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ベトナム鍋図鑑/『猛暑の夕暮れ Lẩu Bò Tự Doでぶつ切りオックステール鍋』


ハノイは連日35℃以上の猛暑な上、湿度が高いので所謂体感温度は45℃前後まで上がります。体感温度ってカラダが温度測るのか、って聞かれても困るけど
とはいえピークには程遠く、この先6月には気温40度、体感50度の地獄の暑さが待っています。
 
この程々にクソ暑い中 シゴト絡みで晩メシに行くことになり、3人中2人が喫煙者だったことから屋外の店がよかろうということになりハノイに7,8店舗ある鍋チェーンのここに辿り着きました。夏こそ鍋。ウソっ
取り締まりの皆さんとも仲良しのこの店は本来歩道と呼ばれるべき場所を飲食空間として占有しています。多分、食べてる途中で鍋持って逃げ回ることはないでしょう。
 
メニューは3種類あった鍋の中からワタシのシゴト上のお客が牛の尻尾肉のモノを選びました。
出てきたのはまさに尻尾のぶつ切り。真ん中に骨が通っているのが見え、尻尾にも骨があるんだー、みたいな感慨。
他に薄切り肉の皿と空芯菜、白菜、エノキダケのプラスチックざる盛合せ、〆のインスタントラーメンでワンセット1人前169k.ドン≒1,000円ナリ。絵は3人前です。
 
あまりの暑さに扇風機くらい欲しいと思っていたら街路樹の太い幹にネジで留めて、同じく幹に固定されたコンセントの差込口から電気を取って回してくれました。まるで樹木が発電しているかのような
 
素焼きの鍋に醤油系の薄茶色いスープが注がれ卓上ガスコンロに載せられます。沸騰する前から店のニーさんがダシをとるためか、はたまた長時間煮ないと固くて食べられないためか、たぶん両方だと思うけど尻尾肉を全部鍋に放り込みました。
そのあと野菜と既にボイルされた薄切り牛肉を入れて軽く煮込んでからスダチを絞った塩唐辛子を付けて食べます。
 
尻尾は骨の周りに肉というかプラスチックみたいな塊りというか、硬いんだけど嚙み切れる物体が巻き付いていて尻尾を食べているなって思わせる味と食感です。客観的に言って特にウマいワケではありません。
代わって一番ウマかったのは空芯菜です。仄かな青臭い甘味が鼻先に漂いウサギになった気分で食べまくり追加発注までしました。
 
オックステールで思い出すのは東京近辺にいた頃、牛タン屋のチェーン店ねぎしで牛タン焼きセットを頼むと麦飯、とろろ芋と一緒にテールスープと称するこの鍋のと同じ材料とは思えない深い味わいの一品が出てきたことです。
そういう意味で尻尾はやっぱり出汁用で食べずに残してもよかったと後で考えたけど、ベトナム人がガンガン食べていたので釣られて食べたのでした。
 
ねぎしの牛タンセット久し振りに食べたーい、と思ってWebsiteを見たらベトナムはおろか外国には1軒も出てなくて、国内も東京周辺にしかないようで、当分食べられないことがわかりました。ひひーーん
ムスコが中学の頃、そこに一緒に行くとヤツは必ず肉を1枚最後に残し、とろろ麦飯を全部掻っ込んだ後に悠然とそれをウマそうに食べていた、そんなことも思い出しました。

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