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山と仕事と事業の話|プロの技術ってすごい(語彙力)

はじめに

こんにちは。えりりんこと白井恵里です。株式会社メンバーズ(東証プライム)執行役員 兼 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下DA) カンパニー社長をしています。DAは企業のデータ活用を支援する事業をやっています。事業立ち上げ時から社長を務めています。

「山と仕事と事業の話」シリーズは白井が仕事や事業の話にかこつけて山の話をしたいだけの軽い雑文です。社内向けコラムとして書いていたものですが、特に社内向けだけに閉じる理由がないのでnoteに掲載します。
山はいいぞ。

※山は素人です。大体適当なことを言ってます。事業も一回目の素人です。個人の感想を言っています。あしからずどうぞ。

プロの技術ってすごい

冬の間はたびたびお休みをいただいて雪山に行っていました。今シーズンは、ガイドが主催するツアーに参加する形で、初めてバックカントリーというものを体験しました。

バックカントリーって何かというと、いわゆる山スキーってやつで、ゲレンデではないエリアで雪山を登ってスキーで滑り降りてくるという遊びです。3時間登って30分で降りて来ちゃいます。ゲレンデならリフトで数分で登れる距離で、しかも圧雪などのグルーミングはされていないため雪の状態次第で気持ちよく滑れるとは限らないところをわざわざ足で登るので、合理的に考えたらやる理由がない遊びです。

もともとゲレンデスキーをやるなかで、知人がやってたり、声かけてもらったりしたことはあって、10年間くらい興味はあるって状態でした。ただ、リスク管理が難しすぎるのでこれまで避けてきました(声かけてくれた知人はリスクジャンキーみたいな人だったので、この人に命は預けらんないwって思った)。今シーズンはたまたま信頼できそうなガイドと知り合って、その人がバックカントリーツアーをやっているということなので、じゃあやってみるかと重い腰を上げたわけです。

実は雪山でスキー場外に出るのも初めてです。雪の状態や積もり方は毎日・毎時違いますし、天候や視界も刻一刻と変化するため、雪山は夏山以上に変動要素が大きいです。
今回お願いしたガイドは事前に現地入りして前後の天候をみながら行く山域や開始時間を前日夜に確定させていましたし、登るルートも、どこまで登るかも、どこを滑るかもその場その場で判断していました。

ツアー中、私はできるだけガイドのすぐ後ろにつくようにして登って、判断の度に何度か「どうしてその判断にしたんですか?」と聞いてみました。
たとえば、目的のゴール地点の手前で「今日は登るのここまでにして滑り降りましょう」という判断をしたときに理由を聞くと、「雲が下から迫って来ているので視界が悪くなる前に降りたいのと、周囲の少し標高が高い山を見ると雪煙が上がっているので、あれと同じ高さまで登ると風が強い。ここは沢地形だけどこの先は尾根に出て、多分今日は上部の雪はクラストしている。すると、風が強いところで滑る準備をすることになるので体が冷えたり荷物が飛ばされたりするし、クラストしている雪はあまり好きじゃないお客さんが多いので、これ以上登っても皆さんに楽しんでもらえないかもという感じです」みたいな内容の回答でした。

滑るコースどりを決めるときも色んな要素を勘案して、安全性が高くて滑って気持ちよく登り返さずに抜けられるところをうまく探していました。基本即判断でしたが、すぐに決められない時は「僕あっちの雪の様子みてくるんで声かけるまでここで待っててください」と言って追加で情報収集をした上で判断していました。

わたくし、これこそ専門技術だなと感動しまして。私も物心ついたときからゲレンデスキーをしているのと、よく山に関する本は読むので、個別の知識としては割と知っていることだったりします。ですが、それらを組み合わせて色々な状況に対応することはできません。 ガイドが対応すべき状況は今回私が体験した状況よりもっと幅が広いはずですし、もっと難易度が高い判断が必要な局面もあるはずです。

「お客さんに安全に楽しんでもらう」というゴールを設定し、常に変化する状況のなかで必要な情報を収集しながら、知識と経験の積み重ねのなかから、ゴールに対して必要なものを組み合わせて素早く判断を下す。これは地形の読み方、雪質、天気に関する知識など個別の知識だけでは不可能で、価値として現出するにはあるひとまとまりの知識セットと、経験や実践の繰り返しが必要なんだろうと思いました。一朝一夕にできることではない。専門技術って、勉強だけでも、実践だけでも、価値を生み出すことはできなくて、インプットと現実への適用を繰り返していくなかで発達するものなんだなと思いました。おそらくゴール設定もそのなかで洗練されてきたはずです。

というわけで、初めてのバックカントリーでしたがめちゃくちゃ楽しかったです。バックカントリー自体もそうですが、専門家の判断を間近で見て、理由を聞くこともできるってめちゃくちゃ楽しいなーと改めて実感。
技術というとロープワークとか滑走技術とかすぐ思いつくものに目が向きがちなんですが、それだけじゃなく、例えば風向きの変化から少し先の天候を予測するのも技術ですし、判断が必要なときに判断できるだけの情報が足りなければ追加収集をするという判断を取れるのも技術ですし、それらの判断を素早く取れることも技術だと思います。そういうのは多分複数の変動要素がある現実のフィールドで実践を繰り返していくなかで身に付くものなんだろうなと思います。例えば素早さはほぼ訓練なので実践を繰り返さないと身に付かない。で、素早さってこの場合価値を発揮するのに超大事だったりする。 みたいな感じ。

技術はスポーツのように発達する

スポーツも技術の集大成なので変な表現なんですが、仕事上の技術習得って結構勉強のイメージが強いような気がしていて。でも実際にはそれ以上に実践を繰り返して動作を体に記憶させること、一連の思考回路を定着させることが大事なんじゃないかなと思いました。理解力が高いと、知ってること=できることと思いがちなんですけど、やっぱり、知ってることと、できること、というより、現実に使えることの間には、日本海溝くらい深い溝がある。いやそんなにはないかも知れないけど。

私個人も、私の専門領域って多分組織運営だったり事業経営だったりになっていくはずなので、あんまり技術ってイメージ持たれないですけど、こうありたいなと思いました。なのでインプットと実践を重ねつつ、何度か条件を変えてトライして事業を立ち上げて成功させることへの再現性を持ちたいと思っています。とりあえずまずは一回目を成功させ続けることですね。

以上、今日の白井さんのお気持ちでした。

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