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ロレンツォオタクが聴き解く「アンジェリークルミナライズ 2nd step」ドラマCDについての感想 その③完結編

まえがき

アンミナ2の情報まだかな~~~~~!!!
「アンジェリークルミナライズ 2nd step」ドラマCDをロレンツォオタクが聴き解く感想文、完結編を同人誌に掲載していたのですがもう頒布からの期間も経ったし残り冊数も少ないので、noteに全文を掲載させていただきます。(載せようと思ったままずっと忘れてた)
ドラマCD1枚に対して3つも記事立てちゃった。
その①その②の続きとなります。クラヴィス様+ノアくん様、ルヴァ様+ロレンツォに続いて、リュミエール様とカナタ君ペアの散策からスタートです!

5, 水の守護聖たち

 カナタ君とリュミエール様のチーム! ノアくん様とクラヴィス様を「おじいちゃんと孫」と言いましたが、こちらは「お育ちの良い華族出身のおばあさまと大事にされてきた孫」みたいな距離間で大変麗しいです。
 リュミエール様に、執務室などのデザインをしてもらっていたというカナタ君。本来であれば守護聖自身の好みを反映するべきところですが、カナタ君の招致があまりに急だったため、兄宇宙の先輩であるリュミエールさまが代わりにやってくれたそうです。カナタ君、来たくもなかった飛空都市で、自分が閉じ込められることになった部屋について、ちゃんと御礼を言えるの偉いね……。「それより足りないものはありませんでしたか?」というリュミエール様、やっぱりおばあちゃまの距離感なんだよな。そのうちお米とかパッチワークとかゲームのときに冷やさないようにって手作りの毛糸の腹巻きとか送ってくれそう。
 冒頭で、先輩守護聖がリュミエール様であったことはカナタ君にとっては幸運だ。という話をしましたが、リュミエール様にとってもカナタ君のような素直で前向きできちんと御礼が言える子が後輩守護聖であることは嬉しいんじゃないかな~! リュミエール様、ロレンツォが後輩だったら、ストレスで蕁麻疹とかできちゃったりしたかもしれません。予想ですけど。
 リュミエール様は、カナタ君の急な招致による「背負った苦しみ」に対して心を寄せます。それに対してカナタ君は守護聖にならなければならなかった運命について「リュミエール様は理不尽だと思わなかったのか?」という疑問をぶつけます。リュミエール様の聖地への招致も、カナタ君と同じ年代だったとのこと。けどリュミエール様には守護聖の存在を知る知識と、心を決めるまでの十分な時間があった。しかし「手放したもの」も、「諦めたこと」もあったと語るリュミエール様。お母様からの教えである「人の幸せを考えて生きなさい」という教えを支えにしてきたと語ります。

カ:「今の俺には、そんなこと……」

 うぅううう~、カナタ君のこの呆然とした声……。突然描いてきた未来も、家族も、友達も、全て奪われたカナタ君。

リュ:「人は誰でも、誰かの役に立ちたいという願いを抱いています。いつかきっと、愛する人達への思いが、あなたを支えてくれる日が来るでしょう」

 そう諭すリュミエール様。今はかえって心を苛む愛しい人たちの記憶が、いつか支えになるんだと、まだ信じられないカナタ君に対して「きっとそうなる」のだと励まします。
 守護聖の運命は厳しいけれど、守護聖になることで得られる幸せがあることもまた確かである。そう笑うリュミエール様に、カナタ君はまだ呆然とするばかり。そんなカナタ君に、リュミエール様は周りを頼りなさいと言います。それをずっと伝えたかったと笑うリュミエール様。お、おばあちゃま……!!(おばあちゃまじゃない)
 この後のSNSのやり取り可愛すぎる。

