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山と仕事と事業の話|最初に実現したいことを決める、後から成否を判断できる粒度で決める

はじめに

こんにちは。えりりんこと白井恵里です。株式会社メンバーズ(東証プライム)執行役員 兼 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下DA) カンパニー社長をしています。DAは企業のデータ活用を支援する事業をやっています。事業立ち上げ時から社長を務めています。

「山と仕事と事業の話」シリーズは白井が仕事や事業の話にかこつけて山の話をしたいだけの軽い雑文です。社内向けコラムとして書いていたものですが、特に社内向けだけに閉じる理由がないのでnoteに掲載します。
山はいいぞ。

※山は素人です。大体適当なことを言ってます。事業も一回目の素人です。個人の感想を言っています。あしからずどうぞ。

今回は、何かをするときは最初にそれによって実現したいことを決めよう、後から成否を判断できる粒度で決めよう、という話です。

今年5月に山登りで使う用のソロテントを買いました。
これまでテント泊登山は未経験です。6月頭にテント泊登山の計画があったので、それに合わせてまず5月に近場のテントサイトでテストし、不足装備の買い足しなどをして実践投入です。これを執筆している時点で、テント装備での山行は4回実施しました。

なぜテントを買ったか

さて、テント泊登山。まずテントを買った理由から。以下を実現したかったからです。

  • 実現したいこと
    もっと多くの日数を山の中で過ごしたい。特に夜と朝に山にいたい。

  • 制約
    可処分所得と可処分時間には限界がある

ここから、実現したいことを実現する方法を検討しました。

  1. 日帰りで回数を増やす
    もっとも手軽だが、交通費と移動時間が嵩む。また、夜と朝に山にいるということを実現するのが難しい。

  2. 山小屋宿泊での山行を増やす
    1より交通費と移動時間の総量を抑えられる。夜と朝に山にいられる。今の装備で実施可能。ただし宿泊回数が多くなると費用が嵩む(山域によるが1泊1万円前後)。また、コロナの影響で定員数を減らしているところが多く、予約が取れないことがある。

  3. テント泊での山行を増やす
    1より交通費と移動時間の総量を抑えられる。夜と朝に山にいられる。2より宿泊回数ごとの費用が安く抑えられる(1泊 0〜2,000円くらい)。予約不要なテント場も多く、山小屋よりフレキシブルに動ける。ただし到着時にテント場がいっぱいでテントを張れないリスクがある。テント泊装備の買い足しが必要。

それぞれ一長一短ありますが、実現したいことを考えた時、夜と朝に山にいられることを実現できない1はなし。山中で過ごす日数を増やすことを考えた時に、日数が増えれば増えるほど1泊ごとの単価が低い方が有利なので、2より3のほうが実現したいことによりフィットすると考えました。
その上で、テント装備の初期費用を調査して見積もったところ、山で10泊すれば元が取れる、テント装備は少なくとも2-3年は持つ、という感触を得ました。ってことは、最低1年で5泊すれば費用面での差は消えるので、まあするだろと思って3のテント泊での山行を増やすを選択しました。

買ってみてどうでした

結果、テント泊装備の初期費用は想定よりかかっちゃったんですがw、まあ許容範囲内。4回やってみて、実現したかったことは実現できてるし、「夜と朝に山にいる」ということに対して、山小屋にはないよさがテントにあるということに気づきました。

山小屋泊のとき、よく私は未明に寝床を抜け出して、外で空が白むのをじっと全身で味わうということをしています。すごく好きな時間です。ただこれ、山小屋だと物音で他の人に迷惑をかけないように細心の注意を払って動く必要があって、前夜寝る前に防寒着など外に出るのに必要なものを枕元に置いておいて、夜明けまでにそれを持ってとりあえず外に出るみたいな行動になります。当然忘れ物とかあったりして、コーヒー飲みたいけどコーヒー飲むのに必要な道具忘れてきたとかしたらしょぼんってなります。あと単純に夜明けの山のなかで外にいるのは寒いです。風も強かったりするし。

