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筋肉少女帯 イタコ・LOVE ~ブルーハート~ 歌詞考察

言わずと知れた日本を代表するロックバンド、筋肉少女帯のアルバムを聴いていると、また衝撃的な名前の曲に出会ってしまった。

イタコ・LOVE ~ブルーハート~

その内容は「僕の愛する人が死んでしまったらイタコに憑依してもらってそのままイタコと暮らす!イタコLOVE!」という内容である。大方の人の最初の感想は「なんでやねん!」だと思うし、最初は「なんか本末転倒(?)的な感じでウケるw」くらいのノリで聴いていた。

筋少特有のロックな漢らしいドラム、テクいギター、そこになぜか溶け込むピアノ、そしてオーケンの嘆き叫ぶようなボーカルという筋少楽曲の中では王道を征く曲調でまず曲からハマってしまった。
特に「僕の好きなもの~」の部分は家でずっと歌っていたら妻も真似するようにまでなった。

来る日も来る日もイタコ・LOVE ~ブルーハート~を聴いていると気づいた。

これ、聴いてる人たちにプラトニックラブを説いてる(問うてる)のでは???

プラトニックラブについて一応説明しておくと、プラトニックという言葉はプラトンという哲学者に由来する。
プラトンとは古代ギリシャの哲学者であり、イデア論というものを唱えた。
イデア論とは現世に存在するあらゆる概念はバッタモンでありイデア界に本物があるんで、皆の持ってる概念は本物じゃないことを自覚しつつも本物目指して頑張ろうぜというものである。

「真の愛はなんぞや」という問いに対して、概念として捉える以上は肉体的欲求ではなく、精神的な事象と答えた。
これがプラトンのイデア論みたいだから精神愛をプラトニックラブと呼ぶようになったのである。

オーケンは問うのである。
「汝が精神的な愛に到達しているのであれば、愛する人の精神が宿っていればヨボヨボのイタコのお婆さんの姿であっても愛せるだろう」

オーケンはイタコと暮らすと歌詞で言っているので実際にイタコと暮らせるのかもしれないし、あるいはプラトニックラブを茶化しているだけなのかもしれない。

でも「あなたはパートナーを精神的に愛していますか?」と聞かれると何とも返答しずらいが、オーケンは具体的に「愛する人の精神 in ヨボヨボのイタコを愛せますか?それが愛せないとプラトニックラブじゃないのよ」とめちゃめちゃわかりやすい形に翻訳してくれているのだ。

皆さん、如何ですか?
愛する人の精神 in ヨボヨボのイタコを愛せますか?

実際、私はどうだろうか。
妻に対して当然精神も愛しているけど、ぶっちゃけ肉体も愛しているので両方欲しくなってしまうものである。

そしてこの歌詞の深淵では「今愛している若い娘もいつかはヨボヨボのお婆ちゃんになる」という事実も示唆しているのかもしれない……

とはいえ、やはり歳は一緒に取りたいもので、私はイタコとは暮らせそうにない……
流石はオーケン……

この曲はサブスクでも聞けるので是非聴いてください。

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