見出し画像

ハノイ特殊観光案内/ホン川の豪華クルーズ船Jade of Riverで橋巡り

ハノイは漢字で書くと河内で、文字通りホン川/ Sông Hồng/紅河の川沿いに町が広がっています。河川敷はバナナ畑です。
フランスとの戦争の時は軍艦がハイフォンから延々と川を遡ってきて、町に向けて砲弾を撃ち込みました。その跡が城門の壁に残っています。
今は川沿いの至るところが建設用の砂利採取場になっていて、大きな平たい運搬船がひっきりなしに行ったり来たりしています。

画像1

これまで川遊びと言えるモノは特になかったのが、今月から豪華?クルーズ船が営業を始めました。車以外は乗り物好きなワタシは早速行ってきました。
昼の3時間コースが5,000円くらいで豪華ブッフェ付き。ビールは別料金とは言え1杯100円なので、早い話、飲みまくり大宴会です。

因みにサンセットクルーズは8,000円。そっちはビール込み肉込み、ナマ演奏付きのお値段です。
朝食クルーズも格安1,500円でありますが実際は運行しません。最初朝を予約したらおカネ払った後に、食事は出すけど舟は出ないと言われました。謂わば氷川丸状態。それで追加料金払ってランチにした次第。やや不可解ながらここはハノイ。


それではハノイ初のクルーズ観光、最初から最後まで全部見せます。っていうか飲んでて写真あまり撮ってないのと、まだ始まったばかりで運用に難ありました。


①船着き場はハノイのド中心から徒歩10分

画像2

ホアンキエム湖の真ん中あたりから東に向かって歩いて行った辺りに船着き場があります。かなり寂れた雰囲気ですが係の人が名簿持って待っててくれるのですぐに分かります。
今は使われていない廃屋の脇を通って、矢切の渡し風桟橋を渡って乗船します。ワタシが着いた時はかなりの数のお客が既に乗っていました。子連れの大家族多数。やばー、


②11時出航で戻りは2時の予定

画像3

ビール飲んで早く自分のセカイ作ろう、と思って動き出す前から飲み始めました。案の定、まだ来ない客がいるとかで出発が15分遅れました。
Websiteによれば、船着き場から南に下って陶器の村のBát Tràng/バッチャンまで行って戻って来るはずでしたが、なにやら北に向かって静かに動きはじめました。よくあることです。先の読めないビックリクルーズ。

画像4

食事が始まったのは12時少し前。それまではガキども、いや、お子さま方がプールで大騒ぎしていました。ビキニ着たおかあさんはいませんでした。
食事はまあまあですが写真はありません。ブッフェってジブンで盛り付けるから見栄えしない。この時すでに3杯目。


③最初にくぐるのはCầu Chương Dương/チュォンズオン橋

画像5

やや前後しますが走り始めて15分くらいしてビール2杯目を飲もうかと思ったときにチュォンズオン橋が近付いてきました。正確には船が橋に近付きました。
ハノイの中心部から東のロンビエン区に行くときに渡る橋です。朝夕は車とバイクで大渋滞します。

画像6

ワタシの好きな鉄骨の四角いボックス型トラスです。
ベトナム人がジブン達で作った最初の橋だと、乗客係責任者のMinhさんが胸を張って説明してくれました。
1985年完成。

その直前の1979年には中国がベトナムを一方的に侵略した中越紛争が起こり、結果的には圧倒的に戦力の勝る中国がハノイに迫る勢いで侵攻した時点で突然諦めて引き返し、双方が勝利宣言をするようなことになりました。この先まだわからないけど今のあそこと似てる。
それでベトナムで長く続いた一連の戦争が終わり、やっと平和が訪れて数年後にこの橋の建設に着手しました。


④次はいきなり主役のCầu Long Biên/ロンビエン橋

画像7

すぐにロンビエン橋が見えてきます。ハノイのアイコンです。
植民地として統治していたフランスが1898年に着工して1902年に完成させました。エッフェルがどうのこうのみたいな話が観光ガイドに必ずありますが、どうでもいいことです。

画像8

小さな断面の鉄骨をリベットで貼り合わせて作りました。東京タワーもリベットです。コレも好きな鉄骨。
歩いて渡ると足元に川面が見えて、いわばスケスケなワケですが、下から見ても当然スケスケでした。
対米戦争でアメリカ軍に何度も爆撃され、8割方、原形を留めていません。崩れない程度に補修して、今でも鉄道とバイク用に使っています。

画像9

橋をくぐってしばらくして、列車が橋を渡りました。一日に10本も通らないので超ラッキーです。特に昼間は少ない。ハイフォンからのハノイ行きでしょう。
それでしばらく見ものはないので席に戻って食事を始めました。ここまでですでに1時間です。超スローな船旅ですが興奮しまくりです。


⑤さらに遡ってニッポンのODAで作ったCầu Nhật Tân/ニャッタン橋

画像10

30分くらいゆっくり食べました。眠くなりそう。
そうしたらようやくニャッタン橋が見えてきました。2009年着工、2015年完成です。
この橋と新しい道路の開通により、ハノイ市内から国際空港へ行くのがかなり楽になりました。1時間かかっていたのが35分くらいに。

画像11

派手なつり橋です。夜は7色にライトアップされて、カップルが橋の上でバイクを止めて愛を語り合います。たまに飛び込む人もいます。まさに悲喜こもごも。
下から見ても隙間なくキレイに作られています。今までほとんど見られることがなかったので、やっと陽の目を見た橋の裏側。


⑥引き返して川下り

ニャッタン橋をくぐると船はUターンして一気に下ります。と言ってもそんなに速くはない。ここまでで既に2時間。
それでまた席に戻ったけど特にすることもなくビールの続き。子どもらも疲れて静かにしています。

それですぐにニャッタン橋をもう一度くぐり、またしばらくデッキに出て風に吹かれていました。毛が、、
途中カヤックで川下りしてる若者がいて、ワタシ一人船上から手を振りました。
30分くらいしてロンビエン橋が見えてきて、行きとは違いスルッと潜り抜けました。橋脚がかなり傷んでいるのが見えました。


⑦時間切れで終了

その後すぐにチュォンズオン橋を潜り、その時点でもう2時15分前。たぶんバッチャン行きはないだろうと思った直後、船は静かに舳先を岸側に向け始めました。
桟橋に留まったのがちょうどピッタリ2時、えらい正確。
バッチャンまで行くとしたら4時間コースにするのが妥当でしょう。けど退屈でしょう。その日の船の調子で北に行ったり南に行ったりするならそれはそれでいいけど。


運行ガイシャの手先みたいですが、問い合わせはWebで Jade of River Hanoi と検索してください。予約するとEメールが来てカードで振り込みます。
ハノイ市内の場所を指定するとマイクロバスでPick-upしてくれるはずなんだけど、ワタシの場合はバスがFullで、少しだけ値引きするからジブンで勝手に来てと言われました。
あとは特に問題ありません。台風でも来ない限り揺れることはなく快適です。
ただバッチャンにどうしても行きたいとか、朝靄のホン川で流れに身を任せたいとか、強い目的意識を持った人はやめた方がいいでしょう。

画像12


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?