しかし、テントだと、これらのペインが一気に解消されます。もちろん周囲のテントの人を無用に起こさないよう気を使う必要はありますが、テントという遮蔽物もあるので山小屋よりは自由に動けます。また、テントの入り口をあければすぐ外なので、いながらにして明けていく空と空気を感じることができます。未明はまだ星が出ているので、星空から日の出までテントのなかから見ることができます。さらに、荷物は全て手元にあるので、コーヒーを入れたり朝の身支度をしたりもできますし、入り口をあけていてもテントの中は完全な外よりあたたかいですし、風も防げます。

未明に起きて、テントの入り口をあけ、お湯が沸くのを待ちながら星と月の灯りに浮かぶ遠くの山影を眺め、夜明け前の冷たい空気を吸う。フリーズドライのごはんにお湯を入れて、懐に入れて暖をとりながらコーヒーをすする。そのうちに星が消え、空が白み、朝焼けの朱色に染まり、やがて太陽が山並から姿を現す。
あの目まぐるしい変化、焦ったさ、期待が高まりきったところに昇る朝日の目を刺すまぶしさ、最高じゃないですか。テントだとそれを座ったまま体感できるんです。
むしろテントの醍醐味はそれだと言われそうですけど、費用面以外でテント泊にあんまり興味なかったので知らなかった。

まあでもテントだと雨降って濡れた服は乾かないし、雷雲に巻かれたら安全地帯がないし、食料狙いのクマに襲われたらなすすべないし、生命の安全みたいな部分でのリスクは増します。あと小屋に比べたら天井低くて窮屈だし。

残雪の黒部で、予報以上に天候が悪化し、行動中に長時間雨に降らたことがありました。ザックカバーやレインウェア越しに染み入る雨で(または汗で)シャツ、ザック、帽子、靴、靴下を濡らしてしまい、かつ気温が低い状態が続いていたので、テント泊から山小屋泊に切り替えたことがありました。小屋に入った時は震えてたし、もし幕営予定地付近に山小屋がなかったら低体温症の危険があったと思います。

また、標高約3,000mのテント場で、テント設営中に雹が降り出し、雷鳴が響き、落雷による命の危険を感じたこともありました(本当はそうなる前に山小屋に避難すべきです。夏に雹が降るということは上空に強い寒気があり大気の状態が不安定で落雷の危険が高いということ)。

自分のリスク管理のミスなんですが、割と散々な目にあったなという気持ちになりました。が、これを以ってテントを買ったのは失敗だったとは思いません。なぜかというと、「もっと多くの日数を山の中で過ごしたい。特に夜と朝に山にいたい。」という実現したいことに対して、テント泊は有効な手段であるという手応えを得たからです。しかも「夜と朝に山にいたい」に関しては思っていた以上のものを得られました。

実現したいことが決まってるとゾンビ撲滅に効く

ということで仕事に引きつけてオチをつけると、「最初に実現したいことを決めていると、実現したいことが実現できたので成功という判断ができる」、というのが今回の学びになるかなと。
実際「テントを買おう」という実行することだけ決めて実行して、結果いいことも悪いこともあったら、テントを買ったことが成功だったか失敗だったか判断が難しいですよね。関わる人が複数人いればおそらく回答は分かれるでしょう。

これは仕事でもよく見ることで、「〜〜をしよう」ということしか決めてないので、関わっている人のなかで「失敗」「成功」「まだ成否の結果がでていない」などの判断がわかれてしまい、撤退すべきなのか追加投資すべきなのかこのまま様子見で継続すべきなのか決められない、みたいなことはよくあります。

仕事や事業経営においては、時間も資源なので、判断できずに時間だけすぎていくのは避けたいです。特に難しいのは失敗の判断。でもプロジェクトがゾンビになっちゃったら、ゾンビにはお前もう死んでるぞってちゃんと言ってあげないといけない。なので最初に実現したいことを、後から判断できる粒度で決めておくと便利です。

以上です。週末晴れて欲しいなあ。

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