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【シティ優勝】アルセウスジュラルドン(アローラロコン入り)デッキ解説 その4【全文無料】

【0. はじめに】

しらいしと申します。2020.8頃からポケカをプレイしており「チーム千里眼」というチームに所属してWCS出場を目標に頑張っています。他にもシティリーグの入賞数をまとめてnoteに投稿しています。詳細は私の記事一覧をご確認ください。

今回は先日参加させていただいたシティリーグで優勝することができたアルセウスジュラルドンのデッキ解説記事を書かせていただきます。前回の解説記事は↓こちら↓(4つ目の記事を書くなんて微塵も思ってなかったです。このデッキ好きですけど、流石に…。)

全文無料ですので最後まで読んでいただけると嬉しいですし、少しでも皆様の参考になれば幸いです。
ただし、先にお伝えしておきますが、今回の構築はまだ甘い部分があり、少なくともCL等の大型大会で勝ち進むことは難しいと考えています(私一人で考えたレシピではありませんが…)。その点はご承知おきください。

・レギュレーションはs5I/s5I-sv2P/sv2Dです。
・カード名は「」、デッキタイプは<>で記載しています。
・前段が結構長いのでデッキ構築を早く見たい!という方は「4.デッキレシピと採用&不採用理由」からお読みください。


【1. 成績】

シティリーグS4 2023/5/2(火)25人
予選 4-0 1位
ミライドン 先6-2
アルセウスブラッキー 先6-5
サーナイト 先6-0
アルセウスギラティナ 後6-0

本戦 3-0 全勝優勝!
アルセウスギラティナ 後6-5
サーナイト 先6-2?
ロストギラティナ 先6-4

エネが手につかなかったり、ポケモンに触れなかったりしましたが、何とか最善の択をとりつつ、お相手の事故にも助けられ…という対戦が多かったです。あとトップがやたら強かったですね。じゃんけんもかなり勝てました。正直、いろいろと運は良かったと思いますが、その運を手繰り寄せるプレイングはそこそこ頑張れたのかなとも思います。なんだかんだ3戦くらい初動事故ってましたが踏ん張れましたし。
とはいえ、本戦の対戦相手には世界大会に何回も出場されている方やCSPが世界大会優先権のラインに(多分)乗っている方もいて、平日かつ小規模の大会中では異常にレベルが高かったのは間違いないです。そんな中で勝てたのは流石に嬉しかったですね。


【2. 環境分析】

私は普段からシティリーグの入賞数を調べてまとめているので、それを参考に環境を調べました。直近の入賞数をまとめたものは以下の通りです。

※ARCはアルセウス系統のデッキを指します。
自分で取ったデータなので雑に使いやすくて助かる。

<サーナイト>、<ルギア>、<パオジアン>、<ロストギラティナ>、<アルセウスギラティナ>が上位5デッキとして存在しており、全体の約60%を占めています。それぞれが10~15%の割合で、どれかのデッキが突出しているわけではありません。これらの他にも<ミュウ>、<ロストカイオーガ>、<ミライドン>など毎週7%前後ずつ存在しているデッキがあり、その他は有象無象と考えていました。

ちなみに、一般的な<アルセウスジュラルドン>は環境での立ち位置があまり良くありません。<アルセウスジュラルドン>は耐久力、ベンチのポケモンを呼び出す戦術、6枚以上分のサイドを取らせる(2-3-3 or 2-2-3)サイドプランの押し付けなどが強みで、基本的に4~6回の技宣言で勝ちを目指すデッキタイプです。しかし、今の環境は<アルセウスジュラルドン>の耐久力を強引に突破して3~5回の技宣言で勝てるデッキタイプが多いため、環境での立ち位置は良くないと考えています。


【3. デッキ選択の経緯】

■どこまでのデッキを対策する?
特定のデッキに分布が偏っていない今の環境はどこまでのデッキに対して勝てるように考えるかの割り切りが重要
だと思いますが、非常に難しいです。あちらのデッキに勝とうとするとこちらのデッキに勝てなくなる…そんなイメージを今のポケモンカードというカードゲームに対して感じています。ですので、私個人的には全部のデッキに対応できるデッキはいま存在しないと思っています(だからこそシェアが分散しているのでは)。

