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童話【秋の風にのって】(幼年向け)
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今日はえんそくだ。
学校から歩いて公園にきた。
アイは、とうめいなビニールぶくろをにぎりしめている。
えんそくには、宿題がある。
「秋をいっぱい、あつめてきてね」
先生は言った。
「秋って、なぁに?」
クラスの男の子が聞いた。
「みんなで考えて。ただし、木の枝を折ったり、花をちぎっては、ダメですよ」
アイは、友だちのユナを見た。
ユナは、木の下のおち葉や、どんぐりをひろっている。
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アイも、まねすることにした。
赤い葉っぱ、黄色の葉っぱ、とがったどんぐり、まるいどんぐり。
「アイちゃん、マネしたらダメ!」
「えーっ、そんなぁ」
まわりのみんなも、色付いたおち葉をひろっているのに。
アイはこまった。
ユナからはなれて、秋をさがす。
丘の上の木のうしろをのぞくと、
「まつぼっくりだ!」
まつぼっくりを見つけた。
みんなが、アイをかこむ。
「すごく大きいね」
ユナもちかづいてきた。
「アイちゃんだけずるい!」
先生もやってきた。
「あら、すてき!」
アイはうれしくなった。
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まつぼっくりのカサのすきまから、うすい紙のようなものが出ている。
「これ、なんだろう?」
とつぜん、風が吹いた。
ヒューッ!
うすい紙が空高くまいあがる。
「あれは、まつぼっくりの種よ。ひらひらしているのは、種についた羽。遠くに飛んでいくために羽がついているの」
先生が教えてくれる。
「すごい! まだあるよ!」
アイは、そっと、カサのすきまから、まつぼっくりの羽をひっぱった。
細長い羽のさきが、丸くふくらんで種になっている。
また、秋の風が吹く。
手をはなすと、まつぼっくりの種は、旅立った。
〜創作日記〜
私が子どもの頃の遠足は、いつも近所の公園でした。
その公園が家の近くだったので、
なんか遠足という感じはなかったですね。
今の子はどこに遠足に行くんでしょうね。
新人さんからベテランさんまで年齢問わず、また、イラストから写真、動画、ジャンルを問わずいろいろと「コラボ」して作品を創ってみたいです。私は主に「言葉」でしか対価を頂いたことしかありませんが、私のスキルとあなたのスキルをかけ合わせて生まれた作品が、誰かの生きる力になりますように。