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ホテル絵日記/Hotel Continental Saigon

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前回書いたLa Siesta Hoi Anが先週発表されたTripadvisorの今年のホテルランキングでセカイ12位になり、マジかーっ、って思っていたら、ハノイのよくウィスキーを買いに行った酒屋の近くの小さなホテルがセカイ16位で、有り得ねーっ、って思いました。因みにLa Siesta Hanoiが2位です。
25位までに一番多く入ったのはベトナムの3軒、次いでカンボジア、メキシコ、コスタリカ、モーリシャス、ギリシャが各2軒てな感じ。ニッポンはゼロです。
Trip Adviserの愛好者は欧米系異国趣味な人々で、コストパフォーマンスとべたべたしたサービス重視なのでこういう結果になります。一つの物差しに過ぎません。が、裏ガネは動いていないと思うので客観的なデータではあります。

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ホーチミンのここは国営旅行会社の運営で、サービスという概念とは無縁なのでそういうランキングに入ることは絶対にありません。
ここと、開高健が定宿にしたMajesticと、最近高層棟が増築されたThe Grandの3軒は、建物はいいのにサービスが全然ダメな点で共通しています。3つとも国営Saigon Tourist。
因みにハノイでは沢木耕太郎サマが泊って、バスでホテルに戻るつもりが隣のホアビン省に行ってしまったというHoaBinhがそれに似ています。
Metropoleも国営でしたが今はフランスのアコーの運営で、クラシックホテルとして渋い輝きを放っています。

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ここはテレビ東京の「美の巨人たち」でも取り上げられました。
フランス植民地時代に建てられ、東洋のパリって言い方もなんですが、華やかな一時代を築いたのちに、戦争で荒れ果て、でも破壊的にまでは荒れなかったのを改修して元の立派な姿に戻しました、みたいな話。
建築はその一つ一つに歴史があって、その集積として町の歴史の一部が形作られます。スクラップアンドビルドのニッポンの町ではあり得ないことです。国立競技場とか、返す返すも残念っ!!

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カトリーヌドヌーブ主演の映画Indochineの舞台にもなりました。
フレンチコロニアルの外観と言い、プルメリアの巨木が枝を広げる中庭と言い、雰囲気は悪くありません。
ホーチミンに行ったらドンコイ通りを散歩して、途中でこの中庭でビールを飲んだりすると、ジンセイの長い年月のいろんな苦しみを耐えてきたことが、今のココロの安らぎにつながっていると実感します。

部屋は普通です。バルコニーの手摺くらいでしょうか、目に留まったのは。間口だけは余るほどあります。
カネかけてインテリアを全面改修したら1泊3万、ウマくすれば5万は取れるホテルになるだろうにと思いますが、そのためにはまず運営会社を代えるべきでしょう。

とは言えここに泊まったのは10年前です。ワタシも多少ニンゲンが丸くなって、サービスの悪さもそれほど気にならなくなっているかもしれないし、カレ等のサービスもいくらなんでも少しは良くなっているかもしれません。
町は地下鉄工事が進み、こことPark Hyattとオペラハウスが建つ一体もキレイに整備される日も近い。
いつかきっと、キモチよく泊まれる日が来るでしょう。

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