特に厄介なのが入賞数トップの<サーナイト>です。このデッキに対して明確に有利なデッキ無いのでは…?と思っています(じゃあサーナイト握れよというのはまた別の話)。とはいえ、入賞数トップの対策を切ることは考えられないため、対策必須です。残り4デッキですが、<ルギア>と他3つのデッキとの間の入賞数にやや差がありました(<ルギア>が15%前後、他3つは10%強)。以上より、特に対戦するであろう<サーナイト>と<ルギア>の対策を優先するべきと考えました。

■<サーナイト>と<ルギア>を対策するには?
結論から申し上げますと「頂への雪道」が対策札として最も適切でした。理由は、<サーナイト>や<ルギア>への刺さりがよいだけでなく、他のほぼすべての対面でも有効に使える汎用性の高さです。現在、「頂への雪道」が刺さらないデッキタイプは多分無いのではないでしょうか。

<サーナイト>の対策として「クチート(あまいわな)」がよく挙げられますが、<サーナイト>以外で使う機会は殆どありません。このような特定の対面のみに特化した対策札を入れることは、他の対面で59枚のデッキで対戦していることとほぼ同義であるうえ、ノイズとなって安定性を下げるという観点でも極力避けるべき事象であると考えています。以上より、「頂への雪道」を強く使えるデッキは選択肢になると考えました。

■「頂への雪道」を強く使いつつ、<サーナイト>と<ルギア>に勝つには?
「頂への雪道」を強く使える条件を以下のように考えましたが、これに合致しつつデッキパワーが高いデッキタイプは恐らく<アルセウス>のみです。

・多投できる(極力4枚採用したい)。
・好きなタイミングでプレイできる/しやすい。
・「頂への雪道」の効果がデメリットにならない/なりにくい。

では、「頂への雪道」を4枚採用した<アルセウス>で<サーナイト>と<ルギア>に勝てるかと言われるとそうではありません。細かい展開の説明は省きますが「頂への雪道」をトラッシュされると、馬鹿みたいなデッキパワーに押し負けてしまいます。つまり、「頂への雪道」はあくまでも細くないプランの一つであり、その他の対策が必要であると考えました。

まず、<アルセウス>はカスタマイズ性の高いデッキタイプなので、相方となるポケモンVを検討します。相方が対策札になれば、構築のノイズを最小限に抑えながら勝率を上げることができると考えました。直近のシティリーグ等の結果も踏まえながら、候補になりそうなポケモンVを列挙します。

★「ギラティナVSTAR」
→高い火力が魅力だが、「サーナイトex」のHPラインには届かない。火力を増強させるどうぐや「ボスの指令」と組み合わせたり、サイコエンブレイスによる自傷ダメージ込みでワンパンも可能だが、こちらの要求も高い。「ルギアVSTAR」も「Vガードエネルギー」がついていることが前提と考えるべきであるため、こちらがワンパンする要求が高い。
★「そらをとぶピカチュウVMAX」
→「ルギアVSTAR」を弱点込みでワンパンできるうえ、あらゆるたねポケモン主体のデッキに対して圧をかけられる(詰み盤面も形成可能)。しかし、最近<ルギア>に「レントラー(みなぎるせんこう)」が採用され始めているため、カウンターをもらう可能性が高い。
★「ヒスイヌメルゴンVSTAR」
→耐久力が非常に高いが、<サーナイト>はその耐久力を突破し得る。さらに、「リバーサルエネルギー」の登場によって突破がさらに容易になっている。
★「カプ・コケコVMAX」
→「サーナイトex」を麻痺込みで確実にきぜつさせることが可能。しかし、「サーナイトex」以外のポケモンに対しては180ダメージを出せるサイド3枚分のポケモンでしかなく、「サーナイトex」をきぜつさせたあとにカウンターをもらってしまう可能性が高い。
★「ジュラルドンVMAX」
→「いちげきウーラオスVMAX」「ジュラルドンVMAX」「頂への雪道」が採用されていない<ルギア>に対して詰み盤面を形成可能
★「アローラロコンVSTAR」
<サーナイト>に対して実質的な詰み盤面を形成可能。ただし、「フワンテ(バルーンボム)」「クレセリア(ムーンライトリバース/ルナブラスト)」からはダメージを受けてしまううえ、「ラルトス(メモリースキップ)」にわざを封じられてしまうことがある。