リュ:「えす、え……なんですって?」

完全に良き時代を生きた老婦人の言い回しなんだよな。しかし、平成を生きてきた私は「メール……は通じんのかな……」と続くカナタくんの言葉に、今の若い子の連絡はSNSが主流ですでにメールですらもおじさんおばさんと連絡するために仕方なく使ってる手段なんだ! ということにショックを受けました。2003年生まれ!!未年!!!キャー!!え、ってことは12歳離れたロレンツォももしかして未年!?
 さて、この美しくも尊い水の守護聖たちのやりとりなんですが、ちょっとここでロレンツォ挟んでいいですか? このカナタ君に展開しているリュミエール様の論理、ロレンツォにはまっったく通じないんですよ、 自ら望んで、守護聖になったロレンツォ。自分のために守護聖という職務を務めているロレンツォ。過去に捨て去ったものには全く興味がないと笑うロレンツォ。こうやってみると、令梟の最年長と最年少、あまりに対極が過ぎる。ロレンツォがカナタ君に寄り添えることは、一生ない気がしています。カナタくんは多様性と受容もありそうなので、傷を克服すればロレンツォの生き方は認めることができる子だとは思いますが……。そう考えると、カナタ君の苦難や運命にまったく言及がなかったロレンツォ、たぶん自分と一番遠くて理解が及ばないからこそ、安易に近づいていないのかもしれません。

6,街に満ちる瘴気

 ペア行動終了。それぞれ集合場所へ戻ってきます。具合が悪くなったというクラヴィス様とノアが一番先に待っていて、すぐにリュミエール様とカナタ君が戻ってきました。濃くなる霧を心配する神鳥守護聖。そこに、ルヴァ様とロレンツォが呑気に戻ってきます。ロレンツォが最後なのはデフォルトです。何故ならロレンツォは歩く一択なので……
 ここで、それぞれが出会ったミスティックカナルで起こっている不思議な現象について話し合います。霧の遊びは、誰かによるたちの悪いいたずらかも知れないということ。「もし対話を続けたらどうなるんですか?」と心配するカナタ君。

ロ:「さぁ……死ぬこともあるかもしれない」

 よくわからんのに話を大きくして最年少の不安を煽るんじゃありません! あなたフロステ2でも不穏なこと言って人を心配させてましたよ! そんなんだから守護聖の人狼ゲームで初夜に吊られるんだから!!(守護聖が人狼をやった事実はありません)

ノ:「人魚……」「人魚だよ、人の生気を吸う水辺の生き物。昔、童話で読んだことある」

 ノアくんが、ミスティックカナルで起こっている怪奇を引き起こしているのは人魚ではないかと予想します。「これほど幻想的な街なら、何が起きても不思議ではないですね」と笑うルヴァ様。さすが神鳥の守護聖、潜ってきた修羅場の数がちげえや! 放っておくと大変なことになるかも知れない、皆で歌声が聞こえた橋に急いで戻ることにしました。

07,誘いの歌

 バタバタバタ、と走る音がして、ノアくんとカナタ君が霧の中を進みます。先に走っているのはこの二人。ロレンツォはまだ小走りぐらいだと推察されます。(ロレンツォの移動速度に異様に執着するロレンツォの女)
 そこで、急に立ち込める深い霧。ノアくんがあっという間に呑まれてしまい、姿が見えなくなります。そこで、カナタ君の、手を、取る、ロレンツォ!! ここでね~!カナタ君の手を取るときの「パシン!」と言う音がいいんですよ。みなさん、推しの手を握る時の音を聴いたことありますか? 私はあります!!(突然のマウント)
 強く手を握ったロレンツォ、カナタ君を必死に引っ張りますが、カナタ君も霧に呑み込まれてしまいます。「カナタ!!」という逼迫した叫び声。ロレンツォって叫ぶんですよ!? 慌てるんですよ!? みなさん推しの慌てた叫び声を聴いたこt……(割愛)
 人魚の歌が響く霧の中にノアくんとカナタ君が閉じ込められてしまいます。過去の声が二人を苛みます。この時のカナタ君、過去の自分の声に対する「あ……俺……俺は……」の声の呆然自失した感じ、何度聴いても心がズキンとする。ノアくんの過去ももちろん壮絶なんですが、カナタ君の傷は本当につい最近のことで、まだ血が滲んで瘡蓋にもなっていない生々しい痛々しさがある……。そこに、声が響きます。

