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山と仕事と事業の話|否定形の目標設定は意味がない

はじめに

こんにちは。えりりんこと白井恵里です。株式会社メンバーズ(東証プライム)執行役員 兼 メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下DA) カンパニー社長をしています。DAは企業のデータ活用を支援する事業をやっています。事業立ち上げ時から社長を務めています。

「山と仕事と事業の話」シリーズは白井が仕事や事業の話にかこつけて山の話をしたいだけの軽い雑文です。社内向けコラムとして書いていたものですが、特に社内向けだけに閉じる理由がないのでnoteに掲載します。
山はいいぞ。

※山は素人です。大体適当なことを言ってます。事業も一回目の素人です。個人の感想を言っています。あしからずどうぞ。

否定形の目標設定は意味がない

さて、最近私はクライミングの技術書を読んでいます。そのなかで深く納得した話があります。それが、以下のような内容です。

  • 岩登りをするにあたって、「失敗しないことを目指す」という心がけは無意味である

  • 「失敗しない」という目標は、いざクライミングをしている最中のクライマーになんの示唆も与えない

  • 「失敗しない」という目標は、いま難しい動きをしようとしているときに、どうすれば成功するのかという具体的なイメージには結びつかない

  • 「失敗しないこと」に最適化すると、トライしないのがもっともよいということになり、進歩の機会が得られない

    ということです。「失敗しない」という目標があっても、じゃあどうしたらいいのかがわからないから動けないということですね。

    (参考:『パフォーマンス・ロック・クライミング』山と渓谷社、デイル ゴダード、ウド ノイマンほか
    https://www.amazon.co.jp/gp/product/4635168077/ref=ppx_yo_dt_b_search_asin_title?ie=UTF8&psc=1

わかりやすいように、「失敗しないことを目指す」とは違う目標設定の場合を見てみます。
「自然に行こう、手の力に頼りすぎず足にしっかり荷重しよう」ということを心がけたとします。これはわかりやすいですね。 実際クライミングしている時は、体の力を抜いて、手に頼らず、足に荷重するだけです。 では足に荷重するにはどうしたらいいかというと、重心を足の真上におけばいいのです。そのためには、岩の形状にもよりますが、姿勢制御のために体幹の筋肉が必要になったりするので、鍛えましょう。そういうふうに打ち手を考えて実行していくことができます。

人の行動を変容させるには成功イメージを示す必要がある

仕事で課題を見つける時も、「これがない」「これができていない」「これが十分でない」で止まってしまうことがあります。じゃあどうなったらいいのか、どうなったら理想状態なのか、それが十分あったらどんないい状態になるのかを描かずに、「これがないからこれをつくる」と一足飛びに施策に行ってしまうと、施策を実行した結果本当によくなるのかもわからないですし、そもそもその施策が成功したのかも評価できなくなります。

「このままじゃやばいぞ」みたいな叱咤も同じです。何をしたらよくて、どうなるのかを示さなければ人は動きません。恐怖だけ煽っても頑なにさせるだけです。

自分に対しても、他人に対しても、人の行動を変容させることを目的とするコミュニケーションでは、「否定形の目標設定は効果が薄い」と考えておいたほういいと思います。
メインの目標設定というか、こういうふうにありたいという設定があった上で、そのために〜〜をしないというのはアリだと思うのですが、最初から否定形の目標のみを並べても、「じゃあどうするのか」が具体的なイメージにならないので、効果が薄いというわけです。伝わるスピードも遅いし、もしそれによってイメージを結ぶことがあっても、人やタイミングによってイメージの中身がばらつく、ということです。

ネガティブなことのほうが目につきやすいですし、しないことを決めることは簡単ですが、それで思考をとめてしまうのは文字通り思考停止だと思います。じゃあどういう状態になったらよいのか、何がゴールなのか、成功イメージを具体的に描くことは常に難しいことですが避けてはいけないことなんだなと。
よくある「私たちは〇〇をしません」というような会社の思想のステートメントも、すること、目指すことは何なのかというのが先にあって、それを実現する上で絞り込むから意味があるのであって、すること、目指すことがない状態でしないことを決めるのはただ売上の上限を無意味に下げる行為です。

身に覚えがあるので自省もしつつ、今日の白井さんのお気持ちでした。

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