以上より、存在するだけ/わざを宣言しているだけで詰みの盤面を形成可能である点を高く評価して「ジュラルドンVMAX」と「アローラロコンVSTAR」が相方として相応しいと考えました。実際、最初は相方が「ジュラルドンVMAX」だけでしたが、「頂への雪道」や「パニックマスク(後述)」込みでも<サーナイト>に全然勝てなかったため、「アローラロコンVSTAR」は必須でした。直前に行われた海外の大型大会でも「ジュラルドンVMAX」と「アローラロコンVSTAR」を採用した<アルセウス>が優勝している実績があり(しかも決勝戦の対戦相手は世界最強と名高いプレイヤーが使う<サーナイト>)、一定の評価を受けている組み合わせであると認識していました。

また、「頂への雪道」も「アローラロコンVSTAR」が突破された時や、プレイできなかったときの保険として「パニックマスク」も<サーナイト>対策として採用しています(後述)。<サーナイト>のために実質4枠も割いているのキツ過ぎ…。


【4. デッキレシピと採用理由】

今回のデッキレシピはこちらです。

綺麗に3行に収まって嬉しい

■ポケモン

SARではなくSR,HR,UR派

・アルセウスVSTARライン 4-3
スタートしたい、1ターン目に絶対に置きたい、3匹使う対面もある、の3つの理由から「アルセウスV」は4枚確定です。「アルセウスVSTAR」も3匹使う対面があることや、2ターン目に絶対に進化したいことを考えると4枚確定と言いたいところですが、デッキを60枚に収めるために泣く泣く1枚抜きました。3匹目のアタッカーとしては最悪「ジュラルドンVMAX」で代用します。後述しますが、「すごいつりざお」を採用するなら「アルセウスVSTAR」は3枚でも許されるかもしれません。

・ジュラルドンVMAXライン 2-2
サーナイト>以外の対面では殆ど使いたいですが、スタートすると嬉しくないことと、エネルギーの枚数の関係で「ジュラルドンVMAX」を2匹育てることがほぼ不可能なため、1匹は育てられるようにサイド落ちを考慮して最低限の2枚ずつの採用です。「ヒスイのヘビーボール」を採用したことで「ジュラルドンV」を1枚に減らすことも考えましたが、<ルギア>対面で必ず1ターン目に置きたいことや、ネストボールでサーチできることが大事だと考えて2枚採用としています。

・アローラロコンVSTARライン 1-1
<サーナイト>対面でしか殆ど使用しないため、その時にVSTARがサイド落ちすることを割り切っての1枚ずつの採用です。「アローラロコンV」がサイドに落ちた時は「ヒスイのヘビーボール」で拾います。「アローラロコンVSTAR」がサイドに落ちた時は「頂への雪道」と「パニックマスク」で時間を稼いでいる隙にサイドから拾います。対戦の中盤以降に「アローラロコンV」をベンチに置いたらすぐに狙われそうですが…。<サーナイト>対面以外では<パオジアン>や<ミライドン>対面でも使えることは覚えておいてよいと思います。

■グッズ/ポケモンのどうぐ

グッズをURにする予定はありません。

・ボール系(4-4-1)
<アルセウス>は1ターン目に「アルセウスV」を置くことが最大の目標であり最低限行わなければならないことです。これを実現するための現実的かつ割り切れる基準を”初手で「アルセウスV」に触る確率を80%以上担保する”としたとき、それを満たすには「アルセウスV」になる札が12枚は必要です(細かい確率計算は省きます)。そのため、「ネストボール」と「ハイパーボール」は4枚確定です。他のボール系のグッズはこのデッキでは使いにくいため選択肢になりませんでした。

