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ハノイ制服図鑑/Cong Ca Pheは服も壁も軍服色

ハノイ人は制服好きです。朝の通勤から夕方の帰宅まで制服。
集団帰属欲求が強いんでしょう。今の時期、日曜の公園では大学の新入生が大勢集まって、同じTシャツ着て綱引きやら縄跳びにハゲんでいます。
ダンスのオバサン達もど派手なTシャツで、ナムサオナムサオって。5,6,5,6って意味です。因みにサオチンサオチンは6.9,6,9、、
オマワリさん達が道端ソバ屋でソバ食べるのも制服。常に緊急事態に備えてるので、食事中も当然制服です。何か問題あります?
食べ物屋は制服でも競い合っています。オトコはどうでもいいとして、オジョーは銀行OL風あり、ピチピチタイトスカートあり、アオザイ風あり。
都市のブンカを語る上で制服のことは外せないと思い、ヘンタイと思われないギリギリのところまで、気になる制服に迫っていきます。
まずは今や観光名所にもなったココから。
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Cong Ca Pheは戦後の貧しい時代を懐かしむカフェです。2007年に1号店ができて、4,5年前から爆発的に広まりました。
コンセプトが明快でどの店も同じ雰囲気で作られています。当然ながら制服も。
店内も人も壁も深緑。要はゲリラ戦をしていた頃の軍服の色です。
軍服がベースなのでスカート、キャロットの類はありません。膝の下でしぼるニッカポッカ風ズボン。
靴は自由ですがCong Ca Pheブランドの緑の靴を売っていて、以前ニッポンへの土産に買いました。授業参観とかの室内履きにいいかもしれません。
Tシャツとエプロンに国旗の色を使った飾りがついています。こういう色の使い方は実にウマいですね、ベトナム人は。
あとは帽子を後ろ向きにかぶって、戦後焼け跡時代の靴磨き少年スタイルとでも言いましょうか、郷愁をそそられます。

全体に服だけ見ると清潔感とか爽やかさとはかけ離れています。Tシャツなんか変色してる子もいる。
ところが実際、美白、美脚自慢のハノイオジョーが着ると掃き溜めにツル、へどろの中のペットボトルみたいに本人が引き立って見えます。
キラキラしたのもいいけどこういうのもいいですね、って何が??

Cong Ca Pheはハノイ発祥です。戦争に勝った側からしかこういう発想は出てこない。
ホーチミンにもCong Ca Pheはあるけれどハノイほどじゃありません。南はもっと洗練されたものを好みます。
ハノイには食料配給時代を懐かしむレストランもあります。配給キップみたいなの買って、アルミのベコベコの皿で焦げたコメ食べたりとか。ワタシも懐かしい。
路上ソバ屋とか路上カフェとかも昔を懐かしむキモチで残されているんでしょう。椅子が地面から15cmくらいで、食べ終わる頃には腰が痛くなるけど。
ここも喫煙席は道端です。若い男女がヒマワリの種を齧りながらコーヒーを啜って、未来を語り合ったらおウチに帰ります。
因みにCong Ca Pheは最近韓国に出店しました。韓国人も似たようなメンタリティーを持っているということです。勝者の側として。

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