ロ:「ノア! カナタ! 過去の声など幻、人魚の術を解け!!」

 かかかかかかかっこよ~~~~~~~~~~!! この呼びかけの声、普段のふわっと掴めない感じじゃなくて、それこそ目上の年長者感のある呼び捨てって感じがして良い。そして内容も、「大丈夫か」とか「気をしっかり」とか言わないんです。ロレンツォは気休めを言わない。ここで心配するモーションを取れる男なら、もっと手前でカナタ君に寄り添ったり、ノアくんにあそこまで毛嫌いされたりしないですよ。でもその代わり、同じ守護聖としてノアくんのこともカナタ君のことも対等に考えている。この二人なら人魚の術を解ける、そう信じているし、そう期待しているんです。ロレンツォの呼びかけで気を強く持ち直す二人。

カ:「ずっと悲しんでるだけなんて、嫌だ。俺は、前に進みたい」
ノ:「……っ! うん、僕も」


 ここさ、すごくない?? こんな発売前のCDで描かれているのびっくりじゃない? ノアくんとカナタ君。この二人の過去の傷跡は大きく、生々しい。ゲーム本編では、二人の時間はまさにその傷によって停滞したままで、じっと蹲っている所がスタートなんです。それが、神鳥の守護聖様とのふれあい、そして女王試験によって、過去の幻を振り切れるほどの強さを得ている。そして「前に進みたい」と思えていることが、この二人にとってどれほど大きな一歩か。この後の名乗りさ~! 本当に最高なんですよね。

カ:「聞け! 人魚!」
ノ:「我々は守護聖!」
ノア&カナタ:「このようなまやかしに屈する存在ではない!!」


 書いているだけで涙ぐんだ。ニチアサ通ってきたので名乗りにべらぼうに弱い。FATEドラマCDのシュリの名乗りも強くて格好良くて良かったけど、この二人の声を合わせた合体名乗りが本当に好き。ロレンツォも名乗ってよ~~!! 名乗りチャンスのドラマCDに二回も出ているのになんでロレンツォは名乗らないの~~!! 守護聖グリーンの名乗り聞かせてよ~~!!
人魚の叫び声が響き、晴れる霧。そこに、遠くから音が聞こえてきます。

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ!ザッ!!
ロ:「ッン!ハァ! ノア!(ハァッ)カナタ!(ハァ)」

 みなさん、聴きました?

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタ!ザッ!!
ロ:「ッン!ハァ! ノア!(ハァッ)カナタ!(ハァ)」

 大事なので、もう一度書きました。10歩走って、1歩で滑り込み、1回息を飲んで、荒い息のままノアくんとカナタ君を呼びます。
 いいですか、ロレンツォは走りません。集合場所には後から来るし、小走りもしないし、ジム以外では基本的に「歩く」一択です。(出典:伊藤P) そのロレンツォがね! 走るんですよ! 目上の人に夢中だし、目下の子にはあまり興味ないし、具合の悪い民はスルーだけど、仲間の危機に駆けつける足を持っているんです。
 霧が水辺に逃げて、人魚はいなくなります。

ノ:「ロレンツォが助けてくれるなんて、意外」
ロ:「っ! ……なぜ? お子様守護聖二人を放り出したりしないと、言っただろ」
ノ:「フフ……そうだったっけ?」


 え~~~かわい~~~。守護聖先輩のノアくんと、年長者のロレンツォ。どっちが上で、どっちが下とかなくて、仲が良いわけでもないんだけど、同じ運命を受けた同士としての信頼感みたいなのを感じる良い掛け合いですよね。
 神鳥の守護聖様たちもやってきて、無事であることを確認。クラヴィス様に霧は一周回っただけで逃げていった、という話に格の違いを感じて慄くカナタ君に「フフ……」と笑うリュミエール様が可愛い。そういえばリュミエール様もクラヴィス様強火担でしたね……。

08,いつか、きっと

ロ:「本当にお送りしないでいいんですか?」

 と、最後の最後までルヴァ様に追いすがるロレンツォの声からトラックは始まります。なんだかんだでロレンツォ、最後の最後までルヴァ様にべったりだな……。女王候補が送るのを断ったとしても、ここまで追い縋ったりしないないでしょ……ルヴァ様から、別れ際に声を掛けられるロレンツォ。