また、今回は「アローラロコンV」が1枚採用のため、サイド落ちをケアして「ヒスイのヘビーボール」は1枚確定です。2枚以上サイド落ちをケアする必要は殆ど無いため1枚採用としました。ちなみに、スタートするポケモンが「アルセウスV」ではなくなる確率が上がるため、「ヒスイのヘビーボール」を抜いて「アローラロコンV」を増やすという選択肢は考えていません。これで「アルセウスV」になる札が実質13枚となり、適切な枚数であると考えています。

・いれかえ系(1-1)
<アルセウス>は2ターン目に「アルセウスVSTAR」のトリニティノヴァを宣言することが最大の目標としたとき、「アルセウスV」でスタートできなかった場合にポケモンを入れ替える必要があるため、入れ替え札は必須です。基本的には「アルセウスVSTAR」のスターバースを使用してサーチすることが多いですが、サイド落ちをケアして2枚以上は確定です。3枚目以降ですが、<アルセウス>はエネルギーの手貼り権が余りやすく、「ダブルターボエネルギー」がそのまま逃げるエネルギーとして機能するため過剰だと考えており、2枚採用としました。

選択肢は、「いれかえカート」が流石にあり得ないとすると「ポケモンいれかえ」と「あなぬけのひも」になります。どちらも有効に使える場面がある(どちらにも裏目もある)ことと、スターバースで好きな方をサーチできることを考慮して1枚ずつの採用としました。「あなぬけのひも」は実質的な「ボスの指令」となる場合があるため多めに採用したい気持ちはありますが…。

・ポケギア3.0 2
このデッキはデッキを回すためのシステムポケモンを採用していないため、ポケモン以外でデッキの回転率を上げる必要があると考えています。もちろん山札を引くためのサポートはたくさん採用していますが、噛み合わなければ手札事故を起こして何もできなくなることも少なくありません。

汎用性や<アルセウス>に適しているという観点から、選択肢としては「トレッキングシューズ」と「ポケギア3.0」の2つだと考えています。それぞれの長所と短所を以下のようにまとめました。

★トレッキングシューズ
↑↑長所
 - 先行1ターン目からエネルギーや「アルセウスV」になる札に触りに行ける。
 - 不要な札をトラッシュできるかもしれない。
↓↓短所
 - 対戦終盤は引ける枚数が非常に少ないため実質的なお祈りになりがち。※この時引きたい札は恐らくサポート

★ポケギア3.0
↑↑長所
 
- このデッキは使用したいサポートがその時によって異なっており、その選択肢を広げることができる。
 - 対戦終盤に手札干渉をされた後もサポートに触りやすい。
↓↓短所
 - 先行1ターン目は腐る。

ざっくりまとめると、対戦の序盤に重きを置くなら「トレッキングシューズ」で、終盤に重きを置くなら「ポケギア3.0」だと思います。今回は「アルセウスV」になる札とエネルギーの数が十分であることや、後行1ターン目には使える点も考慮して、終盤に重きを置いて「ポケギア3.0」を採用しました。ここは正直好みが分かれるところだと思います…。「ポケギア3.0」は1枚だけ採用するくらいならサポートの現物を増やした方が良いため2枚採用しました。

・ロストスイーパー 1
「頂への雪道」によってスターバースや「ジュラルドンVMAX」のまてんろうを封じられると苦しいため、場から消す手段が必要だと考えました。「頂への雪道」ではないスタジアムでも役割は果たせますが、<サーナイト>の「フワンテ(バルーンボム)」についた「勇気のおまもり」を剥がすプレイが強力であるため、「ロストスイーパー」が選択肢となりました。ポケモンのどうぐを剥がしたい場面が限定的であり<サーナイト>以外の対面ではほぼ発生しないことと、後述する「災いの荒野」でも「頂への雪道」をトラッシュできるため、1枚採用としました。

