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霊験小話

先日、うちで隠岐諸島にいくための打ち合わせが行われた。そのときに、お土産に焼酎をもらったのだ。これがな、すばらしくおいしかったのだ。「DIYAME」という。それ自体すでに柑橘っぽい華やかな香り(ページにはライチの香りと書いてるけど)がする。その見た目、その材料でこんな花みたいな香りが上品にうっすらと遠くにするのかーい、というものはほんとうにいい。コツコツと集めて、同じ引き出しにいれてあるのは、同種の食べ物飲み物には、台湾の金萱茶、マコモダケ、フランスのちいさい醸造所「ブラッセリー・ビジョンネール」のビールなどです。興味があったらぜひどうぞ。その、上品華やか香りの焼酎に、さらにレモン果汁をいれて、炭酸で割ると、すばらしい飲み物ができあがります。お酒がおいしいのは、お酒それ自体ではなく、雰囲気であると心の芯の部分で思ってきているので、お酒自体には興味がなくてですね。芋焼酎の芋はじゃがいもと考えていたのですが、いまページをみて、さつまいもだということがわかりちょっとびっくりした。そうなんだ‥‥。へー‥‥。あ、ちなみにたぶん、レモンいれなくてもおいしいんだと思う。あんまりわからんけど。焼酎ってアルコールの味が勝っててようわからんのよ。



それで。隠岐諸島はジオパークだけあって風景がすばらしくて、海の透明度が高くて、ご飯にありつくのが難しいことを除けば、リゾートとして最高なのでは? と思った。さらに、神社仏閣に興味があるならばそこも満たされる。そこいらじゅうに神社はあるし、深い森にあるでかい杉はとてつもない神秘をたたえていた。こういうのを「霊験あらたか」というのだよな、と思ったんだけど、「あらたか」なのか「あたらか」なのかがわからなくなった。バラナシだかバナラシだか、オーソドックスだかオードソックスだかがわからないように、前後がひっくり返ってしまうことばがいくつかあって、これはこの先生涯困るだろうなあと思っている。調べないと間違うので調べたら、それは「あらたか」であっていたけれど、類義語に「ー灼然(いやちこ)」と書いてあった。

いやちこ?
いやちこ?
いやちこ!?

灼然が?

ちこなんてはいってる単語、みちこ、まちこなどの名前と私が唯一知っていた焼酎「いいちこ」以外にあるのか! 

聞いたこともないような音の言葉を知るのはいいもで、ひさしぶりにみずみずしいうれしさがあった。このさき「霊験あらたか」のあらたか部分で混乱するならば、「霊験いやちこ」を使いたいところだがこんどは「いやちこ」と「いいちこ」をいい間違えるに違いない。

まあ、そんなわけで、焼酎「DIYAME」を買ってみてください。わたしはまわしものではありませんが。