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©️白川美古都

昔の傷を潮水で漱ぐような
上辺で笑う君の声に
助手席のボクは俯くことしかできなくて...
声は車内で行き場を失う

今の傷を抉るように
投げやりに笑う君の横顔を
助手席のボクは眺めるのがつらくて
窓の外に視線を逃がす

何もかもが中途半端な季節
プラタナスはまだ緑なのに
気の早いイチョウは
銀杏なんてぶら下げている

何もかもが中途半端な季節
秋ですね とは言えないし
恋ですね とも言えないし
この気持ちぶら下げている

少しずつ時間を持ち寄って
遠くには行けずに
近くを廻る ぐるぐる廻る
狭い空間にひとり ふたり

行き先はないけど
迷子になっている訳じゃない
途方にくれているけど
迷子になっている訳じゃない

ただ、今は、何もかもが中途半端で
夏と秋の隙間に
心が堕ちていきそうなのを
必死で止めている

#詩 #恋の詩 #言霊さん #言霊屋

〜創作日記〜
投稿する季節とはかなり違いますが、書いたのはこの文章にある季節ですね。私は植物が好きなので必死に勉強して暗記しています。そして、おおいに間違えて使用します。すると覚えられます(笑

イラスト:nananakamura様

新人さんからベテランさんまで年齢問わず、また、イラストから写真、動画、ジャンルを問わずいろいろと「コラボ」して作品を創ってみたいです。私は主に「言葉」でしか対価を頂いたことしかありませんが、私のスキルとあなたのスキルをかけ合わせて生まれた作品が、誰かの生きる力になりますように。