・パニックマスク 2
<サーナイト>の対策札です(採用理由は前述の通り)。1枚採用では押し切られる可能性があり、1度は2回のわざ宣言で突破されることが多く3枚採用は過剰と考えて2枚採用としました。引いたら即貼れるのも嬉しいです。

■サポート

ポケモンと同様にSR派。ナンジャモもSRです。

・たくさん引けるドロー系サポート 博士の研究2-アクロマの実験2-ナンジャモ1
システムポケモンがいないためたくさんドローできるサポートは必須であると考えました。一般的な<アルセウス>は「博士の研究」を4枚採用することが理想かと思いますが、今回はトラッシュしたくないカード(採用枚数が限られているカードや「頂への雪道」、「ボスの指令」)が多いため、トラッシュせずに縦引きできる「アクロマの実験」も採用しました。山札を確実に圧縮できる点や「やまびこホーン」対策でたねポケモンをロストできる点も評価が高いです。採用枚数は”「ポケギア3.0」と合わせてドローできるor手札を入れ替えることができるサポートが11枚以上(本当は12枚採用したい…)”が最低条件と考えて、後述する他のサポートの枚数との兼ね合いでそれぞれ2枚ずつの採用としました。

「ナンジャモ」も似たような理由で、トラッシュせずに手札をリフレッシュでき、引ける枚数も序盤は多い点を評価して採用しました。ただし、対戦終盤は引ける枚数が非常に少ないため1枚のみの採用です。

・妨害のおまけでドローしたり手札を入れ替えられる系サポート ジャッジマン3-セイボリー1
このデッキは「頂への雪道」で相手の動きを止めることが大きな目標ですが、その「頂への雪道」を維持するためには相手を妨害することも必要であると考えました。妨害として最も汎用性が高く刺さりが良い手段が手札干渉としたとき、「ジャッジマン」と「ツツジ」が選択肢になりました。前述したような手札を増やしたりリフレッシュする手段にもなります。しかし、「ツツジ」は使用できる状況が限られている点が対戦序盤からしっかり動きたい<アルセウス>というデッキに合っていないと考えて「ジャッジマン」のみを採用することにしました。

「ポケギア3.0」と合わせてドローできるor手札を入れ替えることができるサポートを11枚以上採用するとなると、「ジャッジマン」は4枚採用となりますが、他の妨害手段を考えた時に汎用性の高さや縦引きという点を評価して「セイボリー」が選択肢となりました。特に<サーナイト>に対しては刺さりが非常に良く、勝率を高めるうえで必須だと感じました。相手に利用されることがある点とスターバースでサーチできる点を考慮して「セイボリー」は1枚のみ採用し、残りの3枚を「ジャッジマン」としました。

・相手のベンチにいるポケモンを呼び出す系サポート ボスの指令3
前述したように、<アルセウス>は基本的に6回のわざ宣言で勝つデッキです。しかし、今のポケモンカードはゲームスピードが加速しておりそこまで待ってくれません。そのため、相手のベンチにいるサイドを2枚以上とれるポケモンを呼び出してわざを宣言する回数を減らしてサイドを6枚とり切ることが必要だと考えました。

選択肢は「ボスの指令」と「セレナ」の2つです。ドローのための札としても使える点では「セレナ」の評価が高いですが、<サーナイト>の「キルリア」や<ルギア>の「アーケオス」など「セレナ」では呼び出せないポケモンを呼び出したい機会が非常に多いため「ボスの指令」のみを採用しました。本当は4枚採用したかったですが、デッキを60枚に収めるために泣く泣く1枚抜きました。

■スタジアム

スタジアム6枚のデッキ冷静にヤバい(直前まで7でした)

