少年詩「ぼくんち」

©️白川美古都

ぼくんち金持ち　からっぽんち
昨日　ごうくんがうちにきた
おやつのプリンと
こうかんじょうけん
塾にちこくすると　おこられる
時刻ばかり　きにしていたから
ぼくは　針をうごかした
もう一時間　あそべるね
でもね　もう
ごうくんは　うちにこないって

ぼくんち金持ち　からっぽんち
昨日　よっちゃんがうちにきた
おやつのシュークリームと
こうかんじょうけん
すぐに帰るというランドセルを
ぼくは　こっそりかくした
よっちゃんはさがす
おしいれ　トイレ　風呂場
見つからない　ランドセル
なみだ目のよっちゃん
ぼくの目玉も　あつくなる
さがし物は　洗濯機のなか
たぶん　もう
よっちゃんも　うちにこなくなる

ぼくんち金持ち　からっぽんち
だれもいない　はずなのに
ふれるまえに　ドアがあく
お仕事やすんだ　母さんの
こまったお顔
あきれたお顔
おしかりの電話があったのよと
ごうくんと
よっちゃんのおうちから

ぼくはこれから　おこられる
だけど　今日
ぼくんちには　母さんがいる

#少年詩 #散文 　？ #言霊さん #言霊屋

〜創作日記〜
これ、少年詩を書いていたら
お話みたいになってしまって
お蔵入りしたやつですねぇ（笑

結局、言いたいことは
最後の三行だけなのに（笑　

難しいですね

イラスト：nia_chin様