ライブデータプロトタイプ とは

生データを使ったプロトタイプのことで、訳だけだとよくわからないので説明します。

Live Data とは

たとえば「通知機能」のプロトタイプを作るとき、プロトタイピングツールや紙などを利用すると思います。用意するデータはユーザーを想定したデータや、ダミーデータを使うことが多いでしょう。それらのデータを分類すると

・fake/dummy data: そのままの意味。「てすと通知です」みたいな適当なデータ。
・realistic-looking data: 本物っぽく見えるデータ。例:「Hogeがいいねしました」
・real data: 実際のデータ。例: 「Aliceがいいねしました」
live-data: 操作しているユーザー自身のデータ。例えばユーザーがBobで実際にCharlieにいいねされていたなら「Charlieがいいねしました」。別のユーザーが操作しているならまた違うデータ

になります。上から下へより現実へ即したものになっています。(分類はこの記事

目的

実際のユーザーの文脈に沿ったテストができるので、アイデアが「実際に」うまくいくかどうかの証拠を集める、特にユーザーデータと「密接に」関係がある機能を評価したいときに使います。前述のリンク先のケースは通知機能でした(たしかに、自分が最近投稿した記事へのいいね通知なら自然と反応が出そうだが、本物っぽいが無関係な記事へのいいね通知だと、ユーザーが状況を想像をしなければならないので反応が違うはず)。

また、INSPIREDには定量的な評価を集めることが主目的とありますが、ヒートマップ系ツールでセッションリプレイするような定性的な評価にも使えそうです。

使い方

そんなデータを使うくらいなので、忠実度の高いプロトタイプか実際のプロダクト上(招待制テストや1%のユーザへのみ適用)で使うはず。

ただし、他のデータよりも示唆は得られる一方で通常のプロトタイプよりも開発コストがかかることや、プロトタイプであること(作り込まない!)に注意します。

終わりに

コストはかかるがここぞというときに使うと◎。
あくまで特定のユースケースのためのシンプルな実装で、オーバーエンジニアリングするなって強調されてたので気をつけようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?