・頂への雪道 4
このデッキのコンセプトでありほぼすべての対面で3回以上使えるため4枚確定です。

・災いの荒野 2
こちらがスターバースを使う前に張られた相手の「頂への雪道」を剥がす手段は<アルセウス>にとって必須です。そのための枠は多い方が安心ですが、4枠が限界だと考えていました。そのうちの1枠は前述した「ロストスイーパー」であるため、「頂への雪道」以外のスタジアムを検討しました。ただ、スタジアムにはそれぞれ全く別の特徴があって単純な比較が難しいため、”何を優先したいか”で考えることにしました。その結果、”やや苦手な<ロストギラティナ>と<ロストカイオーガ>の勝率を上げること”を優先することにしました。そこで白羽の矢が立ったのがこの「災いの荒野」です。目的は序盤のロストの進行を遅らせることであり、特に<ロストギラティナ>は「ジェットエネルギー」の採用が増えており、その分入れ替え札を削っている構築が一般的となっているため、十分に要求を上げることができました。本当は3枚採用したかったですが、デッキを60枚に収める収めるために泣く泣く1枚抜きました。1枚採用は触りにくい点と刺さりが悪い点を考慮して考えておりません。

世界で初めてこのカードを使った説。原案はチームメンバーです。

■エネルギー

ファーストデザインエネはカッコよさと視認性の高さを兼ね備えているので大好き。

ボール系のグッズの項目でも少し触れましたが、<アルセウス>は1ターン目に「アルセウスV」を置き、さらにエネルギーを手貼りすることが最大の目標であり最低限行わなければならないことです。そして、「アルセウスV」と同様に、初手でエネルギーに触る確率を80%以上担保するためにはエネルギーになる札が12枚は必要であるため、それ以上の枚数は必要だと考えました。「エネくじ」や「エネルギー転送」などのエネルギーをサーチするグッズは有効に使える場面が殆ど無く、現物で良いため採用は考えていません。「エネくじ」は「アルセウスV」のトリニティチャージを使いたい場面で「ダブルターボエネルギー」に触りやすくなったりしますが。

配分ですが、まず「ダブルターボエネルギー」は「アルセウスV」「アルセウスVSTAR」に手貼りしない対戦がほぼ無いため4枚確定です。「アローラロコンVSTAR」もわざとの噛み合いが良く共有できるうえ、逃げるためのエネルギーとしても一役買います。次に「基本水エネルギー」は「アローラロコンVSTAR」を1匹しか使わないため、サイド落ちをケアして2枚採用としました。エネルギーに割ける枠が残り6枠と考えた時に、「ジュラルドンVMAX」のキョダイフンサイに必要なエネルギーに無色が無く、エネルギーの枚数が14枚や15枚は過剰であるため、「基本闘エネルギー」を2枚、「基本鋼2エネルギー」を4枚採用することになりました。このような理由で「ジュラルドンVMAX」は基本的に1匹しか育たないことが前提となりました。

エネルギーはこれで12枚となり目指していた基準は満たしていますが、さらにエネルギーに触れる確率を上げたいという点と、「ギラティナVSTAR」のロストインパクトを「アルセウスVSTAR」が耐えられるという点を評価して「Vガードエネルギー」を採用しました。「アルセウスV」が「ルギアVSTAR」のストームダイブを耐えるようになるのも偉いですね。しっかり触れるようにするためにも2枚採用が望ましいと思いますが、「ジュラルドンVMAX」がロストインパクトを耐える点や使用できる場面が限定的である点も考慮して1枚採用としています。


【5. 採用候補と不採用理由】

採用理由の項目で「枠の都合を言い訳に泣く泣く切ってるカード多過ぎない?」と思った方もいらっしゃると思いますが、本当に入れたいカードが多かったんです…。採用を見送ったカードは以下の15枚です。

アルセウスVSTAR4枚目、アローラロコンVSTAR2枚目、クチート(あまいわな)、ハリーセン(はれつばり/どくづき)、ミカルゲ(しっこくのわざわい)、すごいつりざお、トレッキングシューズ、ツールジャマー、災いの箱、チェレンの気くばり、キバナ、Vガード2枚目、ボス4枚目、セイボリー2枚目、災いの荒野3枚目

枚数を増やしたいカードは枠の都合が不採用理由ですので、そのほかのカードの不採用理由のみ触れます。

・クチート(あまいわな)
「アルセウスV」でスタートする確率が下がる点、<サーナイト>対面以外で殆ど使う場面がない点、「ボタン」によって突破される可能性がある点から不採用となりました。「クチート」を準備する手間もそこそこあるのもネックですね。

・ハリーセン(はれつばり/どくづき)
<サーナイト>対策用として考えていました。HPが残り僅かのポケモンに対してどくづきでとどめを刺しつつ、「ハリーセン」を技のダメージできぜつさせると相打ちにできる可能性があるためサイドレースで優位に立つことができます。「ハリーセン」を準備する手間は意外と少ないものの、「クレセリア」のムーンライトリバースや「サーナイト(アルカナシャイン/ブレインウェーブ)」「エルレイド(バディキャッチ/らせんぎり)」に対しては相打ちにさせてもらえない点、「アルセウスV」でスタートする確率が下がる点、<サーナイト>対面以外で殆ど使う場面がない点から不採用となりました。

・ミカルゲ(しっこくのわざわい)
今回の構築は<ミュウ>を切っているため不採用となりました①。ただ、<ルギア>対面で「アヤシシV」のフロンティアロードを止めたり(※)、<パオジアン>対面で「ネオラントV」のルミナスサインを止めることができるため、比較的採用したかったカードです。
※最近の<ルギア>には「頂への雪道」が採用されることもあるため、その対策。

・すごいつりざお
枠の都合とシティリーグということで甘えたため不採用となりました①。このカードと後述する「チェレンの気くばり」と合わせて、今の構築は<ロストカイオーガ>というデッキを軽視し過ぎです。また、進化ポケモンや基本エネルギーの枚数もギリギリであるため、トラッシュしてしまった時のリカバリー札としても重要なカードだと思います。

・トレッキングシューズ
「ポケギア3.0」の採用理由でも触れましたが、対戦終盤に重きを置いたため不採用となりました。枠が余っているのであれば無限に採用したいです。

・ツールジャマー
<サーナイト>の「フワンテ」ついた「勇気のおまもり」を無効にできますが、スタジアムをロストできる「ロストスイーパー」を優先したため不採用となりました。

・災いの箱
<サーナイト>対面でのロック性能は「パニックマスク」の方が高いと判断して不採用となりました。「パオジアンex」や「ミライドンex」などにも役割を持てる点で「パニックマスク」の評価は高いです。
ただ、「ギラティナVSTAR」をトリニティノヴァ(200ダメージ)やキョダイフンサイのダメージ圏内に入れられる点は非常に有効で、環境の分布を考慮するとこちらを採用する価値は十分にあると今は思います。

・キバナ
今回の構築は<ミュウ>を切っているため不採用となりました②。ただし、「すごいつりざお」を採用していない点と合わせてエネルギー枯渇問題を解決し得るうえ、「頂への雪道」など好きなカードをサーチできる効果は非常に強力なため、<ミュウ>を切っていても採用する価値はあると思います。

・チェレンの気くばり
枠の都合とシティリーグということで甘えたため不採用となりました②。<ロストカイオーガ>への対策となるうえ、<アルセウス>との実質ミラーにおいて非常に重要なカードです。このデッキは220ダメージを出せるためミラーは完全に不利ではありませんが、<ロストカイオーガ>と<アルセウス>ミラーの勝率を担保するためには必須だと思います。

■余談
<ロストカイオーガ>、<アルセウス>、<ミュウ>を甘く見過ぎているのは確かにそうですが、今回の60枚自体はそこそこ綺麗に組めたとは思っています。
ただやはり、大型大会に持ち込むためには上記の15枚から数枚は採用しないといけないと思っていますが、私には60枚にまとめることができませんでした…。このデッキで大型大会を勝ち進むのが難しいと考えているのはこういった理由が大きいです。


