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傍のソバ・ハノイ編/Bánh cuốn nhân thịtのブンチャー風

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Bánh cuốn/バインクオンはコメの粉に水を加えてドロドロにしたものを、沸騰して蒸気が沸き立つ鍋の上に被せたザルに布をかけたところに薄く引いて、蓋をして、要は蒸して半熟状態に固まった薄皮を作り、それでそのままか、肉や野菜の具を巻いて食べる食べ物です。
ソバではありませんが腹に入れば同じなのでここで取り上げる次第です。
調理状況はたぶんYouTubeで見れます。
店先で薄皮づくり専門のオバサンが、決まって無表情で事務的に作っているのは、ハノイのストリートフードシーンの一つの印象深い光景と言えましょう。

具を入れないで揚げ玉葱を振りかけたモノが本来のBánh cuốnで、ワタシが食べたのは挽肉系の炒め物を巻いたBánh cuốn nhân thịt/バインクオン ニャンティッ。これにも揚げ玉葱が気前よく振り掛けられています。
それをこの店ではブンチャーと同じ、豚バラ肉の焼いたのとハンバーグ状のものが入った甘辛いツユに浸けて食べます。
だいたいの店ではヌックマム系のヌックチャムという、揚げ春巻きを頼むと出てくるタレで食べます。

ま、コメ部分はそれなりの味、食感です。挽肉炒めが入った分、ウマいと思いました。
あとはブンチャーと同じ肉とつけ汁の組み合わせで、ついでにパクチーも山盛り入れれば、味気ないコメの薄皮でも全然問題ありません。

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実はワタシはバインクオンは初めてで、店の前を通りながら、ちょっとアレだけじゃ、と思いこれまで避けてきました。
この店はハノイ中心部の有名店で同じ名前の店が通りに3,4軒並んでいて、いつも賑わっています。
料理の出し方も大きなステンレスのお盆にワンセット載せて、箸や紙や爪楊枝はテーブルの脇に固定されていて、スタイルとして完成されています。
それで店先には無表情の薄皮作りが座って、その脇には持ち帰りもできるサイドメニューの小屋風スタンドまで。

前回のブンダウや、その前のフォーボー同様、地元料理としての洗練を極めた姿を見た気がしました。
毎週末、まだ見ぬ名店を探しながら街をさまよい歩いて早や10数年。それでもまだこうして新しい発見。
ハノイの町の奥深さはタダもんじゃありません。
入ったことのない路地の奥とか、まだたくさんあるし。

ガイジンなんで、限界はあります。

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