ル:「貴方がノアやカナタを守ろうとした心、それもまた貴方の一部だと思います。これからの令梟の姿を楽しみにしていますよ」

 ルヴァ様のロレンツォ認める力、ツヨツヨ過ぎるわね。民に面倒くさそうにするロレンツォも否定しないし、興味を惹かれないとやる気にならないロレンツォも受け入れて、その上で、ノアくんとカナタ君に駆け寄るロレンツォもまた、ロレンツォの一部であると受容してくれる。

ロ:「っ……ン、フフ、精進します」

 対するロレンツォも、改善だったり変化するのではない、「精進」するのだと笑います。クラヴィス様やリュミエール様ともお別れの挨拶をして、ミスティックカナルをもう一度見て回ろうとする三人。ここで大きくカナタ君のお腹が鳴って、ノアくんが笑って、カナタ君がラーメン食べたい!って言って、ノアくんが「なにそれ?」って首を傾げて、ロレンツォが探してみようって笑うんです。最初の登場時には、「似合わない仕事をしているロレンツォとちょっと嫌な気持ちを我慢しながら着いていっている二人」だったのが、それぞれ年相応に、信頼感を持った関係に少しだけですけど変化しているんです。
 三人でラーメン食べるシチュ、最高に良い。カナタ君きっと大盛りだし、ノアくんぜったい猫舌だし、ロレンツォってラーメン食べる時髪を耳にかけて欲しいんですけどこれもスチルどうにか手に入る方法がないですかね???????
 ちょっとよそよそしい三人組。きっと守護聖というものにならなかったら決して交わらなかった生まれ、人生、立場、性格。方や無理やり守護聖として拉致され、方や守護聖の力が元で悲しい過去を持ち、方や興味と関心だけで守護聖という役目を引き受けた、似ても似つかない三人が、守護聖と役割に置いて信頼をしているからこそ、こうやって事件を解決できたわけです。

・360度評価

 ボーナス・トラック! 守護聖360度評価。「この度、女王候補たちへお渡しするデータとして、守護聖様方の360度評価システムを導入する運びとなりました。お手数ですが、同僚として各守護聖様の評価をいただきたく…」という王立研究院の依頼から始まる、フリートークです。いや~、ノアくんとカナタくんから他の守護聖の評価を聞くロレンツォがルンルンに楽しそうで、それが可愛いんですよ~!
 そして、カナタ君の人物評価がものすごく的確なんですよね。ヴァージルを「少し怖い。切り捨てられそう」というカナタに対してロレンツォが「よく見てるなぁ(ボソ)」と言うのたまらないよね。
 あと意外とノアくん、他人に興味ないんだな~というのが新鮮。その人が外部にもたらす事象「うるさい」「無責任」「掃除好き」とかぐらいしか感想持ってないんだ、という。クラヴィス様も言ってたけど、他人に関心を持たないようにしているってことなんだろうな、とも思います。
 あと口が悪いって言われるフェリクスの評価に対してロレンツォが「まあ年齢と共に、彼ももう少し丸くなっていくかもしれないけどね」って言うんですけど、これシュリが聞いていたら「お前が言うな!!」って怒りそうだな、って思いました。

 はい! ということで「アンジェリークルミナライズ 2nd step」ドラマCDの感想をこちらにて終了いたします。意外なのですが、この3つのCDの中で一番親密度が低そうな三人のミスティックカナル組ですが、ドラマが終わった後の関係性は一番深まっているように感じます。360度評価も、他の組は終わったらさっさと解散しているんですが、この三人はお茶してから帰ったりしているんです。似ていないからこそ、触れ合った後に変化が訪れるのかもしれませんし、意外と良いトリオになったりするのかもしれません。

 ロレンツォがルヴァ様に懐くのさいこ~~~だよね、って書きたかっただけなのに、結局2万字弱になっちゃった……。アンジェリークルミナライズ、噛み締めて2年目なんですけど何年たっても新たな味がするのすごくないですか?
 次はFATEの感想文も書きたいな~と思っています。はよ次のドラマCDも出てくれ!


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