ホテル絵日記/Le Clos du Fil Boutique Hotel & Spa
前回書いた鉄道旅行先のNinh Binhではこの渋いホテルに泊まりました。
外観は地味ですが名前がおフランス語だからか惹かれるモノがありました。Google翻訳ではthe end of the wireと出ます。ワイヤーの端? なんのこっちゃ。
受付のおネーさんに聞いたら、ホテルのオーナーが刺繍の商売をしていて裁縫言葉のようです。血で赤く染まった糸がナンタラカンタラと説明してくれました。ホラーか??
インテリアが特に強い主張もないのにいい雰囲気なのが気になっていました。ワタシもそういうのを作りたいと常日頃思っているからです。
雑誌を賑わすいかにもウケ狙いの気張ったデザインは見ていて疲れます。すぐに飽きられるだろうと思って。消費されるデザイン、つまりは時間の経過に耐えられないワケです。
大衆はそういうモノを欲しているでしょう。わざわざ出かけて行ってジドリとかして。10年後に見たらハマトラファッションみたいに見えるワケですよ。何よコレ、って。
ここではニッポンの数寄屋的な素材の使い方で、床は黒い石とタイルと絵模様タイルの貼り分け。壁は黒い石と木とペンキ。天井は木の枠に竹を編んだモノです。
装飾的な要素は皆無で石の汚れ具合が素朴な味を醸し出しています。人工素材は汚れたり傷が付くと単にキタなく見えるだけですが、自然素材は汚れが味になります。
床の黒と絵模様の組み合わせがキレイだったのでノートに写しました。家具も無垢の木材です。
洗面のカウンターとバスタブが人造石のテラゾーでした。バスタブの淵とカウンターの取り合いが面白くまじまじと見ました。壁に古い配管の跡があったのでたぶん作ってから気に入らなくてやり直したんでしょう。そういう修理の跡を見せるのもまさに数寄屋。床の間の柱を2cm動かしました、みたいな。
入口と浴室の扉が1.1m幅の両開きです。フランス系のホテルでよくあるタイプです。ワタシのカイシャのスタッフも黙っているとこういうドアを図面に書きますがハッキリ言って不便なので直してもらいます。
半分だけ開けて出入りすると必ず肩をぶつけるし、両方開けるのも両手を使わないといけないので面倒臭い。扉を開けた時の回転半径が小さいというのが利点のようです。まさにブンカの違い。
特徴というかホテル側の主張のようなモノですが部屋にテレビがありません。リゾートでテレビなんか見ないでよって意味です。廊下に古いブラウン管テレビがオブジェ的に置いてありました。ワタシもホテルでテレビは見ませんが、そこまでしなくてもって苦笑せざるを得ませんでした。
バルコニーが広く夕方には奇岩の風景がシルエットで浮かび上がりキレイでした。近くのレストランで名物のヤギ肉レモングラス炒めでもTake awayして来ればよかったと思いつつ、缶ビールを飲みました。
ショップで刺繍の実演と販売をしていました。ワタシはガラにもなく布系が好きなので、素朴な麻の布に白い糸で刺繍したテーブルクロスを買いました。いったいどこで使うんだろ
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