【6. 各対面でやることと注意点】

※<アルセウス>というデッキの基本的な回し方については説明を割愛しています。

■サーナイト 五分前後
「アローラロコンVSTAR」を最速で育成して「パニックマスク」と「頂への雪道」をプレイしてスノーミラージュを連打しましょう。

注意点
・「ラルトス(メモリースキップ)」をケアしてエネルギーや入れ替え札は温存しましょう。1匹目のアタッカーを「アローラロコンVSTAR」にするとメモリースキップをもろに受けてしまうため、それもNGです。
・「パニックマスク」は「アローラロコンVSTAR」に1枚、「アルセウスVSTAR」に1枚貼りましょう。これで「アローラロコンVSTAR」は「勇気のおまもり」がついた「フワンテ」のバルーンボムでワンパンされなくなります。
・「アローラロコンVSTAR」は「クレセリア」と「フワンテ」と「頂への雪道」下での「ザシアンV」で突破可能ですので、安心せず後続の「アルセウスVSTAR」を育てましょう。
・「ジュラルドンVMAX」は「空の封印石」がついた「ザシアンV」にサイドを4枚取られる可能性があるため育ててはいけません。「ジュラルドンV」でスタートしてしまった場合は進化せずワイドブレイカーで耐えながら戦いましょう。
・最後に「サーナイトex」を押し付けられることがあるため「あなぬけのひも」と「ボスの指令」は温存しましょう。
・「セイボリー」は使いどころが難しいですが、2ターン目にスターバースでサーチしてでも使った方がよい場合が多いです。

■ルギア 有利
「ジュラルドンVMAX」を最速で育成しましょう。最悪手貼りでエネを貼っても良いので、場に「ジュラルドンVMAX」が存在する盤面をできるだけ早く作ることが大切です。

注意点
・最近は「頂への雪道」が採用されていることもあるため、気を抜かず後続も育てましょう。「やまびこホーン」は切りましょう。

■パオジアン 微有利~
「頂への雪道」を張りながら手札を干渉しましょう。テンポよく突破されると負けてしまいますが、<パオジアン>側のドローの細さとこちらの「頂への雪道」の採用枚数的に突破は簡単ではないと思っています。「ジュラルドンVMAX」が「パオジアンex」をワンパンできることと、「パニックマスク」をつけた「アルセウスVSTAR」が「パオジアンex」にトリニティノヴァで180ダメージを与えるとダメージを受けなくなることは覚えておきましょう。

■ロストギラティナ 五分前後
「災いの荒野」を張ってロストの進行を遅らせながら手札を干渉しましょう。「ギラティナVSTAR」にロストインパクトとスターレクイエムを両方宣言されると大体負けます。要は「ギラティナVSTAR」にわざを宣言されるほど負けに近づくため、ベンチに出てきた「ギラティナV」は進化される前に呼び出して先にダメージを与えておくことが大事です。また、「アルセウスVSTAR」に「Vガードエネルギー」を貼ってロストインパクトを耐えることと、「ジュラルドンVMAX」でベンチの「ギラティナV」を呼び出してワンパンすることも意識しましょう。

■アルセウスギラティナ 五分
どう頑張っても先攻が有利なのでじゃんけんに勝ちましょう。もし出遅れてしまった場合は、「ジュラルドンVMAX」でベンチのポケモンVを呼び出してワンパンすることと、特殊エネルギーが付いたポケモンを無視して「ジュラルドンVMAX」のまてんろうを押し付けましょう。また、相手がスターバースを使う前に「頂への雪道」を積極的に張りましょう。一般的な<アルセウスギラティナ>はスタジアムを場から消す手段が少ないため、こちらの方が「頂への雪道」というカードをコントロールしやすいです。


【7. さいごに】

最後まで読んでいただきありがとうございました!投げ銭方式とさせていただいておりますので、もし今回の記事に少しでも価値を感じた方がいらっしゃれば、お心添えをいただければ幸いです。

質問はTwitterのDMで受け付けておりますのでお気軽にどうぞ。
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