディーなんかが受けやすい。
一般リスナーも申し込めばスタジオ見学と称してラジオのスタジオ内に入って出演することができる。主に、ギャグコーナーで合の手を入れる役になる。合の手の入れ方も決まっているが、あまりにも面白いときにはそれを忘れて大爆笑になることもある。聞いてる方もそれに合わせて一緒に合いの手を入れてた人は多かっただろう。
それと、たまにゲストが来た。売れてる声優も来た。一度などものすごい大物声優が来たことがあり、私はその前の週にラジオ見学に行っていたのでかなり悔しい思いをした。だからどうしたということでもあるが。
一度はサンライズの人と一緒になったこともある。こちらは覚えていてもこの方が覚えているとは思わないけど